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2.突然の踏み外し
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鋼鉄の悲鳴というべき金属音が鳴り響き、ぼくが今いるブリッジ全体が振動する。いや違う、これは船全体が振動している――
「回転制御システムをリセット!」
主任が指示を飛ばす。この金属音と振動、これはおそらく船体の回転装置に付いている非常ブレーキが動作したせいだ。
この船は遠心重力を発生させるため船体を回転させているが、その機構に何か重大な不具合が発生した場合には、船体の回転を緊急停止させるようになっている。
この500年の間、回転が止まったことはなかったと聞いているが――今まさに非常ブレーキが動作している。500年間回転していたこの船は、その歴史上初めて停止しようとしている。
そうなったら当然、船内は無重量状態になる。遠心重力があるのが前提になっている船内の全てが、破綻する。
『警報、非常ブレーキが作動しています。移動物を固定してください。建物の中に避難してください。容器に入っていない液体を全て捨ててください。警報、非常ブレーキが作動しています――』
無機質な警告音声が広い船内に響き渡る。やがて訪れるであろう無重量状態に備えるための指示が繰り返し流される。非常ブレーキを作動させた回転制御システムが、自動的に警報を流しているのだ。
『警報、非常ブレーキが……』
「リセットしました!」
システムがリセットされ、警報が鳴りやんだ。
「止まった……?」
主任のその声と、ほぼ同時――
『警報、非常ブレーキが作動しています――』
「ブレーキ緩解しません!」
リセットされ再び立ち上がったシステムがまたブレーキをかけ、警報を鳴らす。金属音と振動が止まらない。
「システムを解放、回転制御止めて!」
「どこの不具合? 何のエラーが出てる?」
主任が非常措置を指示し、船長が不具合の出どころを尋ねる。回転制御システムは船にとって絶対に必要なものだが、それを止めて無制御状態で惰性回転させようとしているのだ。当然これは一時的な措置で、惰性で回っている間にブレーキ作動の原因を突き止め解決しなくてはならない。
この船は回転が完全に止まっても、再回転させることができることになっている。だから非常ブレーキが作動しても問題ないとされている。
船の回転部にはどうしても摩擦などでエネルギー損失が生じる箇所があり、それを相殺して回転を維持するために12基の大型モーターが取り付けられている。通常、6基のモーターが最大出力で動作していれば回転は維持できる。これは整備・保守のために一部のモーターを止めても問題を起こさないための構造だ。500年の間に3基が故障して使用不能となったが、残った9基を最大出力で回せば再回転は可能だ。
ただ、この大重量の船体の再回転が完了するのには時間がかかる。完全停止状態からなら、最低1ヵ月。そうでなくても、数週間。その間、満足に外も歩けない状態が続くことになる。もし地面を蹴って空中に出てしまったら元の場所には戻れない。船内の空中を貫く、回転軸が通っている中央シャフト、あるいは反対側の床にたどり着くまで、何日も空中浮遊を続けることになる。建物の中に避難し続けなければ、身の安全は確保できない。
そしてそれ以前に、この船が無事に回転を停止できるという確証はない。非常ブレーキそのものがかなり強引な動作なので船体に大きな負荷がかかる。また船体を再回転させるのも同様に強引な動作となる。500年の間に当初の想定以上に老朽化した船体が、それに耐えられるかは分からない。回転用モーターもすでに3基が故障しているのだから、残ったモーターが再回転時の長時間大出力運転で故障しないとは断言できない。
非常ブレーキ作動の原因は気になるが、今は回転を止めない方がいい。
「システム解放できません!」
「電源落とせ!」
「どこの警告が出てる? 分からないの?」
今まで経験したことのない騒がしいブリッジ。それに金属音と振動、警告音声が加わって恐怖心をかき立ててくる。
「警報画面中央モニターに出せる?」
「中央モニターに送ります――」
ブリッジ正面、中央モニターに映し出された警報画面を見て、みな固まった。
赤、黄色の警告表示――目算で60個以上はあるか。
「電源落としたか」
「――メインシステムがフリーズしてます! 電気系統の操作ができません!」
その報告を聞いて、ぼくは環境制御システムの画面に目を落とした。
……キー入力をしてみたが、反応しない。
「環境制御システムもフリーズしています」
なおも金属音と振動が続く。ブレーキはまだ掛かっている。ぼくの後に続くように各システムのオペレーターがシステムフリーズの報告の声をあげていく。メインシステム、回転制御、環境制御――全てのシステムが動作を停止し操作を受け付けない。
すると今、この大きな宇宙船は――全く制御が効かない状態になっているのか。
この500年間、そんな事が起きた記録はなかったはずだ。システムの操作か機器の整備に、なにか重大な間違いがあったのか。この500年で一度も起こさなかった間違いが。
「非常呼集かけろ、1班は制動機室へ行って手動でブレーキ緩解しろ!」
1班の人員5~6人が足早に通り過ぎる。管制員は非番のブリッジ要員全てに非常呼集をかけようと制御卓を操作する。
