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【第二部】東の国アル・ハダール
84 宰相さんの話
「ようこそ、おいで下さいました」
昼食の後、着替えをして宰相さんの部屋を訪れると、文官たちとたくさんの木札や羊皮紙に囲まれていた宰相さんが立ち上がって言った。
彼は文官たちを全員下がらせると、僕を隣の部屋へと案内する。そして綺麗な木目込み模様の丸いテーブルに座るように言った。
今まではどこでも大抵床に厚い敷物を敷いてそこに座っていたから、こうしてテーブルと椅子につくのは久し振りのような気がする。
言われた通り椅子に座ると、お付きの人が以前歓迎の宴で見た綺麗な花茶を淹れてくれた。
「どうぞ、お楽に」
「ありがとうございます」
僕たちはお互いお茶を飲んで息をつく。すると宰相さんが微笑んで僕に尋ねてきた。
「いかがですか、こちらでの生活は」
「毎日カーディム将軍に怒涛の勢いで鍛えられています」
冗談交じりにそう答えると、宰相さんが「それはそれは」と言って笑った。
「実は、ずっと神子殿とはこうして直接色々とお話を伺いたいと思っておりました」
ですがなかなか時間が取れず、と宰相さんが言う。まあ、確かに忙しそうだもんなぁ。ごくごくたまに宮殿の表側にある政堂で見かけても、いつも大勢の部下らしき人たちに囲まれながらあちこち行ってるもんなぁ。
なんて思っていると、宰相さんはお茶を一口飲んで言った。
「ぜひ一度、神子殿がかつていらした世界のことをお聞かせ頂きたく」
「えっ?」
正直ちょっと驚いた。というのも、こっちに来てから僕の故郷のことを聞いて来た人は一人もいなかったからだ。そう、そうだ。今まで誰も聞いてこなかったよな。カハル皇帝もアドリーさんも。それにサイードさんやダルガートだって。
やっぱりアレかな。うかつに向こうのことを聞いて、僕が向こうを懐かしがったり悲しがったりしたらいけない、って気を遣ってくれてるのかな。
「ええと……僕で答えられることなら……」
そう返事をすると、宰相さんはまた微笑んで言った。
「『慈雨の神子』という神の恩寵が貴方の国にはいないことは聞いておりますが、他にもいろいろと違うのでしょうね」
「え、あ、はい。そうですね……」
うーん、それをひと言で表すには何と言ったらいいだろうか……。
「僕の感覚で言うと……こちらの世界は数百年昔の僕らの世界に似ていると思います」
「数百年? それは大きいですね。では数百年未来の貴方のお国とこちらとでは、何が一番違うとお思いに?」
「ええと……やっぱりエネルギー資源かなぁ……」
パッと思いついたことを口に出して考える。
そうだよ。こっちじゃ移動は馬か歩きだし、火を起こすのも火打石みたいなのだし、灯りは蝋燭か何かの油を使ったランプだし、燃料も薪ぐらいで石炭も石油も見たことがない。つまりまだ火力、水力、風力、人力みたいな自然エネルギーしかないってことだよな、多分。
そういえば石炭とか石油って化石エネルギーって言うんだったっけ。そうだ、エネルギー源が木炭から石炭に変わって、石炭を燃やして作る蒸気の力でピストンとかタービンを回す蒸気機関が発明されて、そこから産業革命に繋がるんだ。産業革命ってええと1700年代半ば? そこまでこっちの国がたどり着いてないってことはやっぱり僕の生きてた時代からすると何百年も前ってことで……
宰相さんってめちゃくちゃやり手らしいから、多分そういう進んだ技術とか制度みたいなのを聞きたいんだよな、きっと。
いや待てよ、そういえば産業革命のお陰で農業とかの一次産業についてる人がめちゃくちゃ減って一気に商業とか工業労働者が増えたんだ。そのせいで新しい身分みたいなのが出来て、そこから身分制度が一気に変わったってことは、この国みたいに王様を頂点とした絶対君主制? みたいなのには統治者側からしたらすごく危険な出来事なのかもしれなくて……、いやでも君主制度を崩壊させる大きなきっかけっていったらフランス革命とか、ロシア革命とか、ええと……
