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web版【第一部】おまけ&後日談
回想 故郷
サイードは夜明け前に目を覚ますと、隣で眠っているカイを起こさぬようにそっと寝台を抜け出した。不寝番の傍仕えと扉の外の護衛に声を掛けてから神殿の外に出る。
砂漠の夜は冷たい。サイードは革の厚い上着を羽織ると神殿の裏手に作られたアル・ハダールの厩舎から自分の愛馬を引き出した。そして突然現れたサイードの姿に慌てて起きてきた従士が供を申し出るのを退けると、西の門から一人で街を出た。
中央神殿とそれを取り巻く街から西に出ると、そこから先は延々と乾いた大地が続く。だが南側と違ってサラサラと柔らかな砂ではなく、ところどころ草が生え石や岩が転がっている。
サイードは足で軽く馬の横腹を蹴ると、まだ夜明けぬ砂漠を久々に思いっきり馬を駆りながらひたすら西を目指した。
鐘一つ分ほどの間走った頃には少しずつ辺りに草木が増え、やがて貴重なオアシスの一つであるセラウの街にたどり着いた。そこから先はイスタリアの領地になる。
サイードは街には入らず、馬に乗ったまま丘の上からはるか西の方を見据えた。
空には零れ落ちんばかりの星々が広がり、西には欠けた月が沈もうとしている。
馬を走らせ続けてほどよく温まった身体に夜の砂漠の冷たく乾いた空気が心地いい。サイードは自分の吐く白い息の向こうに続く砂漠の向こうを見つめた。
この先、ずっと南西へ進んだところにサイードの故郷がある。だが今そこには人一人、馬一頭羊一匹すら残ってはいない。
サイードとともにその地で生まれ育った人も家畜も全て死んだ。
―――― ダウレシュのサイード。
とっくにこの世から消えた一族の名を、あのイスタリアの王女が知っていたのはなぜだろうか。その疑問は未だ残ってはいるが、それをあの王女に尋ねようとは思わなかった。
ダウレシュ。それはかつてイシュマールの南西にあった草原にいた騎馬遊牧民族の名だ。
まだこのイシュマールの地が乾く前、そこにはダウレシュだけでなく多くの民が馬や羊たちの群れを率いて暮らしていたという。
だがサイードが生まれた頃には水も草もごくわずかしか残っておらず、サイードの一族はめっきり数を減らした馬や家畜たちと牧草地を求めて転々としながら命を繋いでいた。
サイードはそのダウレシュの族長の息子だった。弟が一人と二人の妹がいて、ともに父母を助け馬を駆り羊を追い、鷹を捕まえて慣らしては野の動物を狩り家族へと持ち帰った。
だがサイードが十六の時、そのわずかな水と牧草を狙った南の部族に襲われた。一族の男たちは全力で戦ったが天幕に火を掛けられ、皆殺された。
その時サイードは、冬を前に腹に子を抱えていた母と幼い弟妹たちに少しでも多く食べさせてやりたくて、弓を背負い鷹を従えて一人遠くへ狩りに出ていてそこにはいなかった。
三日ぶりに戻ってきた時に見たのは焼けて跡形もなくなった天幕の残骸と無残に殺された一族の亡骸だった。
それから一年半、一族を殺した相手を探して砂漠を一人でさすらい続けたサイードにとってさらに不幸だったのは、敵が残したナイフの鞘の独特な模様からようやく彼らの正体を突き止めた時にはもう、別の商隊を襲った罪でイスタリアの軍にすでに処刑されていたことだった。
人づてにそれを聞いたサイードは、実際に彼らの断罪を見たのではなく、敵が本当に相応しい報いを受けたのかもわからず、ここまで一人生きのびてきた唯一の目的をも突然失った。
それから、やり場のない怒りや苛立ち、身を焼き切るような焦燥や魂ごと呑み込まれそうな虚無を叩きつけるように、サイードは西の砂漠に跋扈していた野盗や賊のたぐいを一人で殺し回った。カハルに出会ったのはちょうどその頃だ。
それから十年以上の月日が経って、サイードはアル・ハダールの皇帝となったカハルの騎士としてこのダーヒル神殿領までやってきた。そして己の運命に出会ったのだ。
サイードははるか故郷へとつづく地平線を見つめながら、神殿を発つ前に見た神子の安らかな寝顔を思い出してふと口元を緩める。
昨日、サイードはカイを連れて街の市場へ行った。
五十年に一度の神子の降臨に合わせていつも以上に多く並んだ店とそこに集まった巡礼者たちとで賑わう市場に来れたことをカイは喜んでいたと思う。ウルドが案じていたように些か憂いを帯びていた顔にも笑顔が戻っていた。
最近、カイはさらに多くの表情を見せてくれるようになった。
