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296話「相手にしたことは、いつか自分に返ってくるからね⑦」
しおりを挟む放課後、なんでも探偵部の部室。
特に仕事がなく、三人それぞれがダラダラと過ごすことが日常と化している部室内ーーー張間は椅子に腰掛け、ボリボリとスナック菓子を止まることなく食べ進めている。
張間「あ~うまうま。美味すぎて止まらねぇぜ~。あ~うまうま。」
張間「...ん?あれ? 間宮せんぱーい、お菓子無くなっちゃいました。新しいの取ってくださーい。」
間宮「自分でやれ。」
張間「はぁ、やれやれ...間宮先輩はいっつもそれ。自分でやれ自分でやれって...。こんな可愛いきゃわわな後輩からお願い事されるなんて、普通ならラッキーなことなんですよ? なかなかないことなんですよ? 男なら「喜んで!!」ってテンションあげあげで行動できないんですか?」
間宮「そんなのは漫画やアニメの世界だけだぞ。夢見るな。」
関「というか、あなたお菓子食べ過ぎですよ。それ、来客用も兼ねているお菓子ですから、あまり食べ過ぎないでください。」
張間「あーあーあーどいつもこいつも張間 彩香ちゃんに対して冷たいし優しくないしで困っちゃうわぁ~。ダメですよ、部長、間宮先輩!この部活は、私がいるからこそ成り立っているのですよ!? そこ、わかってます!?」
関「「そんなわけあるか!」と強く言い返せないのが悔しいところですね、傑くん。」
間宮「ですね。」
張間「おいこら、そこ!なんで悔しいんじゃい!? もっと喜びなさいよ! あのコスプレの件だって、私のおかげでなんとかなったんですよ!? 忘れたんですか!?」
間宮「あれは、張間さんというよりは先輩のおかげでしょ? 先輩が身を削ったおかげで勝負できたんだし。」
関「まぁ、勝てたのは彼女のおかげでもありますから、私8張間くん2くらいのおかげですね。」
張間「はいぃぃぃ!?なに言っとんじゃい!? 私9部長1くらいでしょうが!私の手柄を横取りするんじゃない!」
関「落ち着きなさい、張間二等兵。ここは公平に、私5張間くん5で手を打ちましょう。仲間同士で争うだなんて、バカのやることですよ。平和に、平穏に行きましょう。」
張間「やれやれ仕方ない...優しい張間 彩香ちゃんに感謝してくださいよ。」
手鞠「こんにちは~!」
張間「あっ、手鞠先輩だ!こんにちは~!」
関「やぁやぁ夢衣ちゃん、こんにちは。」
間宮「今日は、どうしたんですか?」
手鞠「今日は、張間ちゃんに用事があってね!」
張間「私にですか? いやいや、あの時のお礼はもういっぱいいただきましたから…! でもまぁ、手鞠先輩がどうしてもと言うのならば、断る理由もありませんし…ありがとうございます!!」
間宮「まだなにも言ってないでしょうが。」
手鞠「お礼は何度言っても足りないくらいだよ!本当にありがとうね! 張間ちゃんのおかげで、私の人生は幕を閉じずに済んだんだからさ!」
関「いやはや、幕を閉じずに本当に良かったですよ。」
間宮「なにされる予定だったんだろう…?」
張間「それでそれで、手鞠先輩は本日何用でしょうか!? なんでも、どんなご用でも、我々探偵部にお任せあれですよ!」
手鞠「張間ちゃん、ほんと頼もしい! 今日は、コスプレの日にちが決まったから、それを伝えに来たんだよ! あっ、移動手段とかお昼とか諸々のことは、お姉ちゃんが全部してくれるから、張間ちゃんは当日手ぶらでもオーケーだからね!」
張間「はい、かしこまりました! この張間 彩香、全力……ん?」
手鞠「ん?どうしたの、張間ちゃん?」
関「あなた、いつの間にコスプレする予定立ててたんですか?」
張間「いやいやいやいや、ちょっと待ってください。私、そんな予定立ててませんよ? え?立ててませんよね?」
間宮「僕に聞かれても困るんだけど。」
手鞠「あれ?夏帆ちゃんから「張間ちゃんもコスプレ参加したい!って言ってましたよ。」って言われたんだけど。」
張間「…はい?」
関「ちなみに、彼女のコスプレ衣装は決まっているんですか?」
手鞠「それはもちろん!こちらでございます!」
関「ワァーオ。」
間宮「これは、また…。」
張間「待て待て待てーーい!私を置いてきぼりにして私の話を進めないでください! え!?私、コスプレするんですか!?え、この衣装!?無理無理無理です!流石に恥ずかしいです、この衣装は!!」
間宮「張間さんにも、それなりに羞恥心があるんだね。」
関「ですね。」
張間「あるわ!私にだってあるわ、それくらい! 私をなんだと思ってんだ、お前らは!?」
張間「手鞠先輩、申し訳ありませんが、そちらが勝手に決めた話を私はーーー」
「ここは、なんでも探偵部…困り事は、なんでも解決!だったわよね?」
張間「はっ!?この声は…!?」
間宮「あ、夏帆ちゃん。」
関「やぁ、いらっしゃい。」
不知火「関先輩、ゲームの件で話に来ました。あと、夢衣先輩、コスプレの件は心配しなくてもいいですよ。張間ちゃんは、なんでも探偵部の部員ですから。困ってることは、なんでも解決するとっっっっっても素晴らしい部活動ですから、頼めばきっとやってくれますよ。」
張間「いやいやいや、なにをおっしゃいますか!私たちにも、できることとできないことがーーー」
不知火「へぇーーー探偵部ってコスプレするだけのこともできないんだ。へぇーーーー。それもできないんじゃ、他のことも何にもできないわね。みんなに伝えとこ。」
張間「あっ、それはダメですよ!絶対にダメです!なんでも探偵部の株が大暴落するやろうがい!! 部長、間宮先輩、なんとかしてください!私を助けてください!」
間宮「張間さん、自分で言ってたじゃん。困ったことはなんでも解決!って。自分で蒔いた種だよ。」
関「このなんでも探偵部は、あなたが大きくするのです!ってことで、頑張ってください。」
張間「おいこら、テメェらぁぁぁぁ!可愛いきゃわわな張間ちゃんを見捨てるなど、許されんことだぞ!わかってんのか!?」
不知火「はっ…!滑稽だわ。ビデオに残しておきたいほどに間抜けね。」
張間「んなっ…!? こ、この…!夏帆先輩のバカ!ばーーーか!!」
間宮「まさか、こんなことになるとは…。」
関「女の子は、怒らせると怖い生き物ですねぇ。傑くん、扱いには十分に注意するんですよ。」
間宮「言われなくてもわかってますよ…!」
張間・不知火「バーカバーカ!バーーカ!!」
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