「ドアが開きません!」
「放送装置、操作に反応しません!」
悲鳴のような報告が二つ。全てのシステムがフリーズして、ドアの電磁ロックは施錠状態のまま固定。放送装置も全く操作ができなくなっている。この非常事態に直面した今、船内にいる3万人に対して何も伝えることができない――これは、思ったよりまずい。
「叩き壊せ!」
「個人用端末は繋がらないのか!」
1班の一人がドア横の赤マークの扉を開けて緊急開扉用ハンマーを取り出す。全てのドアは、あれで叩き壊して開けられるように設計されている。無論、ハンマーはどこにでも置いてあるわけではないが……
ばきり、と大きな音がしてドアに大穴が空いた。さらにハンマーが打ち込まれ、ばりばりと穴が広げられていく。
やがて1班はハンマーを持ったまま穴を通って出て行った。
「個人用端末は――?」
「――だめです!」
非番の者との連絡を試みていた管制員が声を上げる。個人用端末は船内ネットワークに繋いで使用する。システムがフリーズしているとなるとネットワークが活きていない。向こうの端末は動いているかもしれないが繋がらない。
非番の者が呼べないとなると――事態を察して集まってはくるだろうが――今はここにいるぼくたちだけで対処をしなければならない。
「各班、最低限の人員だけ残して後は受け持ちの区画へ向かえ。各自システムを手動で再起動せよ」
船長の指示に続いてぼくの班の班長がやって来て、役割を決めた。ぼくはブリッジに残されることになった。
バタバタと足音を立ててみながブリッジの出入口へ向かう。出口は1班が扉に開けた穴ひとつだったので少し時間がかかったが、やがて全員が出て行った。
後には、軋むような金属音と振動だけが残った。
・・・・・・
「環境制御、船内の空気はどうなっている?」
船長がぼくに尋ねてきた。
モニターはフリーズして使い物にならないが、制御卓の隅にはブリッジとその周辺の空気圧や温度など最低限の情報を示すアナログの非常計器が設置されている。これらの指示値は正しいはずだ。
とりあえず見てみると、気圧と温度は普段と変わりない。酸素濃度はわずかに上昇している。おそらく――
「気圧・温度異常なし、酸素濃度やや高い――空調はフリーズ時の動作状態のままになっているものと思われます」
酸素濃度が上昇しているということは、機器は動作している。たぶん直前まで酸素を放出していて、その動作がそのまま固定されたのだろう。
「問題はないか」
「今のところは――」
長期的に見ると酸素が増えた区画は火災の危険があり、もし減っている区画があるなら呼吸に支障をきたすことになるが今すぐには――
そう思った瞬間、突然ぼくは椅子から投げ出され制御卓に倒れ込んだ。
金属が強く引っ掻かれ、続いてへし折れるような音。ブリッジが大きく揺れて、ふっと照明が消えた。
「回転制御システムをリセット!」
主任が指示を飛ばす。この金属音と振動、これはおそらく船体の回転装置に付いている非常ブレーキが動作したせいだ。
この船は遠心重力を発生させるため船体を回転させているが、その機構に何か重大な不具合が発生した場合には、船体の回転を緊急停止させるようになっている。
この500年の間、回転が止まったことはなかったと聞いているが――今まさに非常ブレーキが動作している。500年間回転していたこの船は、その歴史上初めて停止しようとしている。
そうなったら当然、船内は無重量状態になる。遠心重力があるのが前提になっている船内の全てが、破綻する。
『警報、非常ブレーキが作動しています。移動物を固定してください。建物の中に避難してください。容器に入っていない液体を全て捨ててください。警報、非常ブレーキが作動しています――』
無機質な警告音声が広い船内に響き渡る。やがて訪れるであろう無重量状態に備えるための指示が繰り返し流される。非常ブレーキを作動させた回転制御システムが、自動的に警報を流しているのだ。
『警報、非常ブレーキが……』
「リセットしました!」
システムがリセットされ、警報が鳴りやんだ。
「止まった……?」
主任のその声と、ほぼ同時――
『警報、非常ブレーキが作動しています――』
「ブレーキ緩解しません!」
リセットされ再び立ち上がったシステムがまたブレーキをかけ、警報を鳴らす。金属音と振動が止まらない。
「システムを解放、回転制御止めて!」
「どこの不具合? 何のエラーが出てる?」
主任が非常措置を指示し、船長が不具合の出どころを尋ねる。回転制御システムは船にとって絶対に必要なものだが、それを止めて無制御状態で惰性回転させようとしているのだ。当然これは一時的な措置で、惰性で回っている間にブレーキ作動の原因を突き止め解決しなくてはならない。
この船は回転が完全に止まっても、再回転させることができることになっている。だから非常ブレーキが作動しても問題ないとされている。
船の回転部にはどうしても摩擦などでエネルギー損失が生じる箇所があり、それを相殺して回転を維持するために12基の大型モーターが取り付けられている。通常、6基のモーターが最大出力で動作していれば回転は維持できる。これは整備・保守のために一部のモーターを止めても問題を起こさないための構造だ。500年の間に3基が故障して使用不能となったが、残った9基を最大出力で回せば再回転は可能だ。