以前は何かを言ったり言われたりするとすぐに顔を赤くして俯いてばかりいたが、近頃は笑ったり驚いたり、ダルガートからアレージアの果実を贈られた時は突然何かを叫びながら怒りだしたりしてサイードの目を楽しませてくれる。
一族を亡くしてからずっと、恩人である皇帝カハル以外に心を掛ける者を持たなかったサイードは、どうやらいろいろな感情を忘れてしまっているらしい。そのことに気づかされたのはカイと出会ってからだ。
ダルガートのように相手の気持ちを器用に察することのできないサイードにカイが自分の思いを素直に言葉や表情で伝えてくれるたびに、彼を愛おしいと思う気持ちが強くなる。そしてそれを絶対になくしたくない、という望みも、だ。
初めて心も身体も繋いだあの夜、ダルガートは『自分たちは独占欲が強い』とカイに言った。
確かに彼の言う通り、カイを手放して他の誰かにやるなどということは到底できないから、サイードもそれに頷いた。
だが、ダルガートのいう『独占欲』というものを実際に身をもって思い知らされたのは、ほんの半日前のことだ。
市場で思いがけずイスタリアの王女に同行することになり、腕を取られて話しかけられた。
イスタリアは選定の儀式で神子に選ばれることはなかったが、アル・ハダールが彼を擁することを受け入れた。
その時から彼女は己の主君皇帝カハルの大事な『客人』となった。
そんな彼女の身に何かあればカハルが謗りを受けることになる。
だからサイードはいざという時はカイだけでなく王女も守るつもりではあった。そしてそれは王女の主騎であるクリスティアンも同じだっただろう。
あの男とて、腐っても王位継承者の筆頭近衛騎士だ。なぜかサイードを目の敵にしてはいても、万が一の時はサイードと同じように王女も神子も守ろうとしたに違いない。頭ではそうわかっていた。
だが、あの市場の土産物の店の前にしゃがみこんだカイを抱きかかえている男の姿を見た途端、身体が勝手に動いてカイを奪い取っていた。
クリスティアンの思惑がどうであれ関係がない。ただ他の男がカイに触れたことがたまらなく嫌だった。
(まるで頑是ない子どものようだな)
サイードは、自分の大事な木の馬の人形を妹に取られたくなくて必死に泣いて丸まっていた幼い弟の姿を思い出して口角を上げる。
サイードが生まれた時に与えられた役目は『大事なものを護ること』だった。
小さな弟と妹を、母を、馬を、羊たちを、一族を守ることが使命だった。
だがサイードはそれを果たすことができず、護るべきものは全て死んでしまった。
自分にとって『慈雨の神子』は失ってしまった家族の替わりなのだろうか、と考えたこともある。
だがそれならあんな、クリスティアンに抱かれたカイを見て沸き起こったような激しい衝動は生まれなかったはずだ。
昨日、クリスティアンからカイを奪い取った瞬間は自分が何をしたのかよくわかっておらず、後で気づいて自分の子どもじみた行動に自分で呆れかえった。
それでもやはり大事なものをもう二度となくしたくないという思いを抑えきれずに、昨夜はいぶかしがるカイを抱きかかえて眠った。
(ダルガートに話したら、きっとまた笑うだろうな)
そして恐らくカイはまた真っ赤な顔をして恥ずかしそうに俯くのだろう。
今、サイードは初めてあの時死なずに今まで生きてきて良かったと思った。
毎日何もかもが楽しくて仕方がない。
カイを見るたび、ダルガートと話すたびに全てが目新しく、好ましく思える。
『生きていくための理由が見つからない』
そう言ったサイードにカハルは笑って答えた。
『そのような大それたものがすぐに見つかってしまってはつまらぬだろう』
そしてあの不敵な笑みを浮かべて言ったのだ。
『この広い空の下、どこかに必ずそなたの行くべき道がある』と。
ふと気づくと東の空がわずかに白み始めていた。まもなく東に太陽が姿を現し、そして西には消えゆく月が最後の光を投げかけるだろう。
サイードは馬首を東へと向け、走り出した。
髪をなぶる風が気持ちいい。勢いよく走る馬の足が乾いた大地を蹴るたびに伝わって来るリズムに心が躍る。
ここしばらくはずっと山に登ったり神殿に籠っていたりで、こうして全力で馬を走らせる時間がほとんどなかった。だがこうしているとやはり自分が一番しっくりくる場所はここ、馬鞍の上なのだと感じる。
夜空を覆う闇の神ヒラールが徐々に消えていく。
(せっかくセラウまで来たのだから、俺もあの果実を持って帰れば良かったか)
