なんでも探偵部!

きとまるまる

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326話「学祭っ!2日目⭐︎〜後編〜③」

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 体育館の壇上では、2-Aが演劇を行なっていた。


間宮「おじいさん、おばあさん、僕は鬼退治に行こうと思います!」

暁「ば、ばあさん、聞いたかい、今の...!?」

笹原「えぇ、はっきりと聞こえましたよ...!私たちのこと、おじいさんおばあさんって...!私は、まだピチピチの80歳だというのに...!」

間宮「その年齢で若者ぶるのは、流石に厳しいですよ、おばあさん。」

暁「そうじゃよ、ばあさん。あんたはもう、ピチピチというよりはーーー」

笹原「誰の肌が、砂漠のように荒れ果てたカサカサザラザラお肌じゃ、ボケェェェェ!!」

暁「ばあさぁぁぁぁん!?わし、まだ何も言ってな...あだだだだだ!?腕が!?腕が取れるぅぅぅぅ!!」

張間「あはははは~!」

関「さすがの名コンビですね、あの二人は~!」

間宮「では、行ってきます!」

暁「まぁ待て待て。鬼退治に行く前に、お前さんには渡しておきたいものがある。桃の助や。」

間宮「おじいさん、桃太郎です。」

笹原「本当に行ってしまうのかい?桃次郎?」

間宮「太郎です。」

暁「この、かっこいい旗を持っていきなさい。モモのタレ。」

間宮「桃太郎だって言ってんでしょうが!!モモのタレは焼き鳥だ、バカヤロウ!!」

笹原「私は、タレよりも塩派だねぇ。」

間宮「おばあさん!?それはもう焼き鳥の話だよ!?せめて僕のお話をしてほしいな!?」

笹原「あ、そうだ。旗と一緒にきびだんごも持っていきなさい。桃の太郎。」

間宮「惜しぃぃぃ!!おばあさん、すごく惜しいよ!!駄菓子の商品名みたいになっちゃってるよ!」

張間(いや~しかし、なんだろう、この気持ち...?)

関(傑くんのツッコミを聞いていると...なんというか、ムズムズするというか...。)

関(あぁ~私も傑くんにツッコまれた~い...!)
張間(あぁ~私も傑先輩にツッコまれた~い...!)

間宮「いい加減にしろ、お前らぁぁぁぁぁ!!」



ーーーーー



 2-Aの演劇を見終えた関たちは、部室へ戻り休憩をしている。


間宮「お疲れ様です。」

関「やぁ傑くん、お疲れ様。」

張間「お疲れ様です、傑先輩!」

間宮「ありがとうございます。ってか、なんで部室にいるんですか?」

関「休憩中ですよ。」

張間「ですです!」

間宮「そうですか。」

張間「私たちと一緒に休憩しましょう、桃の助さん!」

間宮「おい。」

関「モモのタレさん、何か飲みますか?」

間宮「絶対にツッコミませんからね?」

関「えぇ~!?どうしてぇぇ~!?」

張間「私たちもツッコまれたいぃぃ~!」

間宮「あぁ~疲れたぁ~。やっと終わったぁ~。」

関「こらこら傑くん、まだ終わった空気を出すのは早いですよ。」

張間「そうですよ!学祭は、まだもう少しありますから!まだまだ終わりじゃないですよ!」

間宮「僕はもう終わりでいいです。」

関「そんな悲しいこと言わずに~!」

張間「休憩したら、三人で回りましょうね~!」

関「ね~!」

張間「あ、そうだ!部長、傑先輩!せっかくですし、写真撮りましょう!写真!思い出を残しましょう!」

関「うむ、素晴らしい判断だぞ、張間二等兵!褒めて遣わす!!」

張間「ありがたきお言葉!傑先輩もいいですよね!?」

間宮「はいはい、わかったわかった。」

張間「......。」

関「......。」

間宮「...なんだよ?」

張間「ぶ、部長...!」

関「あの傑くんが、写真撮影に素直に応じるなんて...!」

張間「これが、学祭効果...!?やっぱ学祭はすごいぜ...!」

関「もうずっと、学祭テンションでいてほしい...!」

間宮「気が変わりました。帰ります。お疲れ様でした。」

張間「あぁ~!?嘘嘘嘘!帰らんといてぇぇ!」

関「私たちと一緒に、はっちゃけてくださいぃぃ~!」

間宮「あぁもぉぉ!!わかったから!わかったから、抱きつくなぁぁぁ!!」


張間(M)4月に入学して...気づいたら、もう11月。時が経つのは、とてもとても早い。

間宮(M)この三人でいられるのも、もう長くない。そう思うと、少し寂しい思いもある。でも...。


張間「はいはいはい!では、撮りますよ~?」

関「可愛く撮ってくださいね、張間さん!」

張間「この、自撮りの神に任せな...!」

関「きゃぁ~!素敵ぃ~!」

間宮「耳元で騒ぐな、やかましい。」

張間「いきますよ~?探偵~?」

関「ぶぅ~!」

間宮「なんだ、その掛け声?初耳だわ。」

張間「さてさて...ちょっと、傑先輩!笑ってくださいよ!笑顔笑顔!」

間宮「してたしてた。最高の笑顔だった。」

張間「これがぁ~?嘘を吐くのは、およし!あなたは、もっと素敵な笑顔を咲かせるわ!ってことで、部長!」

関「お任せください!」

間宮「は?ちょっ、何するーーー」

関「こちょこちょこちょこちょ~!」

間宮「ちょっ、ばか!や、やめ...あ、あははは~!」

張間「今だ!探偵~ぶぅ~!!」


関(M)時間が経てば経つほど、仲が深まっていく。そう考えると、時間が経つのも悪くはない。





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