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8話 魔霧と神々の祓いの力
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田中と真理子がサルティアで作業を進めていると、空の彼方から、禍々しい黒い霧がゆらりと漂ってきた。霧の中に魔獣の気配が強まってきた。住民たちの不安が高まり、田中は状況を把握するために真理子に目を向けた。
「魔獣が近づいてきている。俺たちの準備が整うまで、何とかこの状況を持ちこたえないと」と田中が言った。
「そうね、でも私たちには神力がある。浄化出来ると思う。」と真理子が返した。なんとなくだけど水を使って浄化できるような気がするのだ。ふと頭のなかに、瀬織津姫(セオリツヒメ)は「禍事(まがごと)・罪・穢れ」を川から海へ流し去る役割を担う女神と浮かんだ。真理子は背筋を伸ばし、両手は前で揃え、落ち着いた声で
「高津神(たかつかみ)の御子、瀬織津姫(セオリツヒメ)の大神(おおかみ)よ、罪穢(つみけがれ)を川の瀬に流し、速やかに祓い給え。」
と唱えた。
田中は一瞬で理解し、立礼をし真理子の祝詞が終わるのを待った。
周囲に流れが生まれ漂い、大海原へと浄化のエネルギーが広がっていった。
田中もその時頭の中に気吹戸主(イブキドヌシ)その穢れを風で根の国(死者の国)や底の国へと送ると浮かんだ。田中も背筋を伸ばしハッキリとした声で
「気吹戸主大神(イブキドヌシオオカミ)よ、穢れを風で吹き払い、清め給え。」
と唱えた。
真理子も立礼をして祝詞が終わるのを待った。
一陣の風がザーっと音を立て広場全体をながれていった。
その瞬間、霧の中から姿を現そうとしていた魔獣が清められた周囲の空気に包みこまれていく。魔獣は一瞬、驚いたように立ち止まり、瘴気がどんどん薄れていくように魔獣が薄くなっていく。
それでも完全には消え去らない。
「私は浄化の魔法で、魔獣の最後の瘴気を取り除くわ!」真理子はそう言うと女神から授かった浄化魔法を魔獣に向けて放った。田中も続けて浄化魔法を魔獣に向けて放った。
「これが私たちの力だ! 魔獣よ、消えされ!」二人が一体となって放った魔力の波は、魔獣を包み込み、その影響を弱めていった。
やがて、魔獣はユラリと揺れて煙のように消えていった。田中と真理子はその様子を見守りながら、手を緩めることなく神力を注ぎ続けた。
「これで、街の安全が確保できるかもしれない」と田中が言い、真理子も頷いた。「私たちの力で、街を守れたわね。」
魔獣は完全に消え去り、黒い霧もすっかり晴れた。黒い霧が消えた広場で田中清は工具袋を肩にかけ、現場の全員を見渡した。
「全員、被害はないか? 点呼を頼む!」
ユアンが小走りで作業員たちを確認して回る。真理子は魔法設計盤で、浄化装置の状態と周囲の瘴気濃度を再チェックしていた。
「田中さん、浄化装置は正常だけど、さっきの霧の反応……記録しておいたほうがよさそう」
「そうだな。あの瘴気、ただの環境汚染じゃない。何か意志があるみたいだった」
作業員の1人が、恐る恐る声を上げる。
「これ、他の町でも起きるんでしょうか……?」
田中はうなずいた。
「可能性は高い。だが、今回のデータがあれば、次はもっと早く対応できるはずだ」
真理子は設計盤を操作しながら、ふと顔を上げる。
「田中さん、王都から追加の指示が来てる。次の町、東の鉱山都市にも同じ異変が出始めたみたい」
「休む暇もないな……。ユアン、こっちの現場が終わったら、すぐ移動の準備だ」
「みんなにも休む暇なく済まないと伝えてくれ」
「はい!大丈夫です。自分たちの国のことですから。」
ユアンが笑顔で答えた。
作業員たちが一斉に動き出す。田中は現場の隅に立ち、消え残る瘴気の痕跡をじっと見つめた。
(瘴気が進化する――もしこれが広がれば、インフラだけじゃ守りきれないかもしれない)
「真理子、次の都市では浄化装置に"自律防御"の機能も追加しよう。もしもの時、現場の人間がすぐ避難できるように」
「了解。設計案、すぐまとめるわ」
ユアンが戻ってきて、少し不安げに田中を見上げた。
「……田中さん、もし次に"あの瘴気"がもっと強くなってたら、どうします?」
田中は少しだけ笑って、ユアンの肩を叩いた。
「その時は、その時だ。俺たちは"できること"を一つずつやるしかない」
真理子も静かにうなずいた。
田中は少し考えて
「新しい瘴気か…女神様にも相談してみようか……」と真理子に聞いた。
「そうね。そうしましょう。私たちの神力と魔法。そして知識と技術、みんなの力があれば、きっと乗り越えられると思うわ。でもあの魔霧が何だったのかはちゃんと知る必要があると思えの」
朝靄の中、サルティアの街で新しい1日が始まる。
「魔獣が近づいてきている。俺たちの準備が整うまで、何とかこの状況を持ちこたえないと」と田中が言った。
「そうね、でも私たちには神力がある。浄化出来ると思う。」と真理子が返した。なんとなくだけど水を使って浄化できるような気がするのだ。ふと頭のなかに、瀬織津姫(セオリツヒメ)は「禍事(まがごと)・罪・穢れ」を川から海へ流し去る役割を担う女神と浮かんだ。真理子は背筋を伸ばし、両手は前で揃え、落ち着いた声で
「高津神(たかつかみ)の御子、瀬織津姫(セオリツヒメ)の大神(おおかみ)よ、罪穢(つみけがれ)を川の瀬に流し、速やかに祓い給え。」
と唱えた。
田中は一瞬で理解し、立礼をし真理子の祝詞が終わるのを待った。
周囲に流れが生まれ漂い、大海原へと浄化のエネルギーが広がっていった。
田中もその時頭の中に気吹戸主(イブキドヌシ)その穢れを風で根の国(死者の国)や底の国へと送ると浮かんだ。田中も背筋を伸ばしハッキリとした声で
「気吹戸主大神(イブキドヌシオオカミ)よ、穢れを風で吹き払い、清め給え。」
と唱えた。
真理子も立礼をして祝詞が終わるのを待った。
一陣の風がザーっと音を立て広場全体をながれていった。
その瞬間、霧の中から姿を現そうとしていた魔獣が清められた周囲の空気に包みこまれていく。魔獣は一瞬、驚いたように立ち止まり、瘴気がどんどん薄れていくように魔獣が薄くなっていく。
それでも完全には消え去らない。
「私は浄化の魔法で、魔獣の最後の瘴気を取り除くわ!」真理子はそう言うと女神から授かった浄化魔法を魔獣に向けて放った。田中も続けて浄化魔法を魔獣に向けて放った。
「これが私たちの力だ! 魔獣よ、消えされ!」二人が一体となって放った魔力の波は、魔獣を包み込み、その影響を弱めていった。
やがて、魔獣はユラリと揺れて煙のように消えていった。田中と真理子はその様子を見守りながら、手を緩めることなく神力を注ぎ続けた。
「これで、街の安全が確保できるかもしれない」と田中が言い、真理子も頷いた。「私たちの力で、街を守れたわね。」
魔獣は完全に消え去り、黒い霧もすっかり晴れた。黒い霧が消えた広場で田中清は工具袋を肩にかけ、現場の全員を見渡した。
「全員、被害はないか? 点呼を頼む!」
ユアンが小走りで作業員たちを確認して回る。真理子は魔法設計盤で、浄化装置の状態と周囲の瘴気濃度を再チェックしていた。
「田中さん、浄化装置は正常だけど、さっきの霧の反応……記録しておいたほうがよさそう」
「そうだな。あの瘴気、ただの環境汚染じゃない。何か意志があるみたいだった」
作業員の1人が、恐る恐る声を上げる。
「これ、他の町でも起きるんでしょうか……?」
田中はうなずいた。
「可能性は高い。だが、今回のデータがあれば、次はもっと早く対応できるはずだ」
真理子は設計盤を操作しながら、ふと顔を上げる。
「田中さん、王都から追加の指示が来てる。次の町、東の鉱山都市にも同じ異変が出始めたみたい」
「休む暇もないな……。ユアン、こっちの現場が終わったら、すぐ移動の準備だ」
「みんなにも休む暇なく済まないと伝えてくれ」
「はい!大丈夫です。自分たちの国のことですから。」
ユアンが笑顔で答えた。
作業員たちが一斉に動き出す。田中は現場の隅に立ち、消え残る瘴気の痕跡をじっと見つめた。
(瘴気が進化する――もしこれが広がれば、インフラだけじゃ守りきれないかもしれない)
「真理子、次の都市では浄化装置に"自律防御"の機能も追加しよう。もしもの時、現場の人間がすぐ避難できるように」
「了解。設計案、すぐまとめるわ」
ユアンが戻ってきて、少し不安げに田中を見上げた。
「……田中さん、もし次に"あの瘴気"がもっと強くなってたら、どうします?」
田中は少しだけ笑って、ユアンの肩を叩いた。
「その時は、その時だ。俺たちは"できること"を一つずつやるしかない」
真理子も静かにうなずいた。
田中は少し考えて
「新しい瘴気か…女神様にも相談してみようか……」と真理子に聞いた。
「そうね。そうしましょう。私たちの神力と魔法。そして知識と技術、みんなの力があれば、きっと乗り越えられると思うわ。でもあの魔霧が何だったのかはちゃんと知る必要があると思えの」
朝靄の中、サルティアの街で新しい1日が始まる。
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