なんでも探偵部!

きとまるまる

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18話「どすこいっ!紙相撲部!⑥」

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 次の日の放課後、なんでも探偵部部室。間宮は机に突っ伏してぐったりと疲れきった状態である。そんな間宮の背を、張間は駄々っ子のようにゆさゆさと揺らしている。


張間「間宮先輩~! 私と一緒に遊びましょうよ~!! ま~み~や~せ~ん~ぱぁぁ~い!!」

関「こらこら張間くん、傑くんは昨日のツッコミで疲労が溜まっているんです。少し休ませてあげなさい。」

間宮「お前らのせいだからな、反省しろよ。」

花ノ山「大変でごわすぅぅぅ! おいどんの五山海森がぁぁぁ!!」

間宮「五山海森くらい量産しろや、ボケェェェェ!!」

花ノ山「ごわすぅぅぅぅ!?!?」

張間「間宮先輩ぃぃぃ! 落ち着いてぇぇぇ!!」

関「はぁ、やれやれ...。」



ーーー



 校舎裏の物陰に怪盗2はしゃがみ込んでおり、コソコソと台本らしきものをじっくりと読み込んでいる。


怪盗2「よーしよし、今度こそは...! 台本もバッチリだしね。ふふふ...!」

関「こんなところでコソコソとなにやってるんですか?」

怪盗2「ふぁぁぁぁ!?」

関「大声出さないでくださいよ。鼓膜破けちゃいます。」

怪盗2「ゆ、幸くん!? なんでここに!?」

関「あなたは、ここでなにしてるんですか? 五山海森こんなものを持って。」

怪盗2「え? あ、あれ!? いつのまに!? ちょっ、返してぇぇ!」

関「全く...変な遊びはするんじゃないですよ、七海ちゃん。」

怪盗2「へ、変な遊びじゃないもん! 真剣に役作りしてるんだもん!」

関「次の舞台は、怪盗ものですか?」

怪盗2「そうなの! 名探偵と怪盗のドタバタ劇! 私が怪盗役なのだ! はっはっはっは!!」

関「毎回いい役いただけてますよね。あんなポンコツなのに。」

怪盗2「ポンコツ言うな! まだ役作り中なんだから仕方ないでしょ!!」

関「それにしても、酷かったですよ~。思い出してみてください、怪盗として私たちの前に現れたあなたを。ほぼ喋れてないじゃないですか。アドリブに弱すぎるでしょ。この調子で大丈夫なんですか?」

怪盗2「う、うるさーい!! あんな強烈なキャラばっかりで戸惑ったのよ! しょうがないでしょ!!」

関「青海 七海は、ほんとポンコツですね~。」

怪盗2「だから、ポンコツ言うなぁ!!」

関「ポンコツって言われたくなかったら、あっと驚くような素晴らしい怪盗になってくださいよ。」

怪盗2「ぐぬぬぬ...!!」

関「何か困ったことがあれば、なんでも言ってくださいね、怪盗さん。この名探偵が協力してあげますから。」

怪盗2「うるさーーい! 誰か探偵の力なんぞ借りるか!! 私は、あのルパンもびっくりの大怪盗、怪盗2だぞ!!」

関「舞台、楽しみにしてますよ。」

怪盗2「うん! あっと驚かせちゃうからね!」

関「やれやれ、ホントこの学校はおかしいやつらしかいませんねぇ。」






間宮「お前が言うな!!」

張間「間宮先輩、急にどうしたんですか?」

間宮「いや、なんか言わなきゃいけない気がして。」

張間「ツッコミのしすぎで頭おかしくなりました?」

間宮「そうかもしれない。今日は寝るわ。」

張間「はーい、おやすみなさーい!」
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