と、そこまで考えてハッと我に返った。
またしても一人でどっぷり考え込んでしまっていた。しかも今、宰相さんから聞かれたこととはまったく関係ないことまで。
これじゃ歓迎の宴の席で宰相さんに帝都へ来る旅の感想を聞かれた時と同じだ。しまった。
内心の焦りを押し隠して慌てて姿勢を正すと、小さく笑って宰相さんが言った。
「神子殿はよくよく思慮深い性格でいらっしゃるようですね」
「いえ、あの、……すみません」
そう言われて縮こまる。
「……というか、多分下手なことを言って自分の立場が悪くなるのが怖いんだと思います」
思わず、そう口から出てしまった。
いやだってそうだよ。思えば初めてこっちの世界に飛ばされて来た時に、あの神殿での選定の儀式の時に突然三人の騎士の中から一人を選べ、って言われた時に僕はひたすら誰を選べば一番安全なんだろうか、ってことばかり考えてて全然選べなかったもんな。
散々他の人たちの大きな声とか場の雰囲気にせかされて、怖くて怖くて仕方なくただ一人僕に微笑みかけてくれたサイードさんの手に飛びついたんだ。
うかつに何かを言えばどうなるかわからない。そんな危機感がまだ僕の中に残ってるんだろうな。それに、今うだうだ考えながらまたしても気づいたことがある。
「……確かに、この世界と比べると僕の世界は数百年単位で文明が発達しています。ただ僕自身は産業も工業も商業も、具体的に何がどう発展していったかはよくわからないんです。だから多分宰相さん……じゃない、宰相様が興味を持たれるようなことは僕では教えられないと思います。お恥ずかしい話ですが」
そうだよ。ここより便利で発達してる未来みたいな世界から来たって言っても、自分が発明したわけじゃないから詳しいことは何にも知らないんだよな、よく考えたら。
マンガや小説みたいに主人公無双とかチートとかはなかなか無理な話なんだ。
そうやって落ち込んでたら、宰相さんが目を細めて言った。
「神子殿は私が貴方のお国のことを聞いてぜひアル・ハダールの発展に生かしたいと考えていると思われたのですね」
「え、違うんですか?」
だって宰相さんってこの国で戸籍制度とか行政改革とか一人でバンバン断行してる人だって聞いたからてっきり……と思っていたら、また宰相さんがおかしそうに微笑んだ。
「いいえ、確かにそういう下心もありますが、別に貴方から何か有益なことを聞き出せなかったからといって私から見た貴方の価値が変わるわけではありませぬ」
「え…………」
思わずドキッとした。
そう、下心があるのはこっちの方だ。
この人にとって何か利をもたらすようなことでも言えればきっと無碍にはされないだろう、っていう、そういう欲を見透かされてたことが恥ずかしくなる。
「……すみません」
「神子殿、誤解のないように改めて言わせて頂きますが、貴方はただこの国にいて下さるだけで我らにとっては大きな恩寵なのです。ですから私の言葉の意図を警戒したり、無理をして虎髭殿のしごきに耐えなくてもよいのですよ」
虎髭殿、と言われてすぐカーディム将軍のモサモサの髭と豪快な笑い声が頭に浮かんできて、思わず笑ってしまった。
「……ありがとうございます。でもこれからお世話になる国だから、ただ皆さんの親切に甘えて何もしないでダラダラしてるのも良くないと思いますし、なんにせよ身体を鍛えたり知識を得たりするのは続けていきたいと思います」
「そうですか。わかりました」
ぶっちゃけ、いくら「ただこの国にいるだけでいい」と言われてもずっと無職で一人だらけているのは居たたまれないんだよな。
