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1.奇襲
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「S・S・S」――攻撃隊の隊長機から、「S」の連送が打電された。その意は「われ奇襲に成功せり」。わが攻撃隊飛行機240機は爆弾を抱え、敵重要拠点の空を覆う。投下された爆弾は駐機中の敵飛行機370機を地上撃破、戦艦5隻、航空母艦7隻をはじめ多数の艦船を沈没せしめた。
かくしてわが海軍は――
「兵長、失礼します。まもなく当直の時間です」
カーテンの向こうから、声が聞こえた。
私は狭い寝台の中で、何度も読み返していた本を閉じた。艦内で唯一、私だけの空間であるこの3段ベッドの中段のカーテンを開く。
見れば、立っているのは航海科の2等兵。私に当直の交代時刻を知らせに来たのだ。
「分かった」
私がそれだけ言うと、彼は足音を立てずに立ち去った。多くの者が寝ているここで足音でも立てようものなら、後で吊るし上げにされる。
私も同じように音を立てずに床に降り、兵員室を出た。
・・・・・・
照明を暗くされ、青やオレンジのモニターが並ぶ艦橋へ入る。たくさんのモニターと操作卓がごちゃごちゃと並んだ艦橋は狭い。一応、壁面のスクリーンには宇宙空間が映っているので、外の様子を見られる艦橋要員は羨望の的である。
私は中央に屹立した3つの制御盤の、一番左についている乗員へ歩み寄った。
「伍長、ラダー操舵交代します」
何も言わず制御盤を離れた伍長に代わって、私は円形ハンドルの付いた操舵装置の前に立った。ハンドルに手は添えない。制御盤の隅には「AUTO」の文字――今は自動航行中だ。
私はこの駆逐艦「スターダスト」の操舵員である。宇宙艦ゆえ、操舵輪は3つ。一番右は「ロール操舵」、すなわち艦を左右に傾けるもの。この舵輪を回しっぱなしにすれば艦は前を向いたままグルグル回ることになる。中央のものは「エレベータ操舵」、上下方向の舵である。そしで一番左、私が担当するのが「ラダー操舵」、大昔の水上艦の時代からある、左右方向の舵だ。
すぐ、ロールとエレベータの操舵員も交代し、3舵とも新しい乗員に変わった。
・・・・・・
本艦は「スター」級駆逐艦の3番艦である。「スターダスト」と名はきらめかしいが、大して新しい艦ではない。現に今、もう始まっているはずの作戦に本艦は参加していないのだ。戦力として、あまり期待されてはいないのだろう。
わが艦隊は戦艦3隻を中心とした「主力部隊」であるが、その実態は後方支援部隊だ。今次作戦にて攻撃の主力を務めるのは、戦闘艇母艦とその艦載機。主力艦の強力な光線砲による大火力は、当てにされていない。
それでも私は、この一大作戦に奮い立ち、眠りの浅い仮眠をやめて、大昔の故郷の惑星の海軍がたどった戦いの記録を読んでいた。私が軍に入隊してから手放したことがない、唯一の愛読書だ。
作戦計画の通りであれば、わが攻略部隊はウィーティアナ星系にて集結中の敵主力艦隊に奇襲攻撃をかけている頃である。あえて艦隊決戦を避け、4隻の戦闘艇母艦を中心とした大機動部隊を突撃させているのだ。
私のような一兵卒には、情報など与えられない。だから――如何なる策を講じたのか分からない。如何にして、敵に気取られず大機動部隊を星系内に進出させ、艦載機を放つのか。成功すれば敵の主力は壊滅するが、もし敵主力の反撃にあえばわが機動部隊は――
それでも――私は奇襲の成功を信じ、寝台の上でわが愛読書を開いていたのである。
・・・・・・
ウィーティアナ星系では、今頃は激戦が繰り広げられているであろう。
それに比べわが艦隊は暢気なものだ。艦載機の大群による襲撃を目的とした本作戦に、戦艦など必要であろうか。巨砲を持て余しながら走る戦艦と、それを護衛しながらついていく本艦は平和そのもの。とても兵器とは思えぬ気楽さだ。
とりあえず、と言わんばかりに発進させた5機の哨戒機からは、何の連絡も入らない。
・・・・・・
その気楽な空気は、それからたった10分で打ち砕かれた。
まず無線封止を破った機動部隊から、わが戦闘艇母艦2隻沈黙、1隻大破航行不能との連絡が入り、艦橋内に動揺が走った。
わが戦闘艇母艦は4隻いたはず。連絡の通りなら、健在なものは1隻のみということになる。
わが主力部隊はこの機動部隊からの連絡を、まだどこか他人のように受け止めていた。見渡す限りわが艦隊は健在で、相変わらず敵のいない空間を遊弋していた。
次に入った連絡で、わが身に重大なる危機が迫っていることを自覚すると、艦隊の空気は一挙に浮き足立った。
