なんでも探偵部!

きとまるまる

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301話「摩訶不思議な現象、ごくごくたまに起こる件について③」

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関「ただいま戻りました~!」

張間「わかってると思うけど、バレないようにね...!」

新沼「私は、新沼 咲...新沼 咲...!」

間宮「おかえり。遅かったけど、なにしてたの?」

張間「へ!?わ、私たちですか!?」

間宮「うん。」

新沼「あ、え、えっと...その...!」

張間「じょ、女子会をしてました!女子会!二人だけの秘密のお話です!」

新沼「そ、そうですそうです!秘密のお話です!ねー!」

間宮「ふーん。そっか。」

関「こらこら傑くん、乙女の花園に土足で踏み入るなんてしちゃいけませんよ?」

間宮「あんたじゃないんですから、そんなことしません。」

関「ほんと失礼な後輩だこと。私だって、そんなことはしませんよ。」

間宮「はいはい、そうですね。やるなら早く準備してください。」

関「手早く済ませますので、少々お待ちを~!」

間宮「張間さんたち、いつまで立ってるの?座りなよ。」

張間「え!?あ、は、はい!」

新沼「も、もちろんもちろん!今座ろうと思ってましたよ!」

張間「ね、ねぇ...!どこに座ればいいの...!?私は、どこに座ればいいの...!?」

新沼「どこでもいいから、とりあえず座りなさい...!あんまりグダグダしてると、怪しまれるって...!」


 ヒソヒソと女子会を始めた二人ーーー十秒もせずに終わりを迎えると、張間はまるでロボットのようにガチガチカクカク動きながら、間宮の隣に座る。


間宮「...張間さん。」

張間「......!」

間宮「張間さんってば。」

張間「え!?あ、はい!張間です!!」

間宮「どうしたの?」

張間「へ!?な、何がですか!?」

間宮「何がって...なんか今日、変じゃない?変なものでも食べたの? ダメだよ、拾い食いなんかしちゃ。」

張間「あ、いや、えっと...そ、そうですね!今後、以後、気をつけようと思います!あ、あははは~!」

間宮「...え?本当になんか食べたの...?」

関「張間くんや、いくらお腹が空いていたからと、拾い食いはダメですよ?衛生的によろしくないですよ?」

張間「は、は、はい!以後、気をつけます!」

新沼「彩香ちゃ~ん!」

張間「え?な、なに...?」

新沼「ちょっと、部室の外来てくれる~? 女子会の、続き♡」

張間「え?あ、う、うん...。」

間宮「...先輩。」

関「さすがに冗談だと思いますけど...冗談だと思いたい...。」

間宮「ぼ、僕も...。」


 部室の外へと張間を連れ出した新沼は、壁に手を当て張間を威圧する。


新沼「あなたは、なにを、しているの、ですかぁ...!?」

張間「え、な、なにって...ちゃんとしっかり受け答えしたじゃないの!なにか問題でも!?」

新沼「問題ありまくりじゃ、ボケェェェェ! なんで拾い食いを肯定してんの!?否定しなさいよ!マジで拾い食いしてるみたいになったじゃん!どうしてくれんの!?」

張間「あ、いや、あんたのことだから、拾い食いくらいしてるもんかとーーー」

新沼「しとらんわ!拾い食いなんかせんわ、バカ!!間宮先輩も冗談で言ってんだよ!なんで冗談ってわかんないかな!?」

張間「いや、だって...冗談に聞こえなかったから...。」

新沼「とにかく、次変なことしたら...わかってるな...!?」

張間「は、はい...ごめんなさい...。」

新沼「お待たせしました~!」

張間「え、えっと...先ほどの拾い食いは、冗談です...お騒がせして、ほんとすみません...。」

関「いやいや、謝ることではないですよ。我々も冗談とわかってホッとしてます。」

間宮「なんか、ごめんね...。」

張間「あ、いや、こちらこそごめんなさい...。」

関「なんだか変な空気になっちゃいましたね。そんな時は、こいつの出番だ! 喜べ、張間二等兵!ポテトンチップス、焼肉味の登場だぁぁぁ!!」

