リナリア

たるたるたる

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僕はまた宿の外に出て近くのベンチに座っている。

  この前助けた子供は親子で手を繋いで3人楽しく歩いていた。

元気になったんだな。よかったな。


そんな事を思ってぼー、と3人を見守っているとくるりと子供がこちらを振り向いた。



「ねぇ君のお母さんお父さんは?」


「えっ」



お父さんとお母さん?

あれ、僕のお母さんどこだっけ




『あんたなんかがいなければ……!』



やめて、ごめんなさい、生まれてきてごめんなさい
殴らないでやめて。



「ご……ごめ……っ」


「スイ!スイ!」


は、と目を開けるとオスカーさんが必死に僕を揺さぶっていた。

……夢、だったのか。
確かに記憶をたどればあのあと寝たんだったか?


「え……あっ、ごめんなさい……」


「熱がある……疲れが出たのかもね……」


オスカーさんが心配そうに僕の体温と自分の体温を比べている。


久しぶりに見たお母さんに殴られる夢。今も鼓動がどくどくとうるさい。


お母さんにはしょっちゅう殴られて怪我は絶えずあった。

そう思って手を見ても、この世界で出来た痣しかない。
この世界に来た時に全部消えたらしい。

あの醜い傷跡も。


……確か、この世界に来たばかりの時もこうやって、熱が出たことがあった。
その時はカイルさんが一生懸命看病しようとしてアルベルトさんにめっちゃ止められてたっけな。

魔王に病気が伝染ったらどうするんですかー!って怒られていてなんかおかしかった。

……そんなカイルさんを僕は裏切った、
いや、全部嘘だったのだろうか。僕を信じさせようとした嘘。
あの優しさも嘘だったのかもしれない。


もやもやと色々考えているとまた心が滅多刺しされたみたいにどくどく痛む。

じわりと浮かんだ涙をオスカーさんが不思議な顔して拭き取ってくれた。



「大丈夫?相当具合悪いのかな……?」


「いえ……大丈夫です……」


「そう……?なにか食べれそう?」


「……いえ、今はちょっと……」


熱があることを自覚してからどこかめまいがするし吐き気もする。とても食べる気分にはなれない。


「そう……こんなに細いのにまた細くなっちゃう……」


そう答えるとオスカーさんがするっ、と僕の足を撫でた。
その目付きと手つきにぞわりと背筋に悪寒と嫌悪感がはしり思わず足を引っ込めてしまう。


「あっ、ご、ごめんなさいこそばゆくて……」

「ああ、こっちこそごめんね。さぁ休んで。おやすみ。」


心配してくれたのに失礼な事をしてしまった。
罪悪感を抱えながら再び眠りに落ちた。
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みんなの感想(1件)

ヨミ
2018.11.10 ヨミ

すごく面白かったです
続きが早く更新されるのを楽しみに待ってます
今後の展開が楽しみです(*´罒`*)

解除

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