それは哨戒3号機からの連絡であった。わが艦隊が遊弋するこのザワール星系、その主星ザワールの反対側に、敵機動部隊発見せり、と。
それは大変な油断であった。安全と思われていたこのザワール星系に、既に敵艦隊がやってきている。しかも哨戒機は「戦闘艇母艦7隻ヲ認ム」と言ってきた。わが機動部隊よりも数の多い、大艦隊だ。
艦隊が突然湧いて出るはずがない。ウィーティアナ星系に集結していた、いや、そうに違いないとわが軍が思い込んでいた敵は、この星系へ進出しわが主力艦隊を捕捉撃滅せんと大軍を差し向けてきたのだ。しかも、わが軍がとろうとした機動部隊による奇襲、という戦術を用いて。
敵がこのザワール星系に迷いもなくやってきた理由は分からない。わが軍の通信の暗号化に不備があったか、あるいは間諜でも潜んでいたか。
それはそれで失態であるが、それ以上に、哨戒が不十分であったのが大失態であった。
哨戒機の報告によれば敵艦隊はすでに本星系にワープアウト済みである。哨戒機は簡単なワープ機能を持っているからこの星系外まで哨戒可能であるはずだが――如何せん、5機では足りなかったのだ。
同じ星系内にワープされるまで気付かなかったのは、明らかな哨戒不十分であった。おそらく、報告してきた哨戒機は母艦に一時帰投すべく戻って来たところで、この大変な事態を目撃したのだろう。
旗艦たる戦艦「ハーキュリーズ」から「各艦ハ戦闘ノ用意ヲセヨ」との信号があり、本艦は「戦闘警戒第1配備」を敷いて総員が配置に就いた。操舵長の命令で自動操縦が解除され、私は操舵輪を握った。
今さらのように9機の哨戒機が発進していったが、それがわが艦隊の持てる哨戒機の全てであった。これだけの哨戒機しか持っていない「主力部隊」とはなかなか粗末なものだ。せめて1隻、戦闘艇母艦が配置されていれば――
しかしもはや手遅れだ。我々は戦闘艇母艦なしで、敵の戦闘艇母艦7隻の艦載機と戦わなければならない。後から発進させた哨戒機から詳細な敵情が知らされたが、それは我々を絶望させるだけであった。
敵戦力は、戦闘艇母艦に加えて重巡洋艦8隻、軽巡洋艦14隻、駆逐艦32隻。
対するわが戦力は戦艦3隻、重巡洋艦6隻、軽巡洋艦7隻、駆逐艦19隻。
わが戦艦が頑張ってくれれば――と思わないでもないが、数の多い敵の軽巡と駆逐艦はまず確実に手に余る。しかもわが艦隊は敵艦載機の襲撃を受けつつ戦わなければならない。
もはや誰も、ウィーティアナ星系にて苦戦中のはずのわが機動部隊のことなど考えていない。戦闘艇母艦が1隻は健在なはずだが、戻って来てくれるだろうか。
かくしてわが海軍は――
「兵長、失礼します。まもなく当直の時間です」
カーテンの向こうから、声が聞こえた。
私は狭い寝台の中で、何度も読み返していた本を閉じた。艦内で唯一、私だけの空間であるこの3段ベッドの中段のカーテンを開く。
見れば、立っているのは航海科の2等兵。私に当直の交代時刻を知らせに来たのだ。
「分かった」
私がそれだけ言うと、彼は足音を立てずに立ち去った。多くの者が寝ているここで足音でも立てようものなら、後で吊るし上げにされる。
私も同じように音を立てずに床に降り、兵員室を出た。
・・・・・・
照明を暗くされ、青やオレンジのモニターが並ぶ艦橋へ入る。たくさんのモニターと操作卓がごちゃごちゃと並んだ艦橋は狭い。一応、壁面のスクリーンには宇宙空間が映っているので、外の様子を見られる艦橋要員は羨望の的である。
私は中央に屹立した3つの制御盤の、一番左についている乗員へ歩み寄った。
「伍長、ラダー操舵交代します」
何も言わず制御盤を離れた伍長に代わって、私は円形ハンドルの付いた操舵装置の前に立った。ハンドルに手は添えない。制御盤の隅には「AUTO」の文字――今は自動航行中だ。
私はこの駆逐艦「スターダスト」の操舵員である。宇宙艦ゆえ、操舵輪は3つ。一番右は「ロール操舵」、すなわち艦を左右に傾けるもの。この舵輪を回しっぱなしにすれば艦は前を向いたままグルグル回ることになる。中央のものは「エレベータ操舵」、上下方向の舵である。そしで一番左、私が担当するのが「ラダー操舵」、大昔の水上艦の時代からある、左右方向の舵だ。
すぐ、ロールとエレベータの操舵員も交代し、3舵とも新しい乗員に変わった。
・・・・・・
本艦は「スター」級駆逐艦の3番艦である。「スターダスト」と名はきらめかしいが、大して新しい艦ではない。現に今、もう始まっているはずの作戦に本艦は参加していないのだ。戦力として、あまり期待されてはいないのだろう。
