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第36話 国破れるとき
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異変は、さらにしばらく監禁された頃に起こった。
軍用通信の通信量が突然はね上がり、軍港から次々と艦艇が出港していった。管制との交信を聞く限りでは、宇宙ステーションからも戦艦が10隻近く出港したらしい。
演習……じゃないだろう。これだけ出港したら、軍港はもうほとんどカラになったのではないか。艦船がみんな出て行ったら守りはどうする。
戦争か。戦艦を何隻も出したのだ、全面戦争か。
いやそれもおかしい。ぼくがこの星系に進入したとき、海は平和そのものだった。民間船は普通に航行していたし、軍艦だってぼくの要請に応じて出てきた軽巡くらいしかいなかった。それからほんの数日程度で全面戦争など起こらないはずだ。
どうするか。状況は明らかに異常。扉を破って脱出するか。
いや……外の状況がいまいち分からない。混乱もあるだろうし、状況がもうすこし分かるまで、この独房にかくれていたほうが安全か。
そうだ、ラジオはどうなったか。何か言っていないだろうか。
……うん、声は聞こえる。感度を上げてみよう。
『――外出禁止令が出されています、屋内に退避してください』
だらけた男たちの声が、なくなっている……
外出禁止と言ったが――どうしてそんな急に。
他国が攻めてきただけで、すぐ外出禁止とはならないだろう。外出を禁じるということは、もうこの地上が攻撃にさらされる危険があるということだ。いったいどうして――
『繰り返します、星系外縁に義勇団の大船団が出現しました――』
なんだって――?
・・・・・・
艦隊をたくさん出した理由は、星系外縁に出現した義勇団の大船団への対応とみて間違いなさそうだ。
だが、ふつう戦艦まで出すだろうか。義勇団だって無敵じゃない。戦闘船は攻撃を当てれば壊れるし、中にいる団員はただの人間だ。適切な戦力を用意してぶつければ、普通に勝てる。
なのに戦艦を出した……10隻近くも。すさまじい戦力だ。
それくらい出さねばならないほどの船団が来ているのか。どうして……
――ああ、そうか。
この馬鹿どもは……
この国の馬鹿どもは、ぼくが渡した義勇団の暗号表を他国と共有しなかったんだ。こいつら平和ボケしてたのか、あれを自国だけの機密として独り占めしたんだ。
そうなると義勇団にとっては、この国だけ滅亡させれば漏れた機密情報を処理できることになる。そりゃあ大戦力でここを攻めるだろう。軍の総司令部とやらや、ここの政府の偉そうなやつらは、その程度のことに気づかなかったのか。
もうだめだな、この国は。ぼくはGSL209で追っ手を振り切ったが、ここは国なのだから、動くことはできない。やれることはせめて国民を脱出させる程度だが、それもはたして何割逃がせるか。
さすがにここまでぼくのせいにされては困る。情報を持ってきたのはぼくだが、それを取り出して独り占めしたのはこの国のやつらだ。そのあたりの責任はとれない。
それに、ぼくをこうして閉じ込めているのはこの国の人間だ。異論はあるかもしれないが、ぼくにとっては、この扱いはここの国民の総意とみなせる。つらいかもしれないし、苦しいかもしれないが、その程度で悲鳴をあげるな。そんな甘ったれたやつは、悲鳴を押し込めてたたかう義勇団員を糾弾できない。
ひとまず、この収容所が破壊された場合に備えて防護フィールドの用意をしつつ、室内で息をひそめる。今後の行動方針は、どうするか。
・・・・・・
『政府から、国外退避命令が出されました。国民のみなさん、どうか落ち着いて、近くの宇宙港へ向かってください。港湾職員の指示に従い、船に乗ってください。荷物は最低限にまとめてください』
ラジオが世紀末のような内容を放送している。どうやらこの国を捨てるという判断が下ったらしい。
意外に早い、正しい判断だった。おそらく義勇団は初めから国ごと潰すつもりできているだろうから、防衛にこだわらず、人間だけでも逃がした方がいい。早いうちに民間船を大量に出港させ、バラバラの方向に航行させれば、さすがの義勇団も全部を追うのはきびしい。大半は沈むだろうが、運がよければ生き残りが出るかもしれない。
『私どももこれから避難します。ここでこのたいせつな放送を停波したくはありませんが、どうかみなさんご無事で――』
ぼくをしばらく楽しませてくれたこの酔狂なラジオ局も、ついに放送を終える。そうだ、ひとのたいせつなものは、いつもこのようにして踏みつぶされる。
『――さようなら』
この局の、最期のことば。
それから停波するまでに、40秒くらいはかかったと思う。
電波が消えた。
「……さよなら」
別れの言葉は、届くはずがない。それが当たり前のことだ。
・・・・・・
民間宇宙港の通信量が急激に増えた。航行可能なすべての船が出港するのだ。船によっては焦って怒声を発するものもある。
しかし管制官の応答は焦りこそあるものの、きちんと管制指示を続けている。彼らは空にのぼっていく宇宙船を見ながら、まだ管制塔に残っているのだろう。
出発した宇宙船たちの識別信号を耳でたどってみると、みな意外にスムーズに宇宙へ出ていく。戦闘はまだ遠くで行われているのか。
退避開始の判断が早かったからか、艦隊が善戦しているからか。とにかくいまはできるだけ遠くへ進みながら散らばったほうが、生存しやすい。状況は悪いが、まだ最悪ではない。それに――
それに、民間人はみんな出て行ってくれたほうが、おとりになってくれるからいい。
民間人が地上に残っていたら、義勇団はここに強襲降下を行うはずだ。機密を知ったかもしれない人間を消すために。
逆に民間人をありったけの船に乗せて散らばらせたら、義勇団はまずそれを追わざるを得ない。からっぽのこの星にはしばらく来ないはずだ。いずれ軍のデータベースを確認しには来るだろうけど、時間がかかる。
しばらくは大丈夫だな。
理不尽に虐殺される民間人たちと、命令に逆らえず壊れるまで戦う義勇団員たち。前者はみなに悲しまれてきちんと弔われ、後者はだれにも知られず味方に「処分」される。いのちの重さが違う者たちがいま、この星の外にひしめいている。
とりあえずおとりが全滅するまでは、落ち着いていられそうだ。
・・・・・・
民間宇宙港は、ついに沈黙した。
出せる船はすべて出したようで、最後は管制局所属の船が出港していった。管制官たちは、あれに乗っていったのだろう。
軍のほうにも動きがあり、なぜか軍港に残っていた1隻の艦が出ていった。
その後から、「総司令部」とやらの通信が止まっている。どうやらさっき出ていった艦は、司令部要員を乗せて出発したようだ。宇宙に出てから、戦艦かなにかに乗り換えるつもりか。これが、国が捨てられる瞬間なんだな。
この周辺の電波は、だいたい止まってしまった。軍港の誘導電波らしきものはまだ出ているが、管制官の声は聞こえないので、スイッチを切らずに出ていったのだろう。あと聞こえるのは、同じくスイッチを切り忘れたと思われる大型機器が発する雑音くらいだ。周囲にはだれもいないとみていい。
さて、そろそろいくか。
まだ宇宙空間には大量の民間船が動いているはずなので、おとりとして機能してくれている。まずゆっくりシャワーでも浴びよう。ぼくはもと日本人だ、毎日風呂に入らないと気がすまない。インフラは止まっただろうが、非常用発電機で稼働する建物はあるはずだ。
それから服の確保。服には興味がないのだが、この濃緑色の囚人服は情けなさすぎる。服屋でも探して適当にもらっていこう。
食糧については、港湾設備内に船舶へ補給するためのものがあるはずだ。これも取り放題だな。
問題になるのは船と、エネルギーか。船は最低でも高速船がほしい。できればエネルギーがたくさん残っているといいが、なければ補給作業をしなくてはならない。それは大仕事になる。
できれば速い船がほしいな、特高速船が――
特高速船……
ああそうだ、ぼくの特高速船はもうないんだった。
逃げ出せそうな状況になったからつい逃げることを考えていたが、そもそもぼくは処刑待ちだったじゃないか。
新しい船に乗って出発して、うまく脱出できたとしても、その先は――?
どうせまた2~3年くらいで、今回とおなじことが起きるんだろう。
ああ、ここの奴らは無責任だ。ぼくからだいじな船を取り上げておいて、未来を断ち切っておいて、処刑もせずに放置している。ここまでやったなら、最後まで責任取って殺してくれよ。
「……」
やるか、じぶんで。
「……」
――どうやって?
どうやったら、らくに死ねるだろう。苦痛に身を引き裂かれるようにして死んだ者はたくさん見てきたが、自分をらくに死なせる方法は知らないし、習ってない。
できれば一瞬で、意識がブツッと途切れるようなやつがいいが、人間の体は意外にしぶとい。殺そうと思ってやってみると、そう簡単には死なないぞ。
――そもそも、意識が途切れた先はどうなるのだろう。
いや、死んだのならもう意識は戻らないのだが。じゃあぼくはどうなるんだろう。これまでたくさんものを考えてきたぼくは、どこへ行くんだろう。これまでのぼくはなかったことになるんだろうか。ぼくはこの世の続きを見られなくなるのか。そもそも、ぼくの意識が永遠に落ちたあと、世界は続いていくんだろうか。
これは――
そうだ、これは生理的な現象。命をなくすのを回避しようとする、人の体に備わった機能だ。これがあるから人は生き延びてきた。もし自ら命を絶とうとすれば、自動的に回避行動を起こそうとする。
まずいな――
こわい……
軍用通信の通信量が突然はね上がり、軍港から次々と艦艇が出港していった。管制との交信を聞く限りでは、宇宙ステーションからも戦艦が10隻近く出港したらしい。
演習……じゃないだろう。これだけ出港したら、軍港はもうほとんどカラになったのではないか。艦船がみんな出て行ったら守りはどうする。
戦争か。戦艦を何隻も出したのだ、全面戦争か。
いやそれもおかしい。ぼくがこの星系に進入したとき、海は平和そのものだった。民間船は普通に航行していたし、軍艦だってぼくの要請に応じて出てきた軽巡くらいしかいなかった。それからほんの数日程度で全面戦争など起こらないはずだ。
どうするか。状況は明らかに異常。扉を破って脱出するか。
いや……外の状況がいまいち分からない。混乱もあるだろうし、状況がもうすこし分かるまで、この独房にかくれていたほうが安全か。
そうだ、ラジオはどうなったか。何か言っていないだろうか。
……うん、声は聞こえる。感度を上げてみよう。
『――外出禁止令が出されています、屋内に退避してください』
だらけた男たちの声が、なくなっている……
外出禁止と言ったが――どうしてそんな急に。
他国が攻めてきただけで、すぐ外出禁止とはならないだろう。外出を禁じるということは、もうこの地上が攻撃にさらされる危険があるということだ。いったいどうして――
『繰り返します、星系外縁に義勇団の大船団が出現しました――』
なんだって――?
・・・・・・
艦隊をたくさん出した理由は、星系外縁に出現した義勇団の大船団への対応とみて間違いなさそうだ。
だが、ふつう戦艦まで出すだろうか。義勇団だって無敵じゃない。戦闘船は攻撃を当てれば壊れるし、中にいる団員はただの人間だ。適切な戦力を用意してぶつければ、普通に勝てる。
なのに戦艦を出した……10隻近くも。すさまじい戦力だ。
それくらい出さねばならないほどの船団が来ているのか。どうして……
――ああ、そうか。
この馬鹿どもは……
この国の馬鹿どもは、ぼくが渡した義勇団の暗号表を他国と共有しなかったんだ。こいつら平和ボケしてたのか、あれを自国だけの機密として独り占めしたんだ。
そうなると義勇団にとっては、この国だけ滅亡させれば漏れた機密情報を処理できることになる。そりゃあ大戦力でここを攻めるだろう。軍の総司令部とやらや、ここの政府の偉そうなやつらは、その程度のことに気づかなかったのか。
もうだめだな、この国は。ぼくはGSL209で追っ手を振り切ったが、ここは国なのだから、動くことはできない。やれることはせめて国民を脱出させる程度だが、それもはたして何割逃がせるか。
さすがにここまでぼくのせいにされては困る。情報を持ってきたのはぼくだが、それを取り出して独り占めしたのはこの国のやつらだ。そのあたりの責任はとれない。
それに、ぼくをこうして閉じ込めているのはこの国の人間だ。異論はあるかもしれないが、ぼくにとっては、この扱いはここの国民の総意とみなせる。つらいかもしれないし、苦しいかもしれないが、その程度で悲鳴をあげるな。そんな甘ったれたやつは、悲鳴を押し込めてたたかう義勇団員を糾弾できない。
ひとまず、この収容所が破壊された場合に備えて防護フィールドの用意をしつつ、室内で息をひそめる。今後の行動方針は、どうするか。
・・・・・・
『政府から、国外退避命令が出されました。国民のみなさん、どうか落ち着いて、近くの宇宙港へ向かってください。港湾職員の指示に従い、船に乗ってください。荷物は最低限にまとめてください』
ラジオが世紀末のような内容を放送している。どうやらこの国を捨てるという判断が下ったらしい。
意外に早い、正しい判断だった。おそらく義勇団は初めから国ごと潰すつもりできているだろうから、防衛にこだわらず、人間だけでも逃がした方がいい。早いうちに民間船を大量に出港させ、バラバラの方向に航行させれば、さすがの義勇団も全部を追うのはきびしい。大半は沈むだろうが、運がよければ生き残りが出るかもしれない。
『私どももこれから避難します。ここでこのたいせつな放送を停波したくはありませんが、どうかみなさんご無事で――』
ぼくをしばらく楽しませてくれたこの酔狂なラジオ局も、ついに放送を終える。そうだ、ひとのたいせつなものは、いつもこのようにして踏みつぶされる。
『――さようなら』
この局の、最期のことば。
それから停波するまでに、40秒くらいはかかったと思う。
電波が消えた。
「……さよなら」
別れの言葉は、届くはずがない。それが当たり前のことだ。
・・・・・・
民間宇宙港の通信量が急激に増えた。航行可能なすべての船が出港するのだ。船によっては焦って怒声を発するものもある。
しかし管制官の応答は焦りこそあるものの、きちんと管制指示を続けている。彼らは空にのぼっていく宇宙船を見ながら、まだ管制塔に残っているのだろう。
出発した宇宙船たちの識別信号を耳でたどってみると、みな意外にスムーズに宇宙へ出ていく。戦闘はまだ遠くで行われているのか。
退避開始の判断が早かったからか、艦隊が善戦しているからか。とにかくいまはできるだけ遠くへ進みながら散らばったほうが、生存しやすい。状況は悪いが、まだ最悪ではない。それに――
それに、民間人はみんな出て行ってくれたほうが、おとりになってくれるからいい。
民間人が地上に残っていたら、義勇団はここに強襲降下を行うはずだ。機密を知ったかもしれない人間を消すために。
逆に民間人をありったけの船に乗せて散らばらせたら、義勇団はまずそれを追わざるを得ない。からっぽのこの星にはしばらく来ないはずだ。いずれ軍のデータベースを確認しには来るだろうけど、時間がかかる。
しばらくは大丈夫だな。
理不尽に虐殺される民間人たちと、命令に逆らえず壊れるまで戦う義勇団員たち。前者はみなに悲しまれてきちんと弔われ、後者はだれにも知られず味方に「処分」される。いのちの重さが違う者たちがいま、この星の外にひしめいている。
とりあえずおとりが全滅するまでは、落ち着いていられそうだ。
・・・・・・
民間宇宙港は、ついに沈黙した。
出せる船はすべて出したようで、最後は管制局所属の船が出港していった。管制官たちは、あれに乗っていったのだろう。
軍のほうにも動きがあり、なぜか軍港に残っていた1隻の艦が出ていった。
その後から、「総司令部」とやらの通信が止まっている。どうやらさっき出ていった艦は、司令部要員を乗せて出発したようだ。宇宙に出てから、戦艦かなにかに乗り換えるつもりか。これが、国が捨てられる瞬間なんだな。
この周辺の電波は、だいたい止まってしまった。軍港の誘導電波らしきものはまだ出ているが、管制官の声は聞こえないので、スイッチを切らずに出ていったのだろう。あと聞こえるのは、同じくスイッチを切り忘れたと思われる大型機器が発する雑音くらいだ。周囲にはだれもいないとみていい。
さて、そろそろいくか。
まだ宇宙空間には大量の民間船が動いているはずなので、おとりとして機能してくれている。まずゆっくりシャワーでも浴びよう。ぼくはもと日本人だ、毎日風呂に入らないと気がすまない。インフラは止まっただろうが、非常用発電機で稼働する建物はあるはずだ。
それから服の確保。服には興味がないのだが、この濃緑色の囚人服は情けなさすぎる。服屋でも探して適当にもらっていこう。
食糧については、港湾設備内に船舶へ補給するためのものがあるはずだ。これも取り放題だな。
問題になるのは船と、エネルギーか。船は最低でも高速船がほしい。できればエネルギーがたくさん残っているといいが、なければ補給作業をしなくてはならない。それは大仕事になる。
できれば速い船がほしいな、特高速船が――
特高速船……
ああそうだ、ぼくの特高速船はもうないんだった。
逃げ出せそうな状況になったからつい逃げることを考えていたが、そもそもぼくは処刑待ちだったじゃないか。
新しい船に乗って出発して、うまく脱出できたとしても、その先は――?
どうせまた2~3年くらいで、今回とおなじことが起きるんだろう。
ああ、ここの奴らは無責任だ。ぼくからだいじな船を取り上げておいて、未来を断ち切っておいて、処刑もせずに放置している。ここまでやったなら、最後まで責任取って殺してくれよ。
「……」
やるか、じぶんで。
「……」
――どうやって?
どうやったら、らくに死ねるだろう。苦痛に身を引き裂かれるようにして死んだ者はたくさん見てきたが、自分をらくに死なせる方法は知らないし、習ってない。
できれば一瞬で、意識がブツッと途切れるようなやつがいいが、人間の体は意外にしぶとい。殺そうと思ってやってみると、そう簡単には死なないぞ。
――そもそも、意識が途切れた先はどうなるのだろう。
いや、死んだのならもう意識は戻らないのだが。じゃあぼくはどうなるんだろう。これまでたくさんものを考えてきたぼくは、どこへ行くんだろう。これまでのぼくはなかったことになるんだろうか。ぼくはこの世の続きを見られなくなるのか。そもそも、ぼくの意識が永遠に落ちたあと、世界は続いていくんだろうか。
これは――
そうだ、これは生理的な現象。命をなくすのを回避しようとする、人の体に備わった機能だ。これがあるから人は生き延びてきた。もし自ら命を絶とうとすれば、自動的に回避行動を起こそうとする。
まずいな――
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