神の技術顧問〜異世界インフラ革命記?

夢花音

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9話 サルティア開発チーム

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サルティアの防壁工事と瘴気対策が始まって間もなく、王都から新たな補佐要員が派遣されてきた。仮設事務所の前に現れたのは、生前にオフィス街で見かけた懐かしい姿かたちの二人 -田中と真理子は、思わず顔を見合わせた。

「……あれ? 君たち、もしかして日本人かい?」

「はい。俺たち、こっちに召喚されたクチで……。勇者とか聖女とか呼ばれてたけど、実際は普通のサラリーマンと事務員です」

「女神様に頼まれて、現場の事務仕事を手伝いに来ました」

二人は少し照れくさそうに頭を下げる。田中は思わず吹き出した。

「なんだ、同郷じゃないか。助かるよ。現場の書類仕事、山ほどあるんだ」

真理子もすぐに聖女へ帳簿と資材リストを手渡しながら「女神様って言うとあの少し頼りない?」と聞いてきた。

「いえ、レグリス様とおっしゃる別の女神様です。その女神様にお二人の事情もお聞きしています」

「ああ!なんか緊急連絡だとか言ってた女神様かぁ。すげー謝っていたな」

と田中が言えば真理子もうんうんと頷いた。

「それなら、俺たちが既に魂だけと言うこともか?」と田中が聞いたので、

「はい。わかっています。でも関係ないですよ。そんなこと。」と2人は笑顔で答えた。

是非、手伝わせて下さいと言う聖女に真理子は「この街のインフラ整備、魔法と技術の管理、全部まとめなきゃならないから手伝ってくれるなら、すごく助かる!」と喜んでいた。

勇者は、現場の技術者たちとでやり取りしながら、備品や人員の調整を始めた。聖女は、魔導端末で資材の受発注や日報の整理をテキパキとこなしていく。言語能力付与を付けてくれたレグリス様には心から感謝した。

ユアンが驚いて声をあげる。

「えっ、皆さん、同じ世界出身なんですか?」

「そう。俺たち、特別な力もないし、戦闘もできない。ただの日本の会社員と事務員だったんだよ」

田中は勇者に声をかける。

「こういう地味な仕事が一番ありがたいんだ。現場が回るのは裏方のおかげだよ」

真理子も聖女に微笑んだ。

「あなたのおかげで、みんな落ち着いて作業できてる。ありがとう」

瘴気の浄化や防壁工事は、田中と真理子、ユアンたち現場の魔導士や技術者が協力して進める。勇者と聖女は、現場の安全管理や記録、物資の手配などで裏から支える。

作業が一段落すると、勇者がしみじみと呟く。

「俺たち、戦えなくても役に立ててよかったな」

聖女もうなずく。

「普通の仕事でも、誰かの役に立てるって嬉しいね」

田中は二人に親指を立てて見せた。

「これからも、頼りにしてるぜ」


 
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