サイードは、カイが真っ赤な顔をしてダルガートにもらった艶文をくしゃくしゃに丸めていた姿を思い出し、馬を走らせながら声を上げて笑った。
砂漠の夜は冷たい。サイードは革の厚い上着を羽織ると神殿の裏手に作られたアル・ハダールの厩舎から自分の愛馬を引き出した。そして突然現れたサイードの姿に慌てて起きてきた従士が供を申し出るのを退けると、西の門から一人で街を出た。
中央神殿とそれを取り巻く街から西に出ると、そこから先は延々と乾いた大地が続く。だが南側と違ってサラサラと柔らかな砂ではなく、ところどころ草が生え石や岩が転がっている。
サイードは足で軽く馬の横腹を蹴ると、まだ夜明けぬ砂漠を久々に思いっきり馬を駆りながらひたすら西を目指した。
鐘一つ分ほどの間走った頃には少しずつ辺りに草木が増え、やがて貴重なオアシスの一つであるセラウの街にたどり着いた。そこから先はイスタリアの領地になる。
サイードは街には入らず、馬に乗ったまま丘の上からはるか西の方を見据えた。
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馬を走らせ続けてほどよく温まった身体に夜の砂漠の冷たく乾いた空気が心地いい。サイードは自分の吐く白い息の向こうに続く砂漠の向こうを見つめた。
この先、ずっと南西へ進んだところにサイードの故郷がある。だが今そこには人一人、馬一頭羊一匹すら残ってはいない。
サイードとともにその地で生まれ育った人も家畜も全て死んだ。
―――― ダウレシュのサイード。
とっくにこの世から消えた一族の名を、あのイスタリアの王女が知っていたのはなぜだろうか。その疑問は未だ残ってはいるが、それをあの王女に尋ねようとは思わなかった。
ダウレシュ。それはかつてイシュマールの南西にあった草原にいた騎馬遊牧民族の名だ。
まだこのイシュマールの地が乾く前、そこにはダウレシュだけでなく多くの民が馬や羊たちの群れを率いて暮らしていたという。
だがサイードが生まれた頃には水も草もごくわずかしか残っておらず、サイードの一族はめっきり数を減らした馬や家畜たちと牧草地を求めて転々としながら命を繋いでいた。
サイードはそのダウレシュの族長の息子だった。弟が一人と二人の妹がいて、ともに父母を助け馬を駆り羊を追い、鷹を捕まえて慣らしては野の動物を狩り家族へと持ち帰った。
だがサイードが十六の時、そのわずかな水と牧草を狙った南の部族に襲われた。一族の男たちは全力で戦ったが天幕に火を掛けられ、皆殺された。
その時サイードは、冬を前に腹に子を抱えていた母と幼い弟妹たちに少しでも多く食べさせてやりたくて、弓を背負い鷹を従えて一人遠くへ狩りに出ていてそこにはいなかった。
三日ぶりに戻ってきた時に見たのは焼けて跡形もなくなった天幕の残骸と無残に殺された一族の亡骸だった。
それから一年半、一族を殺した相手を探して砂漠を一人でさすらい続けたサイードにとってさらに不幸だったのは、敵が残したナイフの鞘の独特な模様からようやく彼らの正体を突き止めた時にはもう、別の商隊を襲った罪でイスタリアの軍にすでに処刑されていたことだった。
人づてにそれを聞いたサイードは、実際に彼らの断罪を見たのではなく、敵が本当に相応しい報いを受けたのかもわからず、ここまで一人生きのびてきた唯一の目的をも突然失った。
それから、やり場のない怒りや苛立ち、身を焼き切るような焦燥や魂ごと呑み込まれそうな虚無を叩きつけるように、サイードは西の砂漠に跋扈していた野盗や賊のたぐいを一人で殺し回った。カハルに出会ったのはちょうどその頃だ。
それから十年以上の月日が経って、サイードはアル・ハダールの皇帝となったカハルの騎士としてこのダーヒル神殿領までやってきた。そして己の運命に出会ったのだ。
サイードははるか故郷へとつづく地平線を見つめながら、神殿を発つ前に見た神子の安らかな寝顔を思い出してふと口元を緩める。
昨日、サイードはカイを連れて街の市場へ行った。
五十年に一度の神子の降臨に合わせていつも以上に多く並んだ店とそこに集まった巡礼者たちとで賑わう市場に来れたことをカイは喜んでいたと思う。ウルドが案じていたように些か憂いを帯びていた顔にも笑顔が戻っていた。
最近、カイはさらに多くの表情を見せてくれるようになった。