ただ、この大重量の船体の再回転が完了するのには時間がかかる。完全停止状態からなら、最低1ヵ月。そうでなくても、数週間。その間、満足に外も歩けない状態が続くことになる。もし地面を蹴って空中に出てしまったら元の場所には戻れない。船内の空中を貫く、回転軸が通っている中央シャフト、あるいは反対側の床にたどり着くまで、何日も空中浮遊を続けることになる。建物の中に避難し続けなければ、身の安全は確保できない。
そしてそれ以前に、この船が無事に回転を停止できるという確証はない。非常ブレーキそのものがかなり強引な動作なので船体に大きな負荷がかかる。また船体を再回転させるのも同様に強引な動作となる。500年の間に当初の想定以上に老朽化した船体が、それに耐えられるかは分からない。回転用モーターもすでに3基が故障しているのだから、残ったモーターが再回転時の長時間大出力運転で故障しないとは断言できない。
非常ブレーキ作動の原因は気になるが、今は回転を止めない方がいい。
「システム解放できません!」
「電源落とせ!」
「どこの警告が出てる? 分からないの?」
今まで経験したことのない騒がしいブリッジ。それに金属音と振動、警告音声が加わって恐怖心をかき立ててくる。
「警報画面中央モニターに出せる?」
「中央モニターに送ります――」
ブリッジ正面、中央モニターに映し出された警報画面を見て、みな固まった。
赤、黄色の警告表示――目算で60個以上はあるか。
「電源落としたか」
「――メインシステムがフリーズしてます! 電気系統の操作ができません!」
その報告を聞いて、ぼくは環境制御システムの画面に目を落とした。
……キー入力をしてみたが、反応しない。
「環境制御システムもフリーズしています」
なおも金属音と振動が続く。ブレーキはまだ掛かっている。ぼくの後に続くように各システムのオペレーターがシステムフリーズの報告の声をあげていく。メインシステム、回転制御、環境制御――全てのシステムが動作を停止し操作を受け付けない。
すると今、この大きな宇宙船は――全く制御が効かない状態になっているのか。
この500年間、そんな事が起きた記録はなかったはずだ。システムの操作か機器の整備に、なにか重大な間違いがあったのか。この500年で一度も起こさなかった間違いが。
「非常呼集かけろ、1班は制動機室へ行って手動でブレーキ緩解しろ!」
1班の人員5~6人が足早に通り過ぎる。管制員は非番のブリッジ要員全てに非常呼集をかけようと制御卓を操作する。
「ドアが開きません!」
「放送装置、操作に反応しません!」
悲鳴のような報告が二つ。全てのシステムがフリーズして、ドアの電磁ロックは施錠状態のまま固定。放送装置も全く操作ができなくなっている。この非常事態に直面した今、船内にいる3万人に対して何も伝えることができない――これは、思ったよりまずい。
「叩き壊せ!」
「個人用端末は繋がらないのか!」
1班の一人がドア横の赤マークの扉を開けて緊急開扉用ハンマーを取り出す。全てのドアは、あれで叩き壊して開けられるように設計されている。無論、ハンマーはどこにでも置いてあるわけではないが……
ばきり、と大きな音がしてドアに大穴が空いた。さらにハンマーが打ち込まれ、ばりばりと穴が広げられていく。
やがて1班はハンマーを持ったまま穴を通って出て行った。
「個人用端末は――?」
「――だめです!」
非番の者との連絡を試みていた管制員が声を上げる。個人用端末は船内ネットワークに繋いで使用する。システムがフリーズしているとなるとネットワークが活きていない。向こうの端末は動いているかもしれないが繋がらない。
非番の者が呼べないとなると――事態を察して集まってはくるだろうが――今はここにいるぼくたちだけで対処をしなければならない。
「各班、最低限の人員だけ残して後は受け持ちの区画へ向かえ。各自システムを手動で再起動せよ」
船長の指示に続いてぼくの班の班長がやって来て、役割を決めた。ぼくはブリッジに残されることになった。
バタバタと足音を立ててみながブリッジの出入口へ向かう。出口は1班が扉に開けた穴ひとつだったので少し時間がかかったが、やがて全員が出て行った。
後には、軋むような金属音と振動だけが残った。
・・・・・・
「環境制御、船内の空気はどうなっている?」
船長がぼくに尋ねてきた。
モニターはフリーズして使い物にならないが、制御卓の隅にはブリッジとその周辺の空気圧や温度など最低限の情報を示すアナログの非常計器が設置されている。これらの指示値は正しいはずだ。
とりあえず見てみると、気圧と温度は普段と変わりない。酸素濃度はわずかに上昇している。おそらく――
「気圧・温度異常なし、酸素濃度やや高い――空調はフリーズ時の動作状態のままになっているものと思われます」
酸素濃度が上昇しているということは、機器は動作している。たぶん直前まで酸素を放出していて、その動作がそのまま固定されたのだろう。
「問題はないか」
「今のところは――」
長期的に見ると酸素が増えた区画は火災の危険があり、もし減っている区画があるなら呼吸に支障をきたすことになるが今すぐには――
そう思った瞬間、突然ぼくは椅子から投げ出され制御卓に倒れ込んだ。
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