54 / 70
番外編①
1 ヒロインナノヨ伯爵令嬢の前日譚
しおりを挟む
――アレッサ・フォン・カレンデュラは、『甘い夢を見るならあなたと』っていう乙女ゲームのヒロイン。
レスタニア皇国に生まれカレンデュラ伯爵夫妻に愛されて育ったアレッサは、天真爛漫で皆に愛される最強ヒロイン!
伯爵令嬢なのに家庭的でお菓子作りが得意。顔が良いのは言うまでもないし、頭が良くて運動神経も抜群。剣の試合だって同性相手なら負けなしだって言うんだから、本当にチートよね。
アレッサは16歳でレスタニア学院に入学して、この国の皇太子ヴィンセント・レオ・エスピリディオン・フォン・レスタニアと出会って見初められちゃうの。
しかも皇子の取り巻きの宰相の息子や騎士団長の息子、皇子の弟も、隠しキャラの教員だってみ~んなアレッサの虜。
逆ハーレムルートだろうが個人ルートだろうがお構いなし! アレッサは何をしたってどのルートを選んだって、絶対に皆から愛されちゃう運命なのよ!
強いて言うなら恋愛エンドか友情エンドかの違いかな。
どうしてそんなに愛されるのかって言うと、ヴィンセント皇子の婚約者――この乙女ゲームのライバルキャラ、悪役王女が最低最悪の女だから。
その名もエヴァンシュカ・リアイス・トゥルーデル・フォン・ハイドランジア、お隣ハイドランジア国の王女よ。
エヴァンシュカは自己中心的でひどい癇癪もち、しかも王女として権力を持っているものだから、横暴な事だってやりたい放題の超強敵。
見た目は良いし学院の成績はずっと良かったから、スペック自体は高いはずなんだけど……でも正ヒロインのアレッサと正々堂々と戦うことなく、いつも裏から卑怯な手を使いまくるのよね。
そんな最低最悪の婚約者に皇子は辟易しているの。
8歳の頃に政略目的で婚約を結んだものの、エヴァンシュカの性格が悪すぎて皇子は女性不信気味。
このまま結婚したって愛のある生活なんて夢のまた夢だし、跡継ぎの子供が生まれても不幸になるんじゃないか……ひいては、このレスタニア皇国だってワガママなエヴァンシュカのせいで。メチャクチャにされちゃうかも知れない。
だから皇子は「本当にこのままで良いのか」って悩んでいるのよね。
そうして頭を悩ませていた時に、レスタニア学院の入学式でヒロインのアレッサと出会うって訳。
皇子は女性不信だから初めアレッサにも心を開かなかったんだけど、でもそこはやっぱり愛されヒロイン! 何でもありなのよね。
皇子は瞬く間にアレッサに夢中になっちゃって、それを面白く思わないエヴァンシュカが、ライバルとして立ち塞がるの。
皇子の方は何とも思っていないんだけど、エヴァンシュカは隣国から留学して来るくらい皇子の事が大好きだからね。
陰湿ないじめから始まり、取り巻きを使ってアレッサを孤立させる、学院中に嘘の噂を流す――果てにはならず者を雇って、誘拐事件まで起こしちゃうんだから、よっぽどだわ。
しかも、王子以外の攻略キャラにも婚約者とか幼馴染とかが居るんだけど……エヴァンシュカはその子達を悪い道へ唆して、全員「悪役令嬢」に変えちゃうのよ。
強すぎない? ヒロインVS悪役令嬢×5よ? ヒロイン不利過ぎでしょって感じ。
――でもまあ、結局はアレッサが勝つんだけどね!
悪役王女のエヴァンシュカは卒業式の日に断罪されて皇子と婚約破棄、からの修道院に送られて、一生みすぼらしく過ごすことになるのよ。
他の悪役令嬢達もまた然り! 攻略キャラは口を揃えて「婚約者がこんなひどい女性だったなんて」「お陰で目が覚めた」「誰にでも分け隔てなく優しいアレッサはまるで聖女だ」なんて言って首ったけなのよね。
……そのチートな愛されヒロインに転生したのが、この私よ!! そう、今日から私はアレッサ・フォン・カレンデュラ!