新沼「おぉぉぉぉ!?出ました出ました、焼肉味~~!いよっ、待ってました待ってました!私は、あんたを待ってましたよ!!」

関「おやおや、まさかまさかの新沼くんが食いついてきましたよ。そんな喜ぶほど好きだったんですね、焼肉味が。」

新沼「もぉ~部長ってば、何言ってんですか~!? 焼肉味は、私のーーー」

張間「咲ちゃ~ん♡」

新沼「ん?...はっ!?」

張間「ちょっと、部室の外来て~♡」

新沼「あ、は、はい...。」

関「いやはや、あの新沼くんがああも喜ぶとは。」

間宮「それほどに好きなんですね、焼肉味。」

関「意外でしたね。」

間宮「ですね。」


 部室の外へと新沼を連れ出した張間は、新沼のけつを思いっきり蹴り上げる。


新沼「あだぁぁぁ!?!?」

張間「あんた、自分がなにしたかわかってんの...!?」

新沼「あ、あなたこそ...!これ、あなたの身体ですよ...!」

張間「え、なに?ポテトンチップス焼肉味?焼肉味であんなはしゃいで...傑先輩にデブだって思われたら、どう責任とるつもり...!?」

新沼「咲ちゃん、焼肉という単語だけでデブに結びつけるの、よくないと思うよ。」

張間「とにかく、次変なことしたら...わかってるわよね?」

新沼「も、もちろんです...!」

張間「お待たせしました~!」

新沼「お詫び申し上げます...私、新沼 咲は焼肉味などそれほど好きではありませんでした...。なのに、あそこまではしゃいで紛らわしいことをしてしまって、本当に申し訳ありませんでした...。」

関「いえいえ、謝ることでもありませんし、人の好き嫌いをとやかく言うような嫌な性格してませんので、ご安心を。」

間宮「別に焼肉味が好きでも、僕ら何とも思わないよ。ね、張間さん。」

張間「え!?あ、は、はい!そうですね!焼肉味、いいと思います!うんうんうん!」

間宮「......。」

張間「あ、あの、どうしました...?」

間宮「あ、いや...それはこっちのセリフというか...。張間さん、体調悪いの?」

張間「え!?いや、別にそんなことありませんよ!?」

間宮「そう?なんかいつもと様子が違うというか、なんというか...。なんかあるのなら、遠慮せず言ってきなよ。」

張間「あ、は、はい!お気遣いありがとうございます、傑先輩!」

間宮「......。」

張間「...傑先輩?私、なんか変なこと言っちゃいました...?」

間宮「別に、変ってことじゃないんだけど...どうしたの?急に傑先輩ってさ。」

張間「へ...?...あっ!?」

新沼「あのバカ...!」

関「あなた、いつも間宮先輩呼びなのに、どうしたんですか?」

張間「あ、いや、これは、その...!」

関「それに、あなたたちさっきから......いや、まさかまさか。」

間宮「もしかして、僕のことからかってるの?」

張間「いえいえ、そんなことは!!」

間宮「そう?にしても、張間さんから傑先輩って呼ばれるの、なんか気持ち悪いね。」

新沼「てめぇ間宮このやろぉぉぉぉ!!気持ち悪いってどういうことじゃぁぁぁい!!」

間宮「え...?うぇぇぇ!?」

新沼「お前、言っていいことと悪いことがあるぞ、おいこら!!何が気持ち悪いんだ!?どこが気持ち悪いんだ!?言ってみろ、ごらぁぁぁぁ!!」

張間「ちょっ、待って待って落ち着いて!落ち着いてってば!!」

間宮「な、なんで新沼さんが怒ってーーー」

新沼「今日という今日は許さんぞ、ごらぁぁぁ!!呼んでやるからなぁぁぁ!明日から...いや、今日から私も傑先輩♡って呼んでやるからなぁぁぁ!覚悟しとけや、ごらぁぁぁぁぁ!!」

張間「落ち着いてって!落ち着いてってば、彩...咲ちゃん!お願いだから、落ち着いてって!」

新沼「ぬがぁぁぁぁぁぁ!!」

関「......あのーお二人さんお二人さん。」

張間「なんですか!?」
新沼「なんだ、こら!?」

関「とりあえず、落ち着いてください。そして...詳しい話は、部室の外でしましょっか?」

張間「...あ、はい...。」
新沼「...あ、はい...。」


 にっこりと笑う関の顔を見て、何かを察した女子二人は、間宮を残し静かに部室の外へと出ていった。
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