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183話「幽霊なんているわけないじゃないですか!科学的に考えて...って言ってる奴の後ろに幽霊はいる①」
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関 幸:♂ 三年生。なんでも探偵部の部長。
間宮 傑:♂ 二年生。なんでも探偵部の部員。
張間 彩香:♀ 一年生。なんでも探偵部の部員。
佐伯 奏:♀ 女子テニス、なんでも探偵部の顧問。
ーーーーー
8月のとある日。なんでも探偵部の部室。間宮と張間は、持ち込まれた「忍々堂スポッチ」というゲーム機で遊んでいる。
拳銃を手にし、明かりがうっすらと灯る怪しげな洋館をゆっくりと進んでいく二人ーーー視界に扉が映り込むと、二人はピタリと動きを止め、ジッと扉を見つめる。
張間「......間宮先輩、先に行ってください。」
間宮「いやいやいや、張間さんからどうぞ。」
張間「いやいやいや、ここは間宮先輩が先に決まってるでしょうが! ここは俺に任せろ!とか言えないんですか!?」
間宮「後ろは僕が見張ってるから、張間さんは前をお願い。」
張間「貴様、それでも男か!? 情けないですよ、間宮先輩! 今こそ男を見せるチャンスです! さぁ、このか弱い張間 彩香ちゃんをあなたの手で守りなさい!」
間宮「画面、よく見て。男キャラ使ってるの、張間さんじゃん? ゲーム始める時、言ってたよね?「間宮先輩は、か弱いか弱いお人ですから、こっちの女の子キャラ使ってください! この、イケてるかっちょいい男は、私が使います! さぁ、俺の背中を見てついてきな!」って。」
張間「そんなこと言ってません~! 言ってもないことを、さも言ったかのように言わないでください! はい、論破!!」
間宮「先輩。」
関「裁判長、こちらにあるスマートフォンには、張間被告が発した言葉が録音されております。さぁ、お聞きください。」
張間「おい、貴様ら! 二人がかりで可愛い可愛い後輩をいじめるんじゃない! 心が痛まんのか!?」
間宮「自分で可愛いって言うな。」
関「やれやれ、このままじゃ一向に進みませんね。傑くん、張間くん、安心してください。その扉を開けてもゾンビなんて出てきませんから。扉を開けて少し進んだら、大群で押し寄せてきますけどね。」
間宮「少し進んだらなんですね。よかった...。」
張間「なーんだ、開けても出てこないのか。けっ、ビビらせやがって、このやろー! 待っとけや、ゾンビ! この張間 彩香ちゃんがバババッと全滅させたるわい!」
間宮「少し進んだら出てくるんだから、今のうちに装備の確認とかーーー」
張間「扉、ドーンッ!」
間宮「話を聞ーーー」
ゾンビの群れ「「ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
間宮・張間「「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」
関「あははは~! さぁ、頑張って生き延びてくださ~い!」
間宮「いるじゃんか! めちゃくちゃいるじゃんか!!」
張間「話が全然違いますけど!? 嘘吐き! 部長の嘘吐きぃぃぃぃ!!」
関「だってあなたたち、一向に進む気配がないんですもん。見ている私の気持ちにもなってください。」
張間「あぁぁぁ!? 噛まれた! 間宮先輩、ヘルプ! へーールプッ!!」
間宮「こっちもこっちで手一杯だから...あぁぁぁ!? 弾切れだ! やばいやばいやばい!」
張間「嫌だぁぁぁ! こんなところで死にたく...死にたく...!! あぁぁぁぁぁ!?!?」
間宮「あーあ...やられちゃった...。」
張間「ちょっと、何やってるんですか間宮先輩!! なんで助けてくれなかったんですか!?」
間宮「張間さんが僕の話も聞かずに扉開けるからでしょ! ちゃんとしっかり弾を補充してからなら、なんとかなったかもしれないのに!」
張間「そうやって、すーぐ人のせいにするんだから! そこが間宮先輩の悪いところ...って、違ーーーう!! 一番悪いのは、後ろのお前だぁぁぁぁ!! てめぇ、私たちに嘘を教えやがったなぁぁ!? どう責任取るつもりだ、こらぁぁぁ!!」
関「張間くん...君に、この言葉を贈ろうじゃないか...! 「騙される方が、悪いんですよ。」」
張間「んなっ...!?」
関「いや~とても良いものが見れましたよ...! 恐怖で泣き叫ぶ、か弱いウサギちゃんたち...笑いを堪えるのが大変でしたよ。」
張間「き、貴様...やはり、アソプレィラァの...!」
関「ようやく気づいたんですか...でも、もう遅い...! あなたたちは、ここでゾンビのエサとなるのですよ...! んふふふ...あはははは!」
張間「お前の野望は、必ず私たちが止める! いくぞ、間宮先輩! チョリスの仇は、私たちが!!」
間宮「リアルでなにおっぱじめる気ですか、あんたらは?」
佐伯「こんにちわ~。」
張間「あっ、かなねぇ! こんにちわ!」
佐伯「こんにちわ、張間ちゃん。今日も元気で可愛いね。」
張間「張間 彩香ちゃんは、今日に限らずいつでも可愛いですよ!」
間宮「自分で言うな。」
張間「ところで、かなねぇは何しにきたんですか? 今、テニス部は部活中じゃないんですか?」
佐伯「えっとね、お願い事があってね。」
張間「お願い事?」
関「先に言っておきますが、当店はお触り禁止ですよ?」
佐伯「違う違う! そういうことしにきたんじゃないから!」
張間「ほんとですかぁ~? 可愛い可愛い張間 彩香ちゃんを抱きしめたくてきたんでしょ~?」
間宮「だから、自分で可愛いっていうな。」
佐伯「ほんとだから、信じて! 今日は、なんでも探偵部にお願い事があるの! とりあえず、話を聞いて!」
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