56 / 161
【第二部】東の国アル・ハダール
閑話 宰相・サルジュリークの苛立ち
「……逃げたな」
虎髭のカーディムがぐびり、と酒を飲んで言った。
「逃げられましたね」
宰補のアドリーも頷く。それをジロリ、と睨んでアル・ハダール宰相サルジュリークはぐい、と茶を飲み干した。それを見てカーディムの義兄のサファルが豊かな髭を撫でながら言った。
「素直で良い子ではないか」
「ええ、わかりますよ。そのくらいは」
空になった茶碗を差し出すと、アドリーが急いでおかわりを注いでくれる。いっそ酒でも呑みたい気分だったが、感情に波がある時に呑んではすぐに酔ってしまうことはすでに実証済みだ。以前、それで酷い目にあったサルジュリークは我慢して茶をすする。案外と酒に弱いことをこれ以上知られるわけにはいかないのだ。
「で、宰相殿はあれをどう見たんだ」
カーディムがニヤニヤ笑いながら尋ねてくる。
「あの年頃にしては随分と謙虚で控え目ですね。自ら功を誇らず、大言壮語も吐かない。ですが非常に思慮深い反面、思考に囚われすぎて今一つ行動が遅れるところがある」
「なかなか手厳しいな」
「そうでもないですよ」
サファルの言葉をサルジュリークは否定した。
「旅はどうだったかと聞いた時、適当にお茶を濁すこともできたのに神子は逡巡して答えを言わなかった。彼は言葉の重きを知っている。そこがもっとも好ましいと思いましたね」
「なるほど。宰相殿らしい答えだ」
サファルが重々しく頷いた。その横でカーディムが肉を勢いよく咀嚼しながら尋ねる。
「で、あの神子さんが現れてからうちの領土内の変化について、すでに報告は上がっているのかい?」
「ええ、目覚ましいものがありますよ。まず南のアルハン大河に水が戻りました。渇水の一番激しかった北方でも河川や井戸水、湧き水の水量が明らかに増えたと辺境部隊から早馬が来ています。この分だとギリギリ春まきの小麦には間に合いそうですね」
「そいつは良かった。これ以上民が飢えるのは見たくないからなァ」
「しかし」とアドリーが口を挟む。
「神子の恵みはアル・ハダール領内に限られたこと。この分だと増えた収穫物や水源を狙って南蛮や北狄の侵攻が激化しそうではありますが」
「それを押さえるのは我らの役目だ」
サファルの言葉にカーディムが頷いた。それを見てサルジュリークは茶を含むふりをして考える。
あの『慈雨の神子』が持つ力のすべてを知っている者はまだほとんどいない。多くが、文字通り水の恵みをもたらす者だとしか考えていない。だがそうではないことを、アドリーやカハル皇帝からの話でサルジュリークはすでに知っていた。
(エイレケのアダンに攫われた時、彼は自らの意志の力で大風を呼び砂漠に砂嵐を起こしたとか)
それが本当であればアドリーの言う夷狄の襲撃など容易く撃退できるだろう。南蛮だろうが北狄だろうが物の数にも及ばない。
(とはいえ、あのお方はそれを良しとは思われぬだろうな)
サルジュリークは上座で神子とそのイシュクたちを前に豪快に笑い声を上げている主君の姿を目の端に収める。
一事が万事『面白いか面白くないか』ではかるカハルの独特の価値観に慣れるまで、サルジュリークもかなりの努力を要した。だが今はその凡人には捉えがたき度量がまさしく『面白い』。
「しかし、そうなると選定の騎士としてサイード将軍に神殿へ行って戴いたのはまさに慧眼だったと言わざるを得ませんね」
そう呟くとカーディムがギロリ、と睨んできた。
「おう、わしはともかくサファルの兄者が行ってもあの神子さんは我がアル・ハダールを選んだに違いないぞ」
「まあ、そうかもしれませんが」
サルジュリークが視線を向けると、アドリーが頷いて言った。
「他の二国の選定の騎士を、神子殿は初めから苦手に思われていたようですね。私も離れた場所から様子を窺っておりましたが、エイレケの騎士もイスタリアの騎士もどちらも神子殿を取って食おうとせんばかりの形相でございました」
「エイレケの騎士はかのアダンの弟だったな。自らが選ばれなかったからといって、神殿に忍び込み力ずくで拐かそうとする男を選んでいたら、あの神子さんじゃ今頃どんな目に合わされていたかわかったものではないわ」
憤然とした顔でカーディムが吐き捨てた。その声が大きすぎることを嗜めてサファルが言う。
「だがイスタリアの騎士は大層な美丈夫であったと聞いておるが」
「ええ、ですが次期女王の配偶者の地位を欲しているようで、神子を得て己の地位を上げようという欲が顔に出すぎていましたね」
アドリーの答えを聞いてカーディムがニヤリと笑った。
「無私無欲という点じゃあ、うちのサイードを超える者はおるまいて。どうやらサイードも神子さんを大層気に入っている様子じゃないか。相思相愛でいいことだ。おまけにもう一人、あの神子さんはとんでもない難物まで釣り上げたようだがのう」
そう、そこだ。サルジュリークは大きく息を吐きだした。まさか彼があのダルガートまでをも味方につけてしまうとは予想もしなかったことだ。
サルジュリークとダルガートの不仲はアル・ハダールの中でも有名だ。とはいえサルジュリークの方が一方的に彼を嫌っているとも言える。
以前カハル皇帝に『なぜそんなにあの男を嫌うのだ』と苦言を呈されたことさえある。それに対してサルジュリークは『一度おのれの主君を裏切った男が二度同じことをせぬとは限りませぬ』と答えた。
もちろんかつての彼の王ジャハールの無知蒙昧ぶりはサルジュリークとて理解しているし、カハルこそがこの国を救うと見抜き、信じ、すぐに行動に移して帝都陥落の糸口を作ったダルガートの慧眼と行動力を密かに評価してさえいる。
だがそれとこれとはまた別だ。
ひと言でいえば、腹の底が知れぬ。あまりに得体が知れなさすぎて信用できぬのだ。
宰相たるサルジュリークはアル・ハダールの民、重臣、そして君主の心さえも読んでうまく使いこなせなければならぬ。なのにあの男だけは何を考えているのかまるでわからない。
(なのに、あの神子殿は彼の人となりをたった数日で見抜いたというのか)
なぜダルガートを信用するのか、と聞いたサルジュリークにあの神子は『自分が何をしても、そしてできなくても、彼は変わらないだろうから安心できる』と答えた。
(……それはなんとなく、分かる気がするな)
あのダルガートという男は人の目や意見にまるで頓着しない。
二君に仕えた男と謗られようが、愛想もなく融通も利かぬ陛下の犬よと貶められようが、いつもあの冷ややかな目をして陰口を叩く彼らを鼻にも引っ掛けぬ。
おのれの信ずるところ、おのれの行く道は、他人にどう見られようが自分だけがわかっていればいい。そう思っている節がある。
サルジュリークにしてみればそういうところが癇に障るのだが、あの神子は違うらしい。
「気に入らぬようだな、宰相殿よ」
かすかに笑ってサファルが言った。思わずそれに唇を曲げる。
サルジュリークは笑顔も驚いた顔もショックを受けた顔も、全部計算の上で相手に見せる。実際のところはどんな相手にでも出鼻をくじかれたり意表を突かれたりということはない。
だが、時として皇帝カハル以上の落ち着きと威厳を見せるこの義兄弟の二兄が、ダルガートとは違った意味で少しばかり苦手だった。
「不満はありませんよ。『慈雨の神子』をこのアル・ハダールに縛りつける楔が一つでも多い方がわたくしとしては安心ですから」
わざと斜に構えたような言葉を返すサルジュリークに、サファルは酒杯に口に運びながらまたうっすらと微笑んだ。その、まるで頑是ない子どもをあやすような顔つきが気に入らなくて思わず言い返す。
「サイード将軍はわかりますよ。彼は寛容で包容力があるし、派閥にも属さず視点も利にも偏っていないから物事を広く見渡せる。不安に慄く神子殿を上手に良い方向へと導いていけるでしょう」
「わかっておらんのう、宰相殿は」
突然カーディムが虎髭に覆われた顎を掻きながらニヤリと笑った。それにサファルも静かに頷く。
「あの神子さんと一緒にいて助けられるのはサイードの方さ。のう、兄者」
「そうだな」
「え? どういう意味です?」
だが二人の義兄弟たちは笑うばかりで、まるで一本取られたようか形にサルジュリークは納得いかない気持ちを豊かな香りの茶とともに飲み下した。
虎髭のカーディムがぐびり、と酒を飲んで言った。
「逃げられましたね」
宰補のアドリーも頷く。それをジロリ、と睨んでアル・ハダール宰相サルジュリークはぐい、と茶を飲み干した。それを見てカーディムの義兄のサファルが豊かな髭を撫でながら言った。
「素直で良い子ではないか」
「ええ、わかりますよ。そのくらいは」
空になった茶碗を差し出すと、アドリーが急いでおかわりを注いでくれる。いっそ酒でも呑みたい気分だったが、感情に波がある時に呑んではすぐに酔ってしまうことはすでに実証済みだ。以前、それで酷い目にあったサルジュリークは我慢して茶をすする。案外と酒に弱いことをこれ以上知られるわけにはいかないのだ。
「で、宰相殿はあれをどう見たんだ」
カーディムがニヤニヤ笑いながら尋ねてくる。
「あの年頃にしては随分と謙虚で控え目ですね。自ら功を誇らず、大言壮語も吐かない。ですが非常に思慮深い反面、思考に囚われすぎて今一つ行動が遅れるところがある」
「なかなか手厳しいな」
「そうでもないですよ」
サファルの言葉をサルジュリークは否定した。
「旅はどうだったかと聞いた時、適当にお茶を濁すこともできたのに神子は逡巡して答えを言わなかった。彼は言葉の重きを知っている。そこがもっとも好ましいと思いましたね」
「なるほど。宰相殿らしい答えだ」
サファルが重々しく頷いた。その横でカーディムが肉を勢いよく咀嚼しながら尋ねる。
「で、あの神子さんが現れてからうちの領土内の変化について、すでに報告は上がっているのかい?」
「ええ、目覚ましいものがありますよ。まず南のアルハン大河に水が戻りました。渇水の一番激しかった北方でも河川や井戸水、湧き水の水量が明らかに増えたと辺境部隊から早馬が来ています。この分だとギリギリ春まきの小麦には間に合いそうですね」
「そいつは良かった。これ以上民が飢えるのは見たくないからなァ」
「しかし」とアドリーが口を挟む。
「神子の恵みはアル・ハダール領内に限られたこと。この分だと増えた収穫物や水源を狙って南蛮や北狄の侵攻が激化しそうではありますが」
「それを押さえるのは我らの役目だ」
サファルの言葉にカーディムが頷いた。それを見てサルジュリークは茶を含むふりをして考える。
あの『慈雨の神子』が持つ力のすべてを知っている者はまだほとんどいない。多くが、文字通り水の恵みをもたらす者だとしか考えていない。だがそうではないことを、アドリーやカハル皇帝からの話でサルジュリークはすでに知っていた。
(エイレケのアダンに攫われた時、彼は自らの意志の力で大風を呼び砂漠に砂嵐を起こしたとか)
それが本当であればアドリーの言う夷狄の襲撃など容易く撃退できるだろう。南蛮だろうが北狄だろうが物の数にも及ばない。
(とはいえ、あのお方はそれを良しとは思われぬだろうな)
サルジュリークは上座で神子とそのイシュクたちを前に豪快に笑い声を上げている主君の姿を目の端に収める。
一事が万事『面白いか面白くないか』ではかるカハルの独特の価値観に慣れるまで、サルジュリークもかなりの努力を要した。だが今はその凡人には捉えがたき度量がまさしく『面白い』。
「しかし、そうなると選定の騎士としてサイード将軍に神殿へ行って戴いたのはまさに慧眼だったと言わざるを得ませんね」
そう呟くとカーディムがギロリ、と睨んできた。
「おう、わしはともかくサファルの兄者が行ってもあの神子さんは我がアル・ハダールを選んだに違いないぞ」
「まあ、そうかもしれませんが」
サルジュリークが視線を向けると、アドリーが頷いて言った。
「他の二国の選定の騎士を、神子殿は初めから苦手に思われていたようですね。私も離れた場所から様子を窺っておりましたが、エイレケの騎士もイスタリアの騎士もどちらも神子殿を取って食おうとせんばかりの形相でございました」
「エイレケの騎士はかのアダンの弟だったな。自らが選ばれなかったからといって、神殿に忍び込み力ずくで拐かそうとする男を選んでいたら、あの神子さんじゃ今頃どんな目に合わされていたかわかったものではないわ」
憤然とした顔でカーディムが吐き捨てた。その声が大きすぎることを嗜めてサファルが言う。
「だがイスタリアの騎士は大層な美丈夫であったと聞いておるが」
「ええ、ですが次期女王の配偶者の地位を欲しているようで、神子を得て己の地位を上げようという欲が顔に出すぎていましたね」
アドリーの答えを聞いてカーディムがニヤリと笑った。
「無私無欲という点じゃあ、うちのサイードを超える者はおるまいて。どうやらサイードも神子さんを大層気に入っている様子じゃないか。相思相愛でいいことだ。おまけにもう一人、あの神子さんはとんでもない難物まで釣り上げたようだがのう」
そう、そこだ。サルジュリークは大きく息を吐きだした。まさか彼があのダルガートまでをも味方につけてしまうとは予想もしなかったことだ。
サルジュリークとダルガートの不仲はアル・ハダールの中でも有名だ。とはいえサルジュリークの方が一方的に彼を嫌っているとも言える。
以前カハル皇帝に『なぜそんなにあの男を嫌うのだ』と苦言を呈されたことさえある。それに対してサルジュリークは『一度おのれの主君を裏切った男が二度同じことをせぬとは限りませぬ』と答えた。
もちろんかつての彼の王ジャハールの無知蒙昧ぶりはサルジュリークとて理解しているし、カハルこそがこの国を救うと見抜き、信じ、すぐに行動に移して帝都陥落の糸口を作ったダルガートの慧眼と行動力を密かに評価してさえいる。
