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170話「先輩と後輩①」
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関 幸:♂ 三年生。なんでも探偵部の部長。
間宮 傑:♂ 二年生。なんでも探偵部の部員。
張間 彩香:♀ 一年生。なんでも探偵部の部員。
ーーーーー
とある夏休みの金曜日。張間と間宮が、飲み物を片手に部室へと歩いている。
張間「はぁ...もう無理です...宿題したくない...。」
間宮「約束、忘れたの?」
張間「だってだって~! せっかく部室に全員集合してるのに宿題とか...やる気が出ません。」
間宮「月、水と遊んだでしょ。」
張間「この調子で、金曜日も遊びましょう!!」
間宮「家帰っても宿題やんないでしょ? だからダメです。」
張間「ちくしょぉぉぉぉぉ!! というか、なんで飲み物買いに行くだけなのについてくるんですか!?」
間宮「逃げないように監視してます。」
張間「とか言いつつ~本当は可愛い可愛い張間 彩香ちゃんの隣にいたいってことなんでしょ? もぉ~間宮先輩ってば♡」
間宮「あーはいはい、そうですねー。」
張間「おい、こら! もっと感情込めんかい! あーー傷つきました! 私、傷ついちゃいました! こんな状態で、宿題なんてできません! 今日は、帰らせていただきます!!」
間宮「じゃあ、張間さんのお菓子はいらないね。先輩に連絡しとくよ。」
張間「あーー! ヤダヤダヤダ!! お菓子食べたいぃぃぃぃぃ!!」
間宮「なら、大人しく宿題しなさい。」
張間「ぶぅ...。」
部室前へと辿り着くと、張間は右手をプルプル震わせながら扉へと手をかける。
張間「くっ...! この扉を開けば、また地獄のような時間が始まってしまう...! そんなの、絶対にーーー」
間宮「さっさと開けろ。」
張間「もぉ、ノリ悪いんですから! わかりましたよ! 開ければいいんでしょ、開ければ! ふんっ!」
張間が頬を膨らませながら、勢いよく扉を開ける。
間宮・張間「...え?」
二人の視線の先には、制服をきた見知らぬ女性が、まるで自分の部屋にいるかのように鼻歌を歌いながら、なんの躊躇いもなく部室の冷蔵庫を漁っている。
「...ん? 誰、あんたたち?」
張間「ど、泥棒だぁぁぁぁ!!」
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