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番外編③
5 ジョーの後日談
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――女王の王配になったからと言って俺のやる事は今までとそう変わらない。
ちょっとだけ国を豊かにするために、前世では当たり前にあったものを好き勝手に開発する。
前時代的な法律や国の政策にちょっとだけ口出しをする。
……それ以外の時間はもっぱら小説や演劇のシナリオ執筆だ。
ハイドランジア城内にこしらえられた大層な俺の執務室で、今日も今日とて1人紙と向き合う。
正直言ってここまで豪奢な部屋は落ち着かないのだが、女王から「先生が数々の宝を生み出される聖所ですわよ!? 適当な部屋で良いはずがありませんわ!」と賜ったものだから、ありがたく使わせてもらっている。
区切りの良いところでペンを置いて思い切り伸びをしていると、突然バン! とノックもなしに扉が開かれた。
「――ちょっと雪之丞! この新作は何ですの!?」
「……何スかルディ、面白くなかった?」
すっかり「雪之丞」の発音をマスターしたルディこと、エヴァンシュカ・リアイス・トゥルーデル・フォン・ハイドランジア女王陛下。
彼女が手に持っているのはスノウアシスタントが出した新作の大衆小説『天然王女様は護衛騎士と結婚したい! ……けど無理そうです!』だ。
……お察しの通り、この物語の登場人物にはモデルが居る。誰とは言わない、言うだけ野暮だから。
「面白くないなんて事はあり得ませんわ、でもコレ! わたくしとアデルお姉さまのことを書いたわね!?」
「……エェー、俺がそんなことする訳ないじゃねえッスかー、そんな、本人らに許可取りもせずにー……」
「え!? あっ、そ、そうよね!? 聡い貴方がそのような無作法をするはずがないものね……!? 嫌だわ、わたくしったら……物語に感情移入し過ぎたのかしら、「これはわたくしだ」なんて、厚かましいことを考えてしまいましたわ……」
俺の適当な言い訳でいとも簡単に納得する天然王女様――いや天然「女王」様は、どこからどう見てもやっぱり護衛騎士と結婚できそうにない。
まあ俺と結婚した時点でそんな夢物語は諦めてもらわないと困るんだけど……最近アレッサが面倒な法律を作ったからなあ。
……皆アレッサって覚えてる? 「ヒロインナノヨ」って言った方が分かりやすいか?
女王は一妻多夫もアリっぽいし、その内ハイドさん――いやアデル義姉さんと結婚するなんて言い出したらどうしようか。
まあ、近親婚を禁じる法律が残っている間は安泰か。
「それはそうと雪之丞、いえスノウアシスタント先生! いち読者の声として受け取って頂きたいのですけどね? これ、この物語の王女様、ここからなんとか逆転でアデルお姉さま――いえいえ、護衛騎士と結婚する流れにはならないのかしら?」
「続編の発売を楽しみにお待ちくださーい」
「うぐっ……いえ、それはもちろん待ちますわよ! 待ちますけど、どうにかこう、物語の中だけでも結婚できないかしら……!?」
「この物語はフィクションッスよ?」
「分かっておりますけども! 気に入りませんわ、この流れ! このままでは、天然王女の親友が護衛騎士のハートを射止めるのではなくって!? そんなこと絶対に許しませんわよアリー……!!」
「だーからフィクションだって」
「同性婚の法律、また禁じてやろうかしら!?」
「ちょっと、職権乱用は辞めましょーや女王陛下……そんなことしたら、この国のどっかで同性婚合法化を喜んだ国民たちが武装蜂起するッスよ」
「うぐぐぐっ……!」
キーッとハンカチでも噛み締めそうな顔をしているルディは、いつかアレッサが話していた「悪役王女」っぽい。本当に可愛らしい人だ。
アデル義姉さんがルディに「可愛いですね」って言う気持ちがよく分かるよ、だって可愛いんだから。
「さーさーいち読者さん、小説の感想は直接じゃなくて、いつも通りファンレターでお願いするッスよー」
俺がそう言えば、ルディは「もう書いておりますわ」と言ってドレスの隠しから分厚い封筒を取り出した。