サイードさんだってダルガートだって、ヤハルもウルドもみんな自分の役目を持って毎日一生懸命働いているんだから。
昼食の後、着替えをして宰相さんの部屋を訪れると、文官たちとたくさんの木札や羊皮紙に囲まれていた宰相さんが立ち上がって言った。
彼は文官たちを全員下がらせると、僕を隣の部屋へと案内する。そして綺麗な木目込み模様の丸いテーブルに座るように言った。
今まではどこでも大抵床に厚い敷物を敷いてそこに座っていたから、こうしてテーブルと椅子につくのは久し振りのような気がする。
言われた通り椅子に座ると、お付きの人が以前歓迎の宴で見た綺麗な花茶を淹れてくれた。
「どうぞ、お楽に」
「ありがとうございます」
僕たちはお互いお茶を飲んで息をつく。すると宰相さんが微笑んで僕に尋ねてきた。
「いかがですか、こちらでの生活は」
「毎日カーディム将軍に怒涛の勢いで鍛えられています」
冗談交じりにそう答えると、宰相さんが「それはそれは」と言って笑った。
「実は、ずっと神子殿とはこうして直接色々とお話を伺いたいと思っておりました」
ですがなかなか時間が取れず、と宰相さんが言う。まあ、確かに忙しそうだもんなぁ。ごくごくたまに宮殿の表側にある政堂で見かけても、いつも大勢の部下らしき人たちに囲まれながらあちこち行ってるもんなぁ。
なんて思っていると、宰相さんはお茶を一口飲んで言った。
「ぜひ一度、神子殿がかつていらした世界のことをお聞かせ頂きたく」
「えっ?」
正直ちょっと驚いた。というのも、こっちに来てから僕の故郷のことを聞いて来た人は一人もいなかったからだ。そう、そうだ。今まで誰も聞いてこなかったよな。カハル皇帝もアドリーさんも。それにサイードさんやダルガートだって。
やっぱりアレかな。うかつに向こうのことを聞いて、僕が向こうを懐かしがったり悲しがったりしたらいけない、って気を遣ってくれてるのかな。
「ええと……僕で答えられることなら……」
そう返事をすると、宰相さんはまた微笑んで言った。
「『慈雨の神子』という神の恩寵が貴方の国にはいないことは聞いておりますが、他にもいろいろと違うのでしょうね」
「え、あ、はい。そうですね……」
うーん、それをひと言で表すには何と言ったらいいだろうか……。
「僕の感覚で言うと……こちらの世界は数百年昔の僕らの世界に似ていると思います」
「数百年? それは大きいですね。では数百年未来の貴方のお国とこちらとでは、何が一番違うとお思いに?」
「ええと……やっぱりエネルギー資源かなぁ……」
パッと思いついたことを口に出して考える。
そうだよ。こっちじゃ移動は馬か歩きだし、火を起こすのも火打石みたいなのだし、灯りは蝋燭か何かの油を使ったランプだし、燃料も薪ぐらいで石炭も石油も見たことがない。つまりまだ火力、水力、風力、人力みたいな自然エネルギーしかないってことだよな、多分。
そういえば石炭とか石油って化石エネルギーって言うんだったっけ。そうだ、エネルギー源が木炭から石炭に変わって、石炭を燃やして作る蒸気の力でピストンとかタービンを回す蒸気機関が発明されて、そこから産業革命に繋がるんだ。産業革命ってええと1700年代半ば? そこまでこっちの国がたどり着いてないってことはやっぱり僕の生きてた時代からすると何百年も前ってことで……
宰相さんってめちゃくちゃやり手らしいから、多分そういう進んだ技術とか制度みたいなのを聞きたいんだよな、きっと。
いや待てよ、そういえば産業革命のお陰で農業とかの一次産業についてる人がめちゃくちゃ減って一気に商業とか工業労働者が増えたんだ。そのせいで新しい身分みたいなのが出来て、そこから身分制度が一気に変わったってことは、この国みたいに王様を頂点とした絶対君主制? みたいなのには統治者側からしたらすごく危険な出来事なのかもしれなくて……、いやでも君主制度を崩壊させる大きなきっかけっていったらフランス革命とか、ロシア革命とか、ええと……