以前は何かを言ったり言われたりするとすぐに顔を赤くして俯いてばかりいたが、近頃は笑ったり驚いたり、ダルガートからアレージアの果実を贈られた時は突然何かを叫びながら怒りだしたりしてサイードの目を楽しませてくれる。
一族を亡くしてからずっと、恩人である皇帝カハル以外に心を掛ける者を持たなかったサイードは、どうやらいろいろな感情を忘れてしまっているらしい。そのことに気づかされたのはカイと出会ってからだ。
ダルガートのように相手の気持ちを器用に察することのできないサイードにカイが自分の思いを素直に言葉や表情で伝えてくれるたびに、彼を愛おしいと思う気持ちが強くなる。そしてそれを絶対になくしたくない、という望みも、だ。
初めて心も身体も繋いだあの夜、ダルガートは『自分たちは独占欲が強い』とカイに言った。
確かに彼の言う通り、カイを手放して他の誰かにやるなどということは到底できないから、サイードもそれに頷いた。
だが、ダルガートのいう『独占欲』というものを実際に身をもって思い知らされたのは、ほんの半日前のことだ。
市場で思いがけずイスタリアの王女に同行することになり、腕を取られて話しかけられた。
イスタリアは選定の儀式で神子に選ばれることはなかったが、アル・ハダールが彼を擁することを受け入れた。
その時から彼女は己の主君皇帝カハルの大事な『客人』となった。
そんな彼女の身に何かあればカハルが謗りを受けることになる。
だからサイードはいざという時はカイだけでなく王女も守るつもりではあった。そしてそれは王女の主騎であるクリスティアンも同じだっただろう。
あの男とて、腐っても王位継承者の筆頭近衛騎士だ。なぜかサイードを目の敵にしてはいても、万が一の時はサイードと同じように王女も神子も守ろうとしたに違いない。頭ではそうわかっていた。
だが、あの市場の土産物の店の前にしゃがみこんだカイを抱きかかえている男の姿を見た途端、身体が勝手に動いてカイを奪い取っていた。
クリスティアンの思惑がどうであれ関係がない。ただ他の男がカイに触れたことがたまらなく嫌だった。
(まるで頑是ない子どものようだな)
サイードは、自分の大事な木の馬の人形を妹に取られたくなくて必死に泣いて丸まっていた幼い弟の姿を思い出して口角を上げる。
サイードが生まれた時に与えられた役目は『大事なものを護ること』だった。
小さな弟と妹を、母を、馬を、羊たちを、一族を守ることが使命だった。
だがサイードはそれを果たすことができず、護るべきものは全て死んでしまった。
自分にとって『慈雨の神子』は失ってしまった家族の替わりなのだろうか、と考えたこともある。
だがそれならあんな、クリスティアンに抱かれたカイを見て沸き起こったような激しい衝動は生まれなかったはずだ。
昨日、クリスティアンからカイを奪い取った瞬間は自分が何をしたのかよくわかっておらず、後で気づいて自分の子どもじみた行動に自分で呆れかえった。
それでもやはり大事なものをもう二度となくしたくないという思いを抑えきれずに、昨夜はいぶかしがるカイを抱きかかえて眠った。
(ダルガートに話したら、きっとまた笑うだろうな)
そして恐らくカイはまた真っ赤な顔をして恥ずかしそうに俯くのだろう。
今、サイードは初めてあの時死なずに今まで生きてきて良かったと思った。
毎日何もかもが楽しくて仕方がない。
カイを見るたび、ダルガートと話すたびに全てが目新しく、好ましく思える。
『生きていくための理由が見つからない』
そう言ったサイードにカハルは笑って答えた。
『そのような大それたものがすぐに見つかってしまってはつまらぬだろう』
そしてあの不敵な笑みを浮かべて言ったのだ。
『この広い空の下、どこかに必ずそなたの行くべき道がある』と。
ふと気づくと東の空がわずかに白み始めていた。まもなく東に太陽が姿を現し、そして西には消えゆく月が最後の光を投げかけるだろう。
サイードは馬首を東へと向け、走り出した。
髪をなぶる風が気持ちいい。勢いよく走る馬の足が乾いた大地を蹴るたびに伝わって来るリズムに心が躍る。
ここしばらくはずっと山に登ったり神殿に籠っていたりで、こうして全力で馬を走らせる時間がほとんどなかった。だがこうしているとやはり自分が一番しっくりくる場所はここ、馬鞍の上なのだと感じる。
夜空を覆う闇の神ヒラールが徐々に消えていく。
(せっかくセラウまで来たのだから、俺もあの果実を持って帰れば良かったか)
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