氷の人形と呼ばれた令嬢が、内なる炎の言葉で真実を語る

夢花音

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後日談「レオンとクラリス✵✵✵堕ちゆく誇り」✵✵✵

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田舎領地に幽閉されたレオンは、かつての華やかな日々を忘れられず、毎晩のように酒に溺れていた。彼のもとには、社交界での失墜を嘲るような噂話が遅れて届き、レオンはそのたびに怒りと屈辱で部屋の調度品を叩き壊した。  
 「すべてはエリスのせいだ」「父が俺を見捨てたからだ」――彼は自分の過ちを認めることなく、恨みの言葉を繰り返すだけだった。

 やがてレオンは、屋敷の使用人や領民に当たり散らし、無理な命令や理不尽な罰を与えるようになった。領地の財政も顧みず、かつての贅沢を再現しようと無駄な出費を重ね、屋敷は急速に荒れていった。  
 周囲の人々は次第に彼から離れ、残ったのはイエスマンと、彼の失墜を密かに喜ぶ者たちだけだった。

 一方、国外の修道院に送られたクラリスもまた、現実を受け入れることができなかった。  
 「私は被害者よ」「あの女がすべてを奪った」――クラリスは同室の修道女や使用人に愚痴と悪口を吐き続けた。  
 修道院の規律や労働にも耐えられず、何度も規則を破っては罰を受けた。  
 やがて彼女は、修道女たちの同情を引こうと嘘の噂を流し、他人同士を争わせるなど、かつての社交界での手口を繰り返した。

 しかし、閉ざされた修道院の中では、そうした小細工はすぐに露見する。クラリスは孤立し、ついには修道院長から厳しい叱責を受ける。  
 「あなたは自分を省みることを知らないのですか。ここは贖罪と祈りの場です。己を偽る者の居場所ではありません」

 それでもクラリスは反省することなく、夜ごとに泣き叫び、家族やエリスを呪い続けた。  
 やがて心身は衰弱し、修道院でも「厄介者」として扱われるようになる。

 レオンもクラリスも、己の愚かさに気づくことなく、他人を恨み、過去に縋り、ますます孤独と絶望の淵に沈んでいった。  
 かつて誇りと呼んだものは、今や誰にも見向きもされず、二人は自らの手で最後の希望すらも打ち砕いていくのだった。
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