気付いたら赤ん坊になってて両親が外人になってた時は本当に驚いたし、そもそも赤ん坊なのに意識がハッキリしていることにも驚いたわ。前世の記憶もそのままだったしね。
でも私の新しい名前が「アレッサ・フォン・カレンデュラ」だって聞いてすぐに理解した。頭ではなく心で理解したのよ。
この世界がゲーム『甘い夢を見るならあなたと』の世界で、私は超絶スーパー愛されヒロインだって事に!!
これ、異世界転生ってヤツよね? せっかく愛されヒロインに生まれ変わったんだから、思う存分 愛されてやろうじゃあないの……結構このゲームやり込んでたから、逆ハールートの選択肢も覚えてるしね。
生まれながらに勝ち組確定、私は約束された成功者よ。
ああでも、人生簡単すぎて欠伸が出ちゃうかもね……どうせなら隠しキャラの教員どころか、モブの男まで落としまくるのはどうかしら? レスタニア学院中の男を私の虜にしてやるわ!
一番好きなのはやっぱり王道のヴィンセント皇子なんだけど……でも、皇子と結婚するのって大変そうじゃない?
皇妃ってきっと仕事がたんまりあって、勉強もたくさんしないといけなくて、しんどいわよね?
そういうのはちょっと面倒だから……私は皆に愛されて、取り合いされながら誰のものにもならずに生きようかなって。
もしどうしても結婚するなら、忙しくなさそうな普通の人が良い!
攻略キャラは皆ダメよね、宰相の妻も騎士団長の妻も大変そう。強いて言うなら教員はアリかも? 実は私の前世、「枯れ専の女子大生」なのよ。年上大歓迎、むしろ教員でも若過ぎるくらいだわ。
ふふふ、楽しくなって来た。
前世の知識をフル活用して、ただでさえチートなヒロインをもっとチートにしてやるんだから!
このまま輝かしい未来へ向かって一直線よ、待ってなさいレスタニア学院! そして悪役令嬢達!
レスタニア皇国に生まれカレンデュラ伯爵夫妻に愛されて育ったアレッサは、天真爛漫で皆に愛される最強ヒロイン!
伯爵令嬢なのに家庭的でお菓子作りが得意。顔が良いのは言うまでもないし、頭が良くて運動神経も抜群。剣の試合だって同性相手なら負けなしだって言うんだから、本当にチートよね。
アレッサは16歳でレスタニア学院に入学して、この国の皇太子ヴィンセント・レオ・エスピリディオン・フォン・レスタニアと出会って見初められちゃうの。
しかも皇子の取り巻きの宰相の息子や騎士団長の息子、皇子の弟も、隠しキャラの教員だってみ~んなアレッサの虜。
逆ハーレムルートだろうが個人ルートだろうがお構いなし! アレッサは何をしたってどのルートを選んだって、絶対に皆から愛されちゃう運命なのよ!
