なんでも探偵部!

きとまるまる

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17話「どすこいっ!紙相撲部!⑤」

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 会場内の観客席の端。


関「張間くん。」

張間「なんですか、部長?」

関「試合に勝ったのに、なんで私たちは正座させられてるんですか?」

張間「私が聞きたいんですけど。」

花ノ山「おかえりでごわす、五山海森ござんうみもり~! もう離さないでごわすよ~!!」

間宮「山なのか海なのか森なのかどれかにしろよ。というか怪盗2、なんで花ノ山さんのどすこいを盗んだんだ?」

怪盗2「それは、その...うぅ...うわぁぁんんん!! 覚えてろよぉぉぉ!!」

間宮「あ、ちょっと!? い、行っちゃった...なんだったんだ一体...?」

張間「間宮先輩間宮先輩。」

間宮「なに?」

張間「次、間宮先輩の試合ですよ。」

間宮「え? いや、試合って言われても...僕、どすこい持ってないんだけど。」

花ノ山「おいどんの五山海森を貸してあげるでごわすよ!」

間宮「あ、うん、ありがと。僕、ルール全然わかんないんだけど...机叩けばいいんですよね、これ?」

関「はい、初心者はそれで大丈夫ですよ。」

間宮「上級者はどんなことするんだよ?」

陸山女「俺の対戦相手は君かぁ! 正々堂々、気持ちのいい試合をしようじゃないか!」

間宮(対戦相手、この人だったのか...。)

審判「では、両者どすこいをセットし、デスクタップの準備を!」

間宮「えっと、どすこいを土俵上にーーー」

陸山女「へ、へ...! へっくしゅんっ!!」


 間宮がどすこいを土俵上に立てたと同時に、陸山女が大きなくしゃみを吐き出す。くしゃみの勢いで、間宮のどすこいは力なく倒れてしまう。


審判「勝者! 東側ーーー」

間宮「待て待て待てぇぇぇ!! 今、くしゃみで倒れただけでしょ!? というか、残ったもまだだよ!? なにも始まってないでしょ!?」

張間「間宮先輩、勝負ってのは運の世界ですよ。仕方ないです。」

間宮「納得できるわけないだろ!! トントンもせずにくしゃみで倒されるって、なに!? 紙相撲、又の名をトントン相撲だろうが!! トントンさせろよ!!」

関「傑くん、この世界でのくしゃみは、卓球でいう台の角に球が当たってしまうようなものですよ。相手もわざとじゃないんだ、許してあげなさい。」

陸山女「へっへっへ...! すんませんでした~!」

間宮「悪意の塊だろ、あれ!! なにが正々堂々と気持ちのいい試合だ!? ふざけんなぁぁぁ! トントンさせろやぁぁぁぁ!!」


関(M)間宮 傑...初の紙相撲大会は、トントンすることなく初戦敗退となった。ちなみに優勝は、紙相撲の幻影師、準優勝は紙相撲のベートーベンでした。
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