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137話「バカでも風邪引く時は引く③」
しおりを挟む2限終了後、間宮はスマホを確認する。張間からのメッセージ未読が999+になっている。
間宮「......。」
関「傑くーん。」
間宮「あ、先輩。どうしたんですか?」
関「サイバーテロ対策、できてるかい?」
間宮「全くできてません。授業終わりに見たら、未読が999+というエグい攻撃うけました。」
関「あーあ。めちゃんこ暇してるんだね、あの子。」
間宮「自業自得だよ。身体拭けって言ったのに...。ところで、先輩はサイバーテロ対策できてるんですか?」
関「あぁ。いい対策方法を見つけたから、傑くんにも教えてあげようと思ってね。」
間宮「なんですか? 早く教えてください。」
関「「寂しいなら、西田くんにお見舞い行かせようか?」って言ったら、既読無視されるよ。」
間宮「その技は、心が痛くなります...。」
関「だが、効果は抜群だぞ。困ってるなら、ぜひお試しあれ~! ではでは、私は移動教室ですから~。」
間宮「わざわざありがとうございます。」
小さく手を振り教室を後にする関を見送り終わると、間宮はスマホへと視線を落とす。未だに張間からのサイバーテロ攻撃は続いており、絶え間なくメッセージを受信し続けている。
張間[暇]
張間[暇]
張間[暇]
張間[暇]
間宮「ったく...。」
張間[暇]
張間[暇]
張間[暇]
間宮[休み時間は構ってやるから、授業中に送ってくるな]
張間[暇]
張間[!?]
張間[約束ですよ]
張間[間宮先輩ちゅきちゅき]
「大好きクマ~♡」と喋る、お世辞にも可愛いとは言えないクマのスタンプが送られてくる。
間宮「なんだ、この変なクマのスタンプは...? 全く、うるさい後輩だ...。」
ーーー
お昼休み。間宮が授業から解放され、伸びながら椅子の背に持たれかかる。と、机の中のスマホが光り輝く。
間宮「今度は電話か...もしもし?」
張間「こんにちは~~!」
間宮「なに?」
張間「お昼休みですね!」
間宮「うん、そうだけど?」
張間「間宮先輩が寂しがってるかと思いまして、電話かけました! 張間ちゃん優しい~~!」
間宮「寂しくないから。じゃあね。」
張間「あぁぁぁぁぁ!! ヤダヤダヤダヤダ!! 切っても、またすぐかけますからね!!」
間宮「大人しく寝てなさい。」
張間「ヤダヤダヤダ! もう大丈夫ですもん!!」
間宮「本当に?」
張間「はい!」
間宮「本当に?」
張間「はい!」
間宮「本当に?」
張間「......少しだけ、頭痛いです。」
間宮「おやすみ。」
張間「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!」
間宮「あぁぁぁぁ! もぉ、わかったわかった! お昼休みだけだからね! 終わったら、ちゃんと寝ろよ! わかったな!?」
張間「はい! 寝ます! 寝ます!!」
間宮「ったく...。」
張間「間宮先輩、今日のお昼はなんですか?」
間宮「今日はパンだよ。」
張間「何パンですか!?」
間宮「さぁ、なんでしょう?」
張間「おっと、なかなか難易度が高い問題ですね~! でも、張間 彩香ちゃんはズバッと当てちゃいますよ~!」
間宮は電話をしながらカバンに手を伸ばし、焼きそばパンを手にし食べ始める。
間宮「どうぞどうぞ、当ててみてください。」
張間「当てたら、プリン買ってきてくださいね! お見舞いに来てくださいね!」
間宮「当てたらね。」
張間「焼きそばパン!!」
間宮「......。」
張間「おっ、当たりですか!?」
間宮「...違います。」
張間「いや、絶対当たったでしょ! そうでしょ! 約束ですからね!! プリン買って来てくださいよ!! 絶対ですよ!?」
間宮「いや、だから違うって。」
張間「じゃあ、今すぐ写真撮って送ってきてくださいよ! ほら、送ってこいよ!!」
関「おやおや、電話してあげてるのね。そういうことしてるからですよ、傑くん。」
関は、教室の扉からこっそりと間宮を見つめニヤニヤしている。そのまま、間宮には話しかけずに教室を後にする。
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