だがそれとこれとはまた別だ。
ひと言でいえば、腹の底が知れぬ。あまりに得体が知れなさすぎて信用できぬのだ。
宰相たるサルジュリークはアル・ハダールの民、重臣、そして君主の心さえも読んでうまく使いこなせなければならぬ。なのにあの男だけは何を考えているのかまるでわからない。
(なのに、あの神子殿は彼の人となりをたった数日で見抜いたというのか)
なぜダルガートを信用するのか、と聞いたサルジュリークにあの神子は『自分が何をしても、そしてできなくても、彼は変わらないだろうから安心できる』と答えた。
(……それはなんとなく、分かる気がするな)
あのダルガートという男は人の目や意見にまるで頓着しない。
二君に仕えた男と謗られようが、愛想もなく融通も利かぬ陛下の犬よと貶められようが、いつもあの冷ややかな目をして陰口を叩く彼らを鼻にも引っ掛けぬ。
おのれの信ずるところ、おのれの行く道は、他人にどう見られようが自分だけがわかっていればいい。そう思っている節がある。
サルジュリークにしてみればそういうところが癇に障るのだが、あの神子は違うらしい。
「気に入らぬようだな、宰相殿よ」
かすかに笑ってサファルが言った。思わずそれに唇を曲げる。
サルジュリークは笑顔も驚いた顔もショックを受けた顔も、全部計算の上で相手に見せる。実際のところはどんな相手にでも出鼻をくじかれたり意表を突かれたりということはない。
だが、時として皇帝カハル以上の落ち着きと威厳を見せるこの義兄弟の二兄が、ダルガートとは違った意味で少しばかり苦手だった。
「不満はありませんよ。『慈雨の神子』をこのアル・ハダールに縛りつける楔が一つでも多い方がわたくしとしては安心ですから」
わざと斜に構えたような言葉を返すサルジュリークに、サファルは酒杯に口に運びながらまたうっすらと微笑んだ。その、まるで頑是ない子どもをあやすような顔つきが気に入らなくて思わず言い返す。
「サイード将軍はわかりますよ。彼は寛容で包容力があるし、派閥にも属さず視点も利にも偏っていないから物事を広く見渡せる。不安に慄く神子殿を上手に良い方向へと導いていけるでしょう」
「わかっておらんのう、宰相殿は」
突然カーディムが虎髭に覆われた顎を掻きながらニヤリと笑った。それにサファルも静かに頷く。
「あの神子さんと一緒にいて助けられるのはサイードの方さ。のう、兄者」
「そうだな」
「え? どういう意味です?」
だが二人の義兄弟たちは笑うばかりで、まるで一本取られたようか形にサルジュリークは納得いかない気持ちを豊かな香りの茶とともに飲み下した。
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
悪役令息を引き継いだら、愛が重めの婚約者が付いてきました
ぽんちゃん
BL
双子が忌み嫌われる国で生まれたアデル・グランデは、辺鄙な田舎でひっそりと暮らしていた。
そして、双子の兄――アダムは、格上の公爵子息と婚約中。
この婚約が白紙になれば、公爵家と共同事業を始めたグランデ侯爵家はおしまいである。
だが、アダムは自身のメイドと愛を育んでいた。
そこでアダムから、人生を入れ替えないかと持ちかけられることに。
両親にも会いたいアデルは、アダム・グランデとして生きていくことを決めた。
しかし、約束の日に会ったアダムは、体はバキバキに鍛えており、肌はこんがりと日に焼けていた。
幼少期は瓜二つだったが、ベッドで生活していた色白で病弱なアデルとは、あまり似ていなかったのだ。
そのため、化粧でなんとか誤魔化したアデルは、アダムになりきり、両親のために王都へ向かった。
アダムとして平和に暮らしたいアデルだが、婚約者のヴィンセントは塩対応。
初めてのデート(アデルにとって)では、いきなり店前に置き去りにされてしまい――!?
同性婚が可能な世界です。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
※ 感想欄はネタバレを含みますので、お気をつけください‼︎(><)
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで
二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。
有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。