政策を論じる会合の議事録でもあんな分厚さにはならないだろう。
俺は……俺はと言うか「、スノウアシスタント」は本当に彼女に愛されている。
結婚したからと言って、ルディの中で作者と読者の関係性は変わらないらしい。
時に興奮するとこうして直接感想と要望をぶつけに来てしまうらしいが、基本的にはファンレターを書いて渡してくれるのだ。
この在り方はどうも、アデル義姉さんのススメらしい。
義姉さん曰く、例え婚姻関係にあっても作者とファンの間柄は保つべきだと。ルディが好き勝手物語に口出し、介入すればそれはもう「スノウアシスタントの作品」ではなくなる。
好きなら一歩引いて応援する、どうしても伝えたい事があるなら他のファンと同様、手紙でも出しなさい。結婚したからと言って「自分は他のファンとは違う、自分の好きに変えられる」なんて増長してはいけません――と。
これは俺の勝手な推察に過ぎないが、たぶんソレは前世のアデル義姉さんと伴侶の関係性だったのではないかと思う。
義姉さん前世では舞台役者だったらしいし……ファンとの付き合い方には、それなりの矜持があったんじゃあないかってな。
でも何だかんだ言いながらアレッサを突き放さない辺り、意外と押しに弱い感じもするし……前世では押しかけファンと結婚してたりして?
結婚したファンは、いつも舞台の感想を義姉さんに直接ではなく、わざわざ手紙にしたためて伝えていたのだろうか。義姉さんはそういういじらしいのがタイプなんだろうか。
……なんて本人に言えば、また「素手喧嘩」利用してぶっ飛ばされそうだから絶対に言わないけど。
――そう言えば最近、義姉さんがウチの坊主たちに「演技指導」なるものをしているらしい、なんて「影」から聞いたな。
面白そうだから、ルディにはもう少しだけ黙っていよう。
そんな事を考えながら、受け取ったばかりの厚い封筒を開く。
紙面をびっしりと埋める文字のひとつひとつに愛情を感じながら、俺は「やっぱり天然王女様はこのまま護衛騎士と結婚できない方向で進めよう」と決めた。
――だって彼女が結婚するのは、俺1人で十分だから。
ちょっとだけ国を豊かにするために、前世では当たり前にあったものを好き勝手に開発する。
前時代的な法律や国の政策にちょっとだけ口出しをする。
……それ以外の時間はもっぱら小説や演劇のシナリオ執筆だ。
ハイドランジア城内にこしらえられた大層な俺の執務室で、今日も今日とて1人紙と向き合う。
正直言ってここまで豪奢な部屋は落ち着かないのだが、女王から「先生が数々の宝を生み出される聖所ですわよ!? 適当な部屋で良いはずがありませんわ!」と賜ったものだから、ありがたく使わせてもらっている。
区切りの良いところでペンを置いて思い切り伸びをしていると、突然バン! とノックもなしに扉が開かれた。
「――ちょっと雪之丞! この新作は何ですの!?」
「……何スかルディ、面白くなかった?」
すっかり「雪之丞」の発音をマスターしたルディこと、エヴァンシュカ・リアイス・トゥルーデル・フォン・ハイドランジア女王陛下。
彼女が手に持っているのはスノウアシスタントが出した新作の大衆小説『天然王女様は護衛騎士と結婚したい! ……けど無理そうです!』だ。
……お察しの通り、この物語の登場人物にはモデルが居る。誰とは言わない、言うだけ野暮だから。
「面白くないなんて事はあり得ませんわ、でもコレ! わたくしとアデルお姉さまのことを書いたわね!?」
「……エェー、俺がそんなことする訳ないじゃねえッスかー、そんな、本人らに許可取りもせずにー……」
「え!? あっ、そ、そうよね!? 聡い貴方がそのような無作法をするはずがないものね……!? 嫌だわ、わたくしったら……物語に感情移入し過ぎたのかしら、「これはわたくしだ」なんて、厚かましいことを考えてしまいましたわ……」
俺の適当な言い訳でいとも簡単に納得する天然王女様――いや天然「女王」様は、どこからどう見てもやっぱり護衛騎士と結婚できそうにない。
まあ俺と結婚した時点でそんな夢物語は諦めてもらわないと困るんだけど……最近アレッサが面倒な法律を作ったからなあ。
……皆アレッサって覚えてる? 「ヒロインナノヨ」って言った方が分かりやすいか?
