なんでも探偵部!

きとまるまる

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319話「学祭っ!1日目⭐︎⑤」

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 3-Dの歌とダンスを見終えた間宮は、一人探偵部の部室で静かに漫画を読んでいる。


間宮「あっ、お疲れ様です。」

関「ありがとう、傑くん。いや~驚きましたよ~。」

間宮「なにがですか?」

関「部室で休憩しようと思ったら「部室の鍵空いてますよ」って連絡来てるんですもん。さては...エスパーだな、貴様!?」

間宮「そうですよ。僕はエスパーなんでわかります。」

関「おやおや、すごくノリノリじゃないですか。一体どうしちゃったんですか?」

間宮「どうもしないです。強いて言うなら、学祭だからです。」

関「なんと...!あの傑くんをここまでノリノリにしてしまうなんて...学祭はとても恐ろしい...いや、とても素晴らしい!!」

間宮「はいはい、そうですね。はい、お茶。」

関「ありがとうございます。ところで、我が部の看板娘はどうしたんですか?」

間宮「張間さんは、新沼さんと狗山さんと一緒に行動してると思いますよ。僕は、休憩するって抜けてきたんです。」

関「そうでしたか。」

間宮「...あ、あの。」

関「ん?どうしました?」

間宮「あ、いや、その......ダ、ダンス、カッコよかった...です。」

関「...君、熱でもあるのかい?」

間宮「ないわ!!なんで褒めたのにそんなこと言われなきゃいけないんだよ!?」

関「あっはっはっは~!それだけ君が普段素直じゃないってことですよ!」

間宮「もう二度と褒めません...!」

関「そんな悲しいこと言わないでくださいよ~! しかしまぁ、あの傑くんがそう言ってくれるってことは、とても上手に踊れていたんでしょう。よかったよかった。私にとっては、最後の学祭ですからね。いつも以上に気合を入れたんですよ。」

間宮「......。」

関「...傑くん?」

間宮「すみません、なんでもないです。」

関「...まだ11月ですよ。そんな寂しそうな顔をするのは、まだ早いんじゃないですか?」

間宮「寂しそうな顔なんてしてませんけど。」

関「ここは素直になってくれないんですね。あははは~!」

間宮「変な勘違いしないでください。」

関「ねぇ、傑くん?」

間宮「なんですか?」

関「君がよければ、このあと学祭一緒に回りませんか?」

間宮「えぇ...。」

関「えぇとか言わないでくださいよ~。部長、しょんぼりしちゃう。」

間宮「しょんぼりするな、めんどくさい。」

関「めんどくさいとはなんですか、めんどくさいとは...って、傑くん?」

間宮「そのまま座っててもいいですよ。僕一人で回ってくるんで。」

関「...そんな寂しいこと言わないでくださいよっと。」


 椅子から立ち上がり、間宮から部室の鍵を受け取る。
扉の施錠を確認すると、二人は並んで廊下を歩いていく。


関「こうやって二人で歩くのは、久しぶりな気がしますね~。」

間宮「いつもは張間さんがいますからね。」

関「ですね~。なんだか、一年前のこと思い出しちゃいますね。」

間宮「やめてください。思い出さないでください。」

関「どうしてですか?」

間宮「恥ずかしいからです。」

関「そんなそんな、恥ずかしがることなんて何一つねぇだろ、間宮くんよぉ~。」

間宮「おい。」

関「なんだよ?なんか文句あんのか?」

間宮「口調戻せ、気持ち悪い。」

関「気持ち悪いとは失礼だな、おいごら。」

間宮「言われたくないなら今すぐに戻してください。」

関「あーあ、間宮くんはずいぶんと変わっちまったなぁ...。」

間宮「僕は何一つ変わってません。」

関「それは嘘。すげぇ変わってるっての。」

間宮「どこら辺がですか?」

関「そりゃもう、前は何するにもビクビクしてーーー」

間宮「怒りますよ?」

関「お~怖。だいぶトゲトゲしくなったよな。」

間宮「先輩は、だいぶ丸くなりましたよね。」

関「丸くなったって言い方は、あんま好きじゃねぇな。まぁ、後輩には優しく接しないと、怖がられるだけだからなぁ。」

関「...お互い、変わっちまったな。」

間宮「ですね。」

関「でも、これはいい変化だと思うぜ。超が付くほどに、な。」

間宮「...僕も、そう思います。」

関「その素直さ、大事にしていけよ?」

間宮「うるさい、黙れ。」

関「はっはっは!ほんとキツくなったわ!この、生意気な後輩が~!」

間宮「おいこら、頭撫でんな!クソ先輩!!」

関「クソとはなんだ、クソとは!!マジで許さねぇぞ、お前!」

間宮「つーか、いい加減口調戻せ!気持ち悪いなぁ!!」


 ギャーギャーワーワー騒ぎながら、二人は未だ賑わい続けている校舎へと向かっていった。
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