わが艦隊は戦艦3隻を中心とした「主力部隊」であるが、その実態は後方支援部隊だ。今次作戦にて攻撃の主力を務めるのは、戦闘艇母艦とその艦載機。主力艦の強力な光線砲による大火力は、当てにされていない。
それでも私は、この一大作戦に奮い立ち、眠りの浅い仮眠をやめて、大昔の故郷の惑星の海軍がたどった戦いの記録を読んでいた。私が軍に入隊してから手放したことがない、唯一の愛読書だ。
作戦計画の通りであれば、わが攻略部隊はウィーティアナ星系にて集結中の敵主力艦隊に奇襲攻撃をかけている頃である。あえて艦隊決戦を避け、4隻の戦闘艇母艦を中心とした大機動部隊を突撃させているのだ。
私のような一兵卒には、情報など与えられない。だから――如何なる策を講じたのか分からない。如何にして、敵に気取られず大機動部隊を星系内に進出させ、艦載機を放つのか。成功すれば敵の主力は壊滅するが、もし敵主力の反撃にあえばわが機動部隊は――
それでも――私は奇襲の成功を信じ、寝台の上でわが愛読書を開いていたのである。
・・・・・・
ウィーティアナ星系では、今頃は激戦が繰り広げられているであろう。
それに比べわが艦隊は暢気なものだ。艦載機の大群による襲撃を目的とした本作戦に、戦艦など必要であろうか。巨砲を持て余しながら走る戦艦と、それを護衛しながらついていく本艦は平和そのもの。とても兵器とは思えぬ気楽さだ。
とりあえず、と言わんばかりに発進させた5機の哨戒機からは、何の連絡も入らない。
・・・・・・
その気楽な空気は、それからたった10分で打ち砕かれた。
まず無線封止を破った機動部隊から、わが戦闘艇母艦2隻沈黙、1隻大破航行不能との連絡が入り、艦橋内に動揺が走った。
わが戦闘艇母艦は4隻いたはず。連絡の通りなら、健在なものは1隻のみということになる。
わが主力部隊はこの機動部隊からの連絡を、まだどこか他人のように受け止めていた。見渡す限りわが艦隊は健在で、相変わらず敵のいない空間を遊弋していた。
次に入った連絡で、わが身に重大なる危機が迫っていることを自覚すると、艦隊の空気は一挙に浮き足立った。
それは哨戒3号機からの連絡であった。わが艦隊が遊弋するこのザワール星系、その主星ザワールの反対側に、敵機動部隊発見せり、と。
それは大変な油断であった。安全と思われていたこのザワール星系に、既に敵艦隊がやってきている。しかも哨戒機は「戦闘艇母艦7隻ヲ認ム」と言ってきた。わが機動部隊よりも数の多い、大艦隊だ。
艦隊が突然湧いて出るはずがない。ウィーティアナ星系に集結していた、いや、そうに違いないとわが軍が思い込んでいた敵は、この星系へ進出しわが主力艦隊を捕捉撃滅せんと大軍を差し向けてきたのだ。しかも、わが軍がとろうとした機動部隊による奇襲、という戦術を用いて。
敵がこのザワール星系に迷いもなくやってきた理由は分からない。わが軍の通信の暗号化に不備があったか、あるいは間諜でも潜んでいたか。
それはそれで失態であるが、それ以上に、哨戒が不十分であったのが大失態であった。
哨戒機の報告によれば敵艦隊はすでに本星系にワープアウト済みである。哨戒機は簡単なワープ機能を持っているからこの星系外まで哨戒可能であるはずだが――如何せん、5機では足りなかったのだ。
同じ星系内にワープされるまで気付かなかったのは、明らかな哨戒不十分であった。おそらく、報告してきた哨戒機は母艦に一時帰投すべく戻って来たところで、この大変な事態を目撃したのだろう。
旗艦たる戦艦「ハーキュリーズ」から「各艦ハ戦闘ノ用意ヲセヨ」との信号があり、本艦は「戦闘警戒第1配備」を敷いて総員が配置に就いた。操舵長の命令で自動操縦が解除され、私は操舵輪を握った。
今さらのように9機の哨戒機が発進していったが、それがわが艦隊の持てる哨戒機の全てであった。これだけの哨戒機しか持っていない「主力部隊」とはなかなか粗末なものだ。せめて1隻、戦闘艇母艦が配置されていれば――
しかしもはや手遅れだ。我々は戦闘艇母艦なしで、敵の戦闘艇母艦7隻の艦載機と戦わなければならない。後から発進させた哨戒機から詳細な敵情が知らされたが、それは我々を絶望させるだけであった。
敵戦力は、戦闘艇母艦に加えて重巡洋艦8隻、軽巡洋艦14隻、駆逐艦32隻。
対するわが戦力は戦艦3隻、重巡洋艦6隻、軽巡洋艦7隻、駆逐艦19隻。
わが戦艦が頑張ってくれれば――と思わないでもないが、数の多い敵の軽巡と駆逐艦はまず確実に手に余る。しかもわが艦隊は敵艦載機の襲撃を受けつつ戦わなければならない。
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