なんでも探偵部!

きとまるまる

文字の大きさ
上 下
187 / 330

187話「幽霊なんているわけないじゃないですか!科学的に考えて...って言ってる奴の後ろに幽霊はいる⑤」

しおりを挟む



 綾小路に帰宅を命じた一行は、次なる場所へと歩みを進めている。


張間「まさか、音楽室の謎が綾小路くんだったなんて...。」

間宮「というか、自作ラブソング聞かれたのにあの落ち着きっぷりは、なんなんですか...? むしろ「愛が伝わるか、ぜひ聞いて感想を!」とか...メンタル強すぎません?」

関「まぁ、あれだけ嫌われてるのに諦めずに想い続けてるんですから、メンタルに関してはダイヤモンドレベルだと思いますよ。」

佐伯「幽霊とかじゃなくて、ほんとよかった...。」

関「さて、気を取り直して次の不思議へと参りましょうか。」

張間「なんか、綾小路くんのおかげで、先ほどよりも怖さはなくなりましたね。」

間宮「うん。次も、僕たちの知り合いがなんかしてる気がしてしょうがないよ。」

張間「ですね。」

関「え~続いては「激しく揺れる、中庭の木の謎!」ですね。」

佐伯「き、木が...!? そ、それはきっと、風のせいでは...?」

関「私もそう思ったのですが、風の揺れ方ではなく誰かが思い切り体当たりしてるような揺れ方だそうですよ。そして、揺れと同時に「どすこい!」とか「ごわす!」って聞こえるそうです。」

間宮・張間「......。」

佐伯「も、もしかして...お相撲さんの幽霊が...!? で、でも、どうしてお相撲さんの幽霊が学校に...!?」


 四人の耳に、ガサガサと木の葉が擦れ合う音が聴こえてくる。


佐伯「ひぃ!? み、見て! 木が揺れてる!! も、もしかして、本物の...!?」

張間「こんな時間に、なにしてるんでしょうね?」

間宮「特訓じゃないの? なんで学校でしてるのかは謎だけど。」

関「公園とかでやったら、近所迷惑になるからじゃないですか? この時間の学校でしたら、誰もいないし近所も気にしなくていいですし。」

佐伯「あ、あれ...? どうして三人は、そんなに冷静なの...!? ひぃ!? ほ、ほら! あんなに木が揺れてるんだよ!? ど、どすこいって声も聞こえ...! やっぱり、お相撲さんの...!? い、いやぁぁぁ!!」

張間「かなねぇ、そんな驚かなくても大丈夫ですよ。」

間宮「霊でもなんでもないんで。」

関「とにかく、中庭へ行って注意してきてください。その間に、私たちで巡回してますから。」

佐伯「だから、どうしてあなたたちはそんなに冷静なの!? というか、もしかして私一人で行けと!? 無理無理無理! 無理だって!」

張間「大丈夫ですよ~。ちょっと癖がすごいですけど、悪い人じゃないんで。」

間宮「霊でもなんでもなくて、うちの生徒ですから。」

関「かなねぇは、早く巡回終わらせたいでしょ? ですから、こちらは私たちに任せて。どうぞ、いってらっしゃい。」

佐伯「そ、その通りだけど...! ほ、本当に大丈夫なんだよね!? 信じていいんだよね!?」

間宮「大丈夫です。」

張間「私たちの、この冷静さを見てくださいよ。」

関「安心して、行ってください。」

佐伯「そ、そうよね...! 関くんは、ともかく...さっきまで怖い怖い言ってた二人が、そんな反応してるんだから...だ、大丈夫大丈夫...! 大丈夫大丈夫大丈夫...!」

張間「いってらっしゃ~い。」

関「注意し終えたら、連絡してくださ~い。」

 「五山ござん! 海森うみもり! で! ごわすぅぅ!!」

間宮「もう、確実に花ノ山さんだよ。花ノ山さん以外ありえないよ。」

張間「五山海森って聞こえちゃ、もうダメですよ。」

関「私、この話を聞いた時に花ノ山くんの顔がチラつきましたよ。披露するかどうか、さすがに迷いましたよ。」

間宮「というか、あんたはどこから七不思議なんてもん仕入れてきたんですか?」

関「それは企業秘密です。さて、次の不思議に参りましょ~。」
しおりを挟む

処理中です...