なんでも探偵部!

きとまるまる

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189話「幽霊なんているわけないじゃないですか!科学的に考えて...って言ってる奴の後ろに幽霊はいる⑦」

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張間「なんか、とんでもないものを見ちゃいましたね...。」

間宮「最後と津々浦さんは、ホラーだよ...。他が可愛く見えてきちゃうよ...。」

関「いやはや、女性とは怖い生き物ですね~。さてさて、七不思議はこれにて終了。見回りも、残すところ後少しです。最後まで気を抜かずに見回りましょう。」

張間「あっ、見回り再開する前にトイレ行ってきてもいいですか?」

間宮「うん、いってらっしゃい。」

張間「わかってると思いますけど、先に行かないでくださいよ! わかってますよね!?」

間宮「トイレの前で待ってるから。早く行ってきなさい。」

張間「はーい!」

間宮「はぁ...なんか、疲れたなぁ...。」

関「七不思議ツアー、面白かったですね~。」

間宮「何も面白くないわ。知ってる人ばっかりだったし...まぁ、幽霊とかじゃなくてよかったけどさ。」

関「一つくらいは、本物が混じってることを期待していたんですがね。」

間宮「混じってたら、僕は今日限りで学校に来なくなりますよ。」

間宮「...ん?」

関「おや、どうしました?」

間宮「なに、これ? 葉っぱ?」

関「ですね。手のひらサイズで、大きめですね。」

間宮「なんで廊下に...窓、空いてないですよね?」

関「ここに忍び込んだ誰かの服についていて、落ちちゃったんですよ。」

間宮「なるほど。」

関「......。」

間宮「...どうしたんですか? この葉っぱ、ジッと見つめて。」

関「いや、なんでしょう...? 上手く表現できないんですが...その葉っぱ、不思議な感じがしませんか?」

間宮「はぁ? 急になんですか? あぁ、そんなこと言って驚かせようって魂胆でしょ? 驚かせたかったら、もっと怖いこと言ってください。」

関「いえ、そういうことでは...。」

佐伯「やれやれ、あの子たちは何やってるのかしら...?」

間宮「かなねぇ、おかえりなさい。」

佐伯「ただいま。はぁ...疲れた...。思ってた以上に生徒がいて、びっくりよ...。」

関「ですね~。」

間宮「しかも、僕らの知り合いばっかりだし...。」

佐伯「あれ? 張間ちゃんは?」

関「張間くんは、今トイレにいってます。」

佐伯「そうなのね。後少しで見回りも終わりだし、この後は何も起こらないといいけど...。」

間宮「ですね...。このまま無事に終わってくれればいいなぁ...。」

関「あーあ、傑くんがフラグを立てたので、この後なにか起きますよ、きっと。」

佐伯「え...?」

間宮「起こるわけないでしょ。デタラメ言うな。」



ーーー



 トイレを済ませた張間は、洗面台で手を洗っている。


張間「ふぅ~。なんだかんだ、もうちょっとで見回りも終わりか~。最初は怖かったけど、なんかもぉ慣れちゃったなぁ~。七不思議も大したことなかったし。もっと私に、刺激をおくれよ!!」

張間「間宮せんぱーい! ハンカチ用意しておいてくださ~い! 可愛いきゃわわな張間 彩香ちゃんが、帰ってきますよ~!」

張間「...あれ? 間宮せんぱーい! 聞こえてますー!? 返事くらいしてくださいよー!」

張間「...間宮先輩ってば! もしかして、ハンカチ忘れたんですか!? 何やってるんですか、もぉ!」

張間「......あれ? 間宮先輩?」


 トイレから出てきた張間の視界には、待っているはずの間宮の姿が、関と佐伯の姿も映らず、不気味なほどの静寂だけが張間を出迎える。


張間「あ、あれ...? ま、間宮先輩~? 部長~? か、かなねぇ~?」

張間「......あ、あれ...あれれ...?」

張間「み、み、みんな...どこ行ったの...?」


 張間の投げかけた疑問に誰も答えることなく、答えが返ってこないまま、疑問は闇の中へと消えていった。








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