なんでも探偵部!

きとまるまる

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253話「夏休みが終わったこと以外にも、色々と問題があった④」

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間宮「戻りましたー。」

関「おかえり、傑くん。」

張間「......。」

間宮「...張間さん、どうしたんですか? 僕が出て行く前より酷くなってませんか?」

関「故障したみたいです、博士。どうしましょう?」

間宮「誰が博士だ、ポンコツ。一体何がどうなってるのやら...?」

関「ほんと、どうしちゃったんでしょうね?」

張間「......。」

間宮「張間さーん、大丈夫ー?」

張間「......。」

間宮「張間さーん?」

張間「......。」

関「全く反応無し、と。何か良い方法はないものですかねぇ?」

間宮「...プリン、買ってきたよ。」

張間「え!? プリン!?」

関「さすが博士! まさかあの難題を、こうも簡単に解いてしまうとは! 早速メモしておきます!」

間宮「後でプリン代、請求しますからね。」

関「え? なんで私に?」

張間「間宮先輩、プリン! プーリーン!!」

間宮「やれやれ、単純な後輩だこと。はい。」

張間「わーい、やったー!! プリン~プリン~!」

関「プリン一つで、この笑顔...ほんと可愛い後輩ですね。ところで傑くん、私のプリンは?」

間宮「あるわけないでしょ。僕と張間さんの分だけですよ。」

関「張間くん、そして自分の分はあるのに...どうして私の分がないんですか...!? こんなの...こんなのおかしいよ!間違ってる! こんな世界、間違ってる!!」

間宮「何一つ間違いなんてありません。これが世界のことわりです。」

関「いつからそんな冷たい子になってしまったんだ、傑くん! 心優しくて、私のことを慕ってくれていた君はどこに行ってしまったんだい!? 答えてくれ、傑くん!!」

間宮「食事中なんで、静かにしてください。」

関「つ、冷たい...冷たすぎる...! 夏は終わりましたけども、まだまだ冷え込むには早い9月だというのに、この寒さ...! もういい、知らない! 私、傑くんのことなんて知らないんだから! プリンだって自分で買うもん! 今更謝ったって、遅いんだからね!」

間宮「何年経とうが謝りません。さっさと買ってこい。」

関「追いかけてこないでよ!」

間宮「誰が追うか。」

関「絶対、追いかけてこないでよ!」

間宮「はいはい、わかってますよ。行きません行きません。」

関「絶対の絶対だからね!」

間宮「さっさと行け、構って野郎が!!」

関「やはり、冷たくされるよりはこうやってガツンとツッコんでもらえる方が気持ちがいいですね~! ではでは、いってきま~す!」


 笑顔で後輩二人に軽く手を振り、部室を出る。扉を優しく静かに閉めると、浮かべた笑顔をスッと消し、あごに手を当て考え始める。


関(きっと、傑くんのことでしょうねぇ...新沼くんがちょこちょこ顔見せに来るたび、とんでもない顔してましたし...。この先どうするか悩んでるんでしょうね。)

関(さてさて、私もこれからどうしたもんか?)


 珍しく頭を悩ませる、関。長い戦いになると察した彼は、糖分を摂取するために足早に購買部へと駆けていった。
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