強いて言うなら恋愛エンドか友情エンドかの違いかな。
どうしてそんなに愛されるのかって言うと、ヴィンセント皇子の婚約者――この乙女ゲームのライバルキャラ、悪役王女が最低最悪の女だから。
その名もエヴァンシュカ・リアイス・トゥルーデル・フォン・ハイドランジア、お隣ハイドランジア国の王女よ。
エヴァンシュカは自己中心的でひどい癇癪もち、しかも王女として権力を持っているものだから、横暴な事だってやりたい放題の超強敵。
見た目は良いし学院の成績はずっと良かったから、スペック自体は高いはずなんだけど……でも正ヒロインのアレッサと正々堂々と戦うことなく、いつも裏から卑怯な手を使いまくるのよね。
そんな最低最悪の婚約者に皇子は辟易しているの。
8歳の頃に政略目的で婚約を結んだものの、エヴァンシュカの性格が悪すぎて皇子は女性不信気味。
このまま結婚したって愛のある生活なんて夢のまた夢だし、跡継ぎの子供が生まれても不幸になるんじゃないか……ひいては、このレスタニア皇国だってワガママなエヴァンシュカのせいで。メチャクチャにされちゃうかも知れない。
だから皇子は「本当にこのままで良いのか」って悩んでいるのよね。
そうして頭を悩ませていた時に、レスタニア学院の入学式でヒロインのアレッサと出会うって訳。
皇子は女性不信だから初めアレッサにも心を開かなかったんだけど、でもそこはやっぱり愛されヒロイン! 何でもありなのよね。
皇子は瞬く間にアレッサに夢中になっちゃって、それを面白く思わないエヴァンシュカが、ライバルとして立ち塞がるの。
皇子の方は何とも思っていないんだけど、エヴァンシュカは隣国から留学して来るくらい皇子の事が大好きだからね。
陰湿ないじめから始まり、取り巻きを使ってアレッサを孤立させる、学院中に嘘の噂を流す――果てにはならず者を雇って、誘拐事件まで起こしちゃうんだから、よっぽどだわ。
しかも、王子以外の攻略キャラにも婚約者とか幼馴染とかが居るんだけど……エヴァンシュカはその子達を悪い道へ唆して、全員「悪役令嬢」に変えちゃうのよ。
強すぎない? ヒロインVS悪役令嬢×5よ? ヒロイン不利過ぎでしょって感じ。
――でもまあ、結局はアレッサが勝つんだけどね!
悪役王女のエヴァンシュカは卒業式の日に断罪されて皇子と婚約破棄、からの修道院に送られて、一生みすぼらしく過ごすことになるのよ。
他の悪役令嬢達もまた然り! 攻略キャラは口を揃えて「婚約者がこんなひどい女性だったなんて」「お陰で目が覚めた」「誰にでも分け隔てなく優しいアレッサはまるで聖女だ」なんて言って首ったけなのよね。
……そのチートな愛されヒロインに転生したのが、この私よ!! そう、今日から私はアレッサ・フォン・カレンデュラ!
気付いたら赤ん坊になってて両親が外人になってた時は本当に驚いたし、そもそも赤ん坊なのに意識がハッキリしていることにも驚いたわ。前世の記憶もそのままだったしね。
でも私の新しい名前が「アレッサ・フォン・カレンデュラ」だって聞いてすぐに理解した。頭ではなく心で理解したのよ。
この世界がゲーム『甘い夢を見るならあなたと』の世界で、私は超絶スーパー愛されヒロインだって事に!!
これ、異世界転生ってヤツよね? せっかく愛されヒロインに生まれ変わったんだから、思う存分 愛されてやろうじゃあないの……結構このゲームやり込んでたから、逆ハールートの選択肢も覚えてるしね。
生まれながらに勝ち組確定、私は約束された成功者よ。
ああでも、人生簡単すぎて欠伸が出ちゃうかもね……どうせなら隠しキャラの教員どころか、モブの男まで落としまくるのはどうかしら? レスタニア学院中の男を私の虜にしてやるわ!
一番好きなのはやっぱり王道のヴィンセント皇子なんだけど……でも、皇子と結婚するのって大変そうじゃない?
皇妃ってきっと仕事がたんまりあって、勉強もたくさんしないといけなくて、しんどいわよね?
そういうのはちょっと面倒だから……私は皆に愛されて、取り合いされながら誰のものにもならずに生きようかなって。
もしどうしても結婚するなら、忙しくなさそうな普通の人が良い!
攻略キャラは皆ダメよね、宰相の妻も騎士団長の妻も大変そう。強いて言うなら教員はアリかも? 実は私の前世、「枯れ専の女子大生」なのよ。年上大歓迎、むしろ教員でも若過ぎるくらいだわ。
ふふふ、楽しくなって来た。
前世の知識をフル活用して、ただでさえチートなヒロインをもっとチートにしてやるんだから!
このまま輝かしい未来へ向かって一直線よ、待ってなさいレスタニア学院! そして悪役令嬢達!
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる