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【第二部】東の国アル・ハダール
88 スフィア
各地にある神殿は、元々その辺りで一番豊かな地下水源が見つかった場所に建てられているらしい。
この神殿の地下深くに降りていくと石造りの地下水路の一部があった。昔はそこに地下水脈から流れ込んだ水があり、毎日そこで汲んだ水でさまざまな祭祀を行っていたのだとナルド神官が教えてくれた。
でも今そこは完全に干上がっていて水はまったくなかった。
神殿には『黙想』という、神官たちが一人一人部屋に籠って祈りを捧げる日課があるそうだ。今からその時間だというナルド神官と別れて、僕はこの神殿のいわば一番メインの場所である階上へ向かった。
そこは外に大きく開けたバルコニーがあることと、その反対側の一番奥に大きな球体のモニュメントみたいなのがあるところが、僕が一番最初に落っこちてきたダーヒル神殿の『召喚の間』にそっくりだった。天井もやっぱりすごく高くて半球状になっている。
でもこのバルコニー……やっぱり南を向いてないな。
大体の時間と太陽の位置を見比べて考える。
ダーヒルの神殿ではバルコニーは真南を向いていて、神殿長さんが案内してくれた時も『我らアルダ教徒は太陽を拝む者。よって神殿は南を向いて建っておる』と言っていた。
「ねえ、ヤハル」
僕は一緒について来てるヤハルに聞いてみる。
「この神殿ってどっちの方角を向いてるかわかる?」
「方角でございますか。そうですね……昼の鐘三つの頃にあの位置に太陽がいるということは、大体南西から西南西といったところでしょうか」
「……だよね」
僕は先月、砂漠のオアシスで見たあの小さな聖廟を思い出す。あそこも確か同じような方向を向いていた。
南西っていうと……おおざっぱにいってダーヒル神殿領よりは南、エイレケの方角に近いってことかな。
僕は懐から一枚の地図を取り出す。それは以前ダーヒルの神殿長さんから貰った三国の地図からアル・ハダールのところだけを写し取ったものだ。
貰った三国全体の地図の原本は宮殿の自分の部屋に隠してある。なんとなく門外不出というか、何かいわくありげなことを神殿長さんが言っていたから、あまり無暗にひと目に触れさせない方がいいかと思ったからだ。
「ヤハル。この神殿ってどの辺りになるの?」
「帝都より東に十日……この辺りでございます」
「そうか。ありがとう」
僕は携帯用の羽根ペンを取り出してその地図に書き込んだ。
それにしても、と僕は改めて考える。
アル・ハダールの神殿の向きがダーヒルと違うというのは何か意味があるんだろうか。それより何より、このアーケルの地だけ水が戻っていないのはなぜなんだろう。
僕はバルコニーを離れて反対側の、何段も階段を上がったところにある球体を見に行く。ダーヒル神殿のものはもっと大きくて、それこそ僕では抱えきれないくらいの大きさで手が届かないくらい高いところに置かれていたけれど、ここは両腕に収まるくらいのものが腰高の台の上に設置されている。
なんとなく好奇心でその球体を覗き込んで、僕は思わず息を呑んだ。え、なにこれ。なんでできてるの、これ。
それはここよりもっと文明の発達した世界から来た僕でさえも不思議に思うようなものだった。見る角度によって分厚いガラスのようにも、また不透明な石のようにも見える。
しかも中に何かある。
そう思って僕は爪先立ちになってなんとか中をよく見ようとあちこち覗き込んで見て、また驚いた。
「え、これって……なんだったっけ」
鈍く光る金属のようないくつもの輪っかがいろんな角度で重なり組み合わさっている。
「うわ~~カッコいい……!」
知恵の輪とかこういうギミックのありそうな金属ってなんでこんなにオタ心をそそるんだろうか。思わずべったりと張りつくようにしてそれを見ていて気がついた。
そうだ、これってジャイロスコープに似てる。
昔、地元の科学館で見たジャイロスコープは三つくらいの輪がそれぞれ違う方向に回っていて、確か物の角度と加速度を調べるためのものだったような気が……あー、でもやっぱ詳しくは覚えてないや。
しかもこれ、この球体自体が動いてるわけじゃないから速度なんてないし、じゃあまったくの別物なんだろうか……。
「いや、それ以前にこんなものがこんな時代にあること自体がおかしいよね!?」
思わず声に出して言ってしまった。すると階段下からヤハルが言う。
「いかがなさいましたか!? 神子!」
「神子様!」
一緒に来ていた帝都の中央神殿のアスール神官も少し焦ったように呼んでいる。僕は慌てて二人に答えた。
「ご、ごめん! 大丈夫! それよりこっちに来て、これ見てくれない!?」
すると二人はピタッと口を閉じて静かに首を横に振った。
「その場所は我々が近づくわけには参りませぬ」
「え……っ」
ヤバイ。何かすごく神聖な場所とか御本尊……みたいな物だったのかな、コレ。驚いて僕がその球体から離れると、アスール神官は首を横に振った。
「ご案じ召されますな。ラハルの神子たる貴方様に禁忌はございませぬ」
「そ、そう……」
少しホッとしつつ、もう一度球体の中を覗き込んだ。
これ、ジャイロスコープじゃないならなんなんだろう? よく見ると水平な輪っかの表面に何か模様のような文字のようなものが見える。でも僕には読めなかった。
おかしいな。こっちの世界の文字は意識すれば読めるのに。じゃあこれはこの世界の文字じゃない……?
「……まさかね」
これ以上話が複雑になってはたまらない。なんて密かに思いつつ「あー、でもこれと一番の懸念の水問題は全然関係ないもんなー。ほんとどうしよう……水……」とため息をつきながら球体にぐったりともたれて額を押し付けた。
「…………あれ、今これ、動いた……?」
ほんのちょっとだけ球体がずれたような気がして顔を跳ね上げる。そしてもう一度球体に触れた両手に力を籠めると、確かに球体は少し動いた。
「あ、これ、球体が動くと中の輪っかも微妙にずれる……」
透明なようなそうでないような不思議な内部で、ふらふらと動いては重なったり離れたりしている四つの輪っかをじっと見て、僕はどの輪にも文字のような記号のようなものがあるのに気が付いた。
「……これ……記号みたいなのを合わせるといいのかな……」
どういう仕組みや法則かわからないが、球体を動かすと中の輪っかも微妙に動く。
気が付くと僕はそれこそ知恵の輪やパズルを解くように夢中になって球体をいろんな方向に回して中の輪っかの重なり具合を調整していった。
「そうか、水平の輪っかはどう動かしてもそのまんまで、左右に動かすとあの斜めのやつがずれて、上下に動かすとこっちの斜めのやつが逆回転するから……あ~~あとちょっと…………っ」
不意にカチッと何かが何かにぴったりと嵌ったような感覚を覚えた。すると突然完全に透明になった球体からレーザービームみたいな光が一直線に飛び出す。
「うぉッツ!?」
「神子よ! どうなさいました!?」
「神子様!?」
「だ、大丈夫!」
思わず呆然としながらも、なんとかさっきと同じ返事を返した。
な、なんだったんだ? 今のは。一瞬で消えてしまったけど、確かに光は向かいのバルコニーのど真ん中を射貫くみたいにまっすぐに伸びて、そして消えた。
「ね、ねえヤハル! 今の見た!?」
「は……、特に何も見てはおりませぬが……」
「何か異変でもございましたか、神子よ」
眉を顰めてアスール神官が尋ねる。
「……あ、いえ。なんでもないです」
なんとなく悪戯が見つかりそうになった子どものような気分になった僕は二人を誤魔化しつつコソコソと階段を降りた。
そして他の神官たちに見つかる前に自分の部屋へ戻ろうとした時、神殿の正面入り口から入ってきたやたらと派手なおじさんたちに声を掛けられてしまった。
「……これはこれは、貴方様が噂に名高い慈雨の神子殿でいらっしゃるか」
「え、あ、はい」
その人は結構豪華な毛皮の縁取りのついたマントを羽織り、随分と丁寧に手入れしているっぽい髭を生やした恰幅のいい中年の男だった。
すぐに僕の斜め前に立ったヤハルをちら、と見て、その人はやたらと尊大な様子で名を名乗る。
「儂がこのアーケルの領主、エダルと申す。此度はわざわざ帝都よりお越し頂き感謝申し上げる」
…………言葉の上では丁寧そうだけど、顔が全然嬉しそうにもありがたそうにも見えないのは気のせいだろうか。ところがそう思ったのはヤハルも同じだったようで、厳しい顔で一歩前に出て領主に何か言おうと口を開いた時、領主の後ろにいた痩せた男がパッと手を上げて言った。
「これはこれは慈雨の神子様。遠路はるばるよくぞお越し下されました。わたくしがこのアーケルの神殿長にございまする」
そういって両手を胸の前で交差して頭を下げた人は、同じ神殿長でも僕が召喚されたダーヒル神殿の神殿長さんとは似ても似つかぬ、嫌な目つきの小男だった。
この神殿の地下深くに降りていくと石造りの地下水路の一部があった。昔はそこに地下水脈から流れ込んだ水があり、毎日そこで汲んだ水でさまざまな祭祀を行っていたのだとナルド神官が教えてくれた。
でも今そこは完全に干上がっていて水はまったくなかった。
神殿には『黙想』という、神官たちが一人一人部屋に籠って祈りを捧げる日課があるそうだ。今からその時間だというナルド神官と別れて、僕はこの神殿のいわば一番メインの場所である階上へ向かった。
そこは外に大きく開けたバルコニーがあることと、その反対側の一番奥に大きな球体のモニュメントみたいなのがあるところが、僕が一番最初に落っこちてきたダーヒル神殿の『召喚の間』にそっくりだった。天井もやっぱりすごく高くて半球状になっている。
でもこのバルコニー……やっぱり南を向いてないな。
大体の時間と太陽の位置を見比べて考える。
ダーヒルの神殿ではバルコニーは真南を向いていて、神殿長さんが案内してくれた時も『我らアルダ教徒は太陽を拝む者。よって神殿は南を向いて建っておる』と言っていた。
「ねえ、ヤハル」
僕は一緒について来てるヤハルに聞いてみる。
「この神殿ってどっちの方角を向いてるかわかる?」
「方角でございますか。そうですね……昼の鐘三つの頃にあの位置に太陽がいるということは、大体南西から西南西といったところでしょうか」
「……だよね」
僕は先月、砂漠のオアシスで見たあの小さな聖廟を思い出す。あそこも確か同じような方向を向いていた。
南西っていうと……おおざっぱにいってダーヒル神殿領よりは南、エイレケの方角に近いってことかな。
僕は懐から一枚の地図を取り出す。それは以前ダーヒルの神殿長さんから貰った三国の地図からアル・ハダールのところだけを写し取ったものