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再びエレベーター
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エレベーターの前でさっと那原から手を放し愛はボタンを押した。
エレベーターが来るのを待っている間、愛は何とか麗依に連絡をして助けを求められないかと考えた。
エレベーターが来たのでさっと乗り込むと那原もゆったりとしたペースで乗り込んだ。
1階のボタンを押して扉が閉まった。
「俺たちが最初に出会った場所だね」
その言葉を愛は無視した。
すぐに1階に付き、愛は足早にビルを出た。
なるべく那原から離れようとしたのだ。
ちらっと振り返ると那原がゲストカードを受付に返しているところだった。
受付嬢が愛をちらっと見たので愛はさっさっと回転扉の中に逃げ込んで外に出た。
このまま逃げてしまおうかと思った時だった。
「愛?」
スーツを着た男が近寄ってきた。
「え……」
「久しぶりだな~」
元カレの戸田健吾だった。
(なんで、今……)
「もしかしてテレビ局で働いてるの?」
戸田は愛の全身をジロジロと見つめ愛は気持ち悪くなった。
「久しぶりだね、仕事帰り?」
「そう、実はこの近くに転職したんだ」
「転職……」
戸田は2年先輩だったので転職は少し早い気もしたが、あり得る話なのだろうと理解した。
「あ、そうだ。連絡先もう1度、教えてくれない?」
「え?」
「俺、スマホ変えた時にデータ消えちゃってさ」
「なんで?」
「なんでって」
そう言うと戸田は欲望を隠さない目で愛を見た。
「お前、いい女になったな」
「は?」
はっきりと嫌悪した声が出た時だった。
「お待たせ」
愛はふいに肩を掴まれビクッとした。
見ると那原が横に寄り添うように立っていた。
「誰?」
戸田は明らかに那原の美貌に怯んでいる様子だったが声だけは強がっていた。
「そういうあなたは?」
「愛の友達だよ」
「そうですか」
「飲みに行こうとしてるんだ」
「おっかしいな、俺と約束があるんだけど、ね?」
那原に覗き込まれた愛は小さく頷く。
「そう、じゃあ、またな」
そう言うと戸田は那原を睨みつけて立ち去った。
戸田が見えなくなると愛はホッとして力を抜いた。
「ありがとうございます」
そう言って那原から逃れた。
「元カレとか?」
「……はい」
「付きまとわれてるの?」
「いいえ、たまたま会って」
「そうだんだ」
「助かりました」
「じゃあ御礼して」
「何を……」
「なんでもいいよ、お酒でも食事でも……キミ自身でも」
「なっ! 何を言ってるんですか! からかわないでください!」
「本気なのに」
愛はキョロキョロと周りを見て映画のポスターが目に入った。
「映画!」
「え?」
「映画、おごります!」
エレベーターが来るのを待っている間、愛は何とか麗依に連絡をして助けを求められないかと考えた。
エレベーターが来たのでさっと乗り込むと那原もゆったりとしたペースで乗り込んだ。
1階のボタンを押して扉が閉まった。
「俺たちが最初に出会った場所だね」
その言葉を愛は無視した。
すぐに1階に付き、愛は足早にビルを出た。
なるべく那原から離れようとしたのだ。
ちらっと振り返ると那原がゲストカードを受付に返しているところだった。
受付嬢が愛をちらっと見たので愛はさっさっと回転扉の中に逃げ込んで外に出た。
このまま逃げてしまおうかと思った時だった。
「愛?」
スーツを着た男が近寄ってきた。
「え……」
「久しぶりだな~」
元カレの戸田健吾だった。
(なんで、今……)
「もしかしてテレビ局で働いてるの?」
戸田は愛の全身をジロジロと見つめ愛は気持ち悪くなった。
「久しぶりだね、仕事帰り?」
「そう、実はこの近くに転職したんだ」
「転職……」
戸田は2年先輩だったので転職は少し早い気もしたが、あり得る話なのだろうと理解した。
「あ、そうだ。連絡先もう1度、教えてくれない?」
「え?」
「俺、スマホ変えた時にデータ消えちゃってさ」
「なんで?」
「なんでって」
そう言うと戸田は欲望を隠さない目で愛を見た。
「お前、いい女になったな」
「は?」
はっきりと嫌悪した声が出た時だった。
「お待たせ」
愛はふいに肩を掴まれビクッとした。
見ると那原が横に寄り添うように立っていた。
「誰?」
戸田は明らかに那原の美貌に怯んでいる様子だったが声だけは強がっていた。
「そういうあなたは?」
「愛の友達だよ」
「そうですか」
「飲みに行こうとしてるんだ」
「おっかしいな、俺と約束があるんだけど、ね?」
那原に覗き込まれた愛は小さく頷く。
「そう、じゃあ、またな」
そう言うと戸田は那原を睨みつけて立ち去った。
戸田が見えなくなると愛はホッとして力を抜いた。
「ありがとうございます」
そう言って那原から逃れた。
「元カレとか?」
「……はい」
「付きまとわれてるの?」
「いいえ、たまたま会って」
「そうだんだ」
「助かりました」
「じゃあ御礼して」
「何を……」
「なんでもいいよ、お酒でも食事でも……キミ自身でも」
「なっ! 何を言ってるんですか! からかわないでください!」
「本気なのに」
愛はキョロキョロと周りを見て映画のポスターが目に入った。
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「え?」
「映画、おごります!」
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