女王は一妻多夫もアリっぽいし、その内ハイドさん――いやアデル義姉さんと結婚するなんて言い出したらどうしようか。
まあ、近親婚を禁じる法律が残っている間は安泰か。
「それはそうと雪之丞、いえスノウアシスタント先生! いち読者の声として受け取って頂きたいのですけどね? これ、この物語の王女様、ここからなんとか逆転でアデルお姉さま――いえいえ、護衛騎士と結婚する流れにはならないのかしら?」
「続編の発売を楽しみにお待ちくださーい」
「うぐっ……いえ、それはもちろん待ちますわよ! 待ちますけど、どうにかこう、物語の中だけでも結婚できないかしら……!?」
「この物語はフィクションッスよ?」
「分かっておりますけども! 気に入りませんわ、この流れ! このままでは、天然王女の親友が護衛騎士のハートを射止めるのではなくって!? そんなこと絶対に許しませんわよアリー……!!」
「だーからフィクションだって」
「同性婚の法律、また禁じてやろうかしら!?」
「ちょっと、職権乱用は辞めましょーや女王陛下……そんなことしたら、この国のどっかで同性婚合法化を喜んだ国民たちが武装蜂起するッスよ」
「うぐぐぐっ……!」
キーッとハンカチでも噛み締めそうな顔をしているルディは、いつかアレッサが話していた「悪役王女」っぽい。本当に可愛らしい人だ。
アデル義姉さんがルディに「可愛いですね」って言う気持ちがよく分かるよ、だって可愛いんだから。
「さーさーいち読者さん、小説の感想は直接じゃなくて、いつも通りファンレターでお願いするッスよー」
俺がそう言えば、ルディは「もう書いておりますわ」と言ってドレスの隠しから分厚い封筒を取り出した。
政策を論じる会合の議事録でもあんな分厚さにはならないだろう。
俺は……俺はと言うか「、スノウアシスタント」は本当に彼女に愛されている。
結婚したからと言って、ルディの中で作者と読者の関係性は変わらないらしい。
時に興奮するとこうして直接感想と要望をぶつけに来てしまうらしいが、基本的にはファンレターを書いて渡してくれるのだ。
この在り方はどうも、アデル義姉さんのススメらしい。
義姉さん曰く、例え婚姻関係にあっても作者とファンの間柄は保つべきだと。ルディが好き勝手物語に口出し、介入すればそれはもう「スノウアシスタントの作品」ではなくなる。
好きなら一歩引いて応援する、どうしても伝えたい事があるなら他のファンと同様、手紙でも出しなさい。結婚したからと言って「自分は他のファンとは違う、自分の好きに変えられる」なんて増長してはいけません――と。
これは俺の勝手な推察に過ぎないが、たぶんソレは前世のアデル義姉さんと伴侶の関係性だったのではないかと思う。
義姉さん前世では舞台役者だったらしいし……ファンとの付き合い方には、それなりの矜持があったんじゃあないかってな。
でも何だかんだ言いながらアレッサを突き放さない辺り、意外と押しに弱い感じもするし……前世では押しかけファンと結婚してたりして?
結婚したファンは、いつも舞台の感想を義姉さんに直接ではなく、わざわざ手紙にしたためて伝えていたのだろうか。義姉さんはそういういじらしいのがタイプなんだろうか。
……なんて本人に言えば、また「素手喧嘩」利用してぶっ飛ばされそうだから絶対に言わないけど。
――そう言えば最近、義姉さんがウチの坊主たちに「演技指導」なるものをしているらしい、なんて「影」から聞いたな。
面白そうだから、ルディにはもう少しだけ黙っていよう。
そんな事を考えながら、受け取ったばかりの厚い封筒を開く。
紙面をびっしりと埋める文字のひとつひとつに愛情を感じながら、俺は「やっぱり天然王女様はこのまま護衛騎士と結婚できない方向で進めよう」と決めた。
――だって彼女が結婚するのは、俺1人で十分だから。
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