と、そこまで考えてハッと我に返った。
またしても一人でどっぷり考え込んでしまっていた。しかも今、宰相さんから聞かれたこととはまったく関係ないことまで。
これじゃ歓迎の宴の席で宰相さんに帝都へ来る旅の感想を聞かれた時と同じだ。しまった。
内心の焦りを押し隠して慌てて姿勢を正すと、小さく笑って宰相さんが言った。
「神子殿はよくよく思慮深い性格でいらっしゃるようですね」
「いえ、あの、……すみません」
そう言われて縮こまる。
「……というか、多分下手なことを言って自分の立場が悪くなるのが怖いんだと思います」
思わず、そう口から出てしまった。
いやだってそうだよ。思えば初めてこっちの世界に飛ばされて来た時に、あの神殿での選定の儀式の時に突然三人の騎士の中から一人を選べ、って言われた時に僕はひたすら誰を選べば一番安全なんだろうか、ってことばかり考えてて全然選べなかったもんな。
散々他の人たちの大きな声とか場の雰囲気にせかされて、怖くて怖くて仕方なくただ一人僕に微笑みかけてくれたサイードさんの手に飛びついたんだ。
うかつに何かを言えばどうなるかわからない。そんな危機感がまだ僕の中に残ってるんだろうな。それに、今うだうだ考えながらまたしても気づいたことがある。
「……確かに、この世界と比べると僕の世界は数百年単位で文明が発達しています。ただ僕自身は産業も工業も商業も、具体的に何がどう発展していったかはよくわからないんです。だから多分宰相さん……じゃない、宰相様が興味を持たれるようなことは僕では教えられないと思います。お恥ずかしい話ですが」
そうだよ。ここより便利で発達してる未来みたいな世界から来たって言っても、自分が発明したわけじゃないから詳しいことは何にも知らないんだよな、よく考えたら。
マンガや小説みたいに主人公無双とかチートとかはなかなか無理な話なんだ。
そうやって落ち込んでたら、宰相さんが目を細めて言った。
「神子殿は私が貴方のお国のことを聞いてぜひアル・ハダールの発展に生かしたいと考えていると思われたのですね」
「え、違うんですか?」
だって宰相さんってこの国で戸籍制度とか行政改革とか一人でバンバン断行してる人だって聞いたからてっきり……と思っていたら、また宰相さんがおかしそうに微笑んだ。
「いいえ、確かにそういう下心もありますが、別に貴方から何か有益なことを聞き出せなかったからといって私から見た貴方の価値が変わるわけではありませぬ」
「え…………」
思わずドキッとした。
そう、下心があるのはこっちの方だ。
この人にとって何か利をもたらすようなことでも言えればきっと無碍にはされないだろう、っていう、そういう欲を見透かされてたことが恥ずかしくなる。
「……すみません」
「神子殿、誤解のないように改めて言わせて頂きますが、貴方はただこの国にいて下さるだけで我らにとっては大きな恩寵なのです。ですから私の言葉の意図を警戒したり、無理をして虎髭殿のしごきに耐えなくてもよいのですよ」
虎髭殿、と言われてすぐカーディム将軍のモサモサの髭と豪快な笑い声が頭に浮かんできて、思わず笑ってしまった。
「……ありがとうございます。でもこれからお世話になる国だから、ただ皆さんの親切に甘えて何もしないでダラダラしてるのも良くないと思いますし、なんにせよ身体を鍛えたり知識を得たりするのは続けていきたいと思います」
「そうですか。わかりました」
ぶっちゃけ、いくら「ただこの国にいるだけでいい」と言われてもずっと無職で一人だらけているのは居たたまれないんだよな。
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