8 / 10
1
7
しおりを挟む
「はい。如月さん!」
レジで会計を済ませた神崎君が私にメロンパンを手渡す。
「ありがとう.....」
「どういたしまして!ほら、早く食べて教室いかないと遅刻しちゃうよ~」
神崎君はそう言いながら私が食べるように促してくれる。ああ、私、すっごく幸せ者だな。
メロンパンの袋を開け、パクっとかぶりつく。
「ん、美味しい~!!!」
そのメロンパンは、程よく甘くて、優しくて、やっぱり幸せの味がした。
神崎君の優しさに触れていると、心の中にあったもやもやが、一気になくなっていくのを感じる。本当は忘れちゃダメなのに、幸せになっちゃダメなのに。
分かっていても、今だけはこの幸福感に浸っていたかった。
幸せの味をかみしめながらメロンパンをほおばる私を、神崎君は静かに優しく微笑んで待っていてくれた。
その優しい笑顔も、声も、きっと私が人を殺して生活していると知れば。きっとすべて向けてもらえなくなるのだろう。それでも今こうして笑いあっていられるのが幸せなのだ。
「食べ終わるのまっててくれてありがとうっ!」
「いえいえ~じゃあ、学校行こうか!」
「うん!!」
そう言って私と神崎君は並んで歩きだした。
秋風が頬を撫でる。まだ暑い日のほうが多いけど、最近は少し寒くなってきたな。
そう思いながら、神崎君の顔を見上げる。
きりっとしているけど優しい目、よくとおった鼻筋、サラサラと風で揺れる髪__
かっこいいな。そう思う。だが、私なんかが恋をしてはいけない気がする。手の届かない優しさだと思う。
「如月さん、どうかした??」
私の視線に気が付いたのか、神崎君がこちらを向く。視線が交わる。
「ど、どうもしてないよっ!!ごめんね!?」
「ふふっいいよいいよ。如月さんは面白いね。」
目が合った瞬間、ドキッとしてしまった。
私なんかが恋をしていいはずがないのに、胸の高鳴りは止められなくて。うるさいくらいにあふれる気持ちも、抑えることは難しかった。
口の中に残るメロンパンの風味が、より一層甘くなったような気がした。
レジで会計を済ませた神崎君が私にメロンパンを手渡す。
「ありがとう.....」
「どういたしまして!ほら、早く食べて教室いかないと遅刻しちゃうよ~」
神崎君はそう言いながら私が食べるように促してくれる。ああ、私、すっごく幸せ者だな。
メロンパンの袋を開け、パクっとかぶりつく。
「ん、美味しい~!!!」
そのメロンパンは、程よく甘くて、優しくて、やっぱり幸せの味がした。
神崎君の優しさに触れていると、心の中にあったもやもやが、一気になくなっていくのを感じる。本当は忘れちゃダメなのに、幸せになっちゃダメなのに。
分かっていても、今だけはこの幸福感に浸っていたかった。
幸せの味をかみしめながらメロンパンをほおばる私を、神崎君は静かに優しく微笑んで待っていてくれた。
その優しい笑顔も、声も、きっと私が人を殺して生活していると知れば。きっとすべて向けてもらえなくなるのだろう。それでも今こうして笑いあっていられるのが幸せなのだ。
「食べ終わるのまっててくれてありがとうっ!」
「いえいえ~じゃあ、学校行こうか!」
「うん!!」
そう言って私と神崎君は並んで歩きだした。
秋風が頬を撫でる。まだ暑い日のほうが多いけど、最近は少し寒くなってきたな。
そう思いながら、神崎君の顔を見上げる。
きりっとしているけど優しい目、よくとおった鼻筋、サラサラと風で揺れる髪__
かっこいいな。そう思う。だが、私なんかが恋をしてはいけない気がする。手の届かない優しさだと思う。
「如月さん、どうかした??」
私の視線に気が付いたのか、神崎君がこちらを向く。視線が交わる。
「ど、どうもしてないよっ!!ごめんね!?」
「ふふっいいよいいよ。如月さんは面白いね。」
目が合った瞬間、ドキッとしてしまった。
私なんかが恋をしていいはずがないのに、胸の高鳴りは止められなくて。うるさいくらいにあふれる気持ちも、抑えることは難しかった。
口の中に残るメロンパンの風味が、より一層甘くなったような気がした。
0
あなたにおすすめの小説
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
**俺、東大院生の実験対象にされてた。**同居している美人家庭教師のやばい秘密
まさき
青春
俺は今、東大院生の実験対象になっている。
ある雨の夜、アパートの前にずぶ濡れの美女が立っていた。
「家庭教師です。住まわせてください」
突然すぎる申し出に困惑しながらも、なぜか断れなかった。
桐島咲楽、東大大学院生。成績は天才、料理は壊滅的、距離感はおかしい。毎日転ぶ、焦がす、なぜか距離が近い。そのくせ授業は鬼のように丁寧で、俺のことを誰よりもよく見ていた。
偏差値42だった俺の成績は、気づけば上がっていた。でも、それより気になることがある。
咲楽さんが、研究ノートに何かを書いている。「被験者」という文字が、見えた気がした。
距離が近いのは、データのためか。褒めてくれるのは、実験のためか。でも、あの顔は。あの声は。
「データじゃなくて、私がそう思っています」
嘘をついているような顔じゃなかった。
偏差値42の俺に、東大院生の美女が押しかけてきた。ドタバタな毎日の中で、俺の心臓が休まる暇がない。これはドキドキなのか、心配なのか。それとも、もう恋なのか。
不器用な天才と、鈍感な高校生の、やばい同居生活。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
うちの幼馴染がデレすぎてて俺の理性はもう限界。でも毎日が最高に甘いからもうどうでもいいや
静内燕
恋愛
相沢悠太の日常は、規格外の美少女である幼馴染、白石葵によって完全に支配されている。
朝のモーニングコール(ベッドへのダイブ付き)から始まり、登校中の腕組み、そして「あーん」が義務付けられた手作り弁当。誰もが羨むラブラブっぷりだが、悠太はこれを「家族愛」だと頑なに誤解(無視)している。
「ゆーたは私の運命の相手なんだもん!」と、葵のデレデレは今日も過剰の一途。周囲の冷やかしや、葵を狙う男子生徒のプレッシャーが高まる中、悠太の**「幼馴染フィルター」**はついに限界を迎える。
この溺愛っぷり、いつまで「家族」で通せるのか?
甘すぎる日常が、悠太の鈍感な理性を溶かし尽くす――最初からクライマックスの、超高濃度イチャイチャ・ラブコメ、開幕!
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
居候と婚約者が手を組んでいた!
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
グリンマトル伯爵家の一人娘のレネットは、前世の記憶を持っていた。前世は体が弱く入院しそのまま亡くなった。その為、病気に苦しむ人を助けたいと思い薬師になる事に。幸いの事に、家業は薬師だったので、いざ学校へ。本来は17歳から通う学校へ7歳から行く事に。ほらそこは、転生者だから!
って、王都の学校だったので寮生活で、数年後に帰ってみると居候がいるではないですか!
父親の妹家族のウルミーシュ子爵家だった。同じ年の従姉妹アンナがこれまたわがまま。
アンアの母親で父親の妹のエルダがこれまたくせ者で。
最悪な事態が起き、レネットの思い描いていた未来は消え去った。家族と末永く幸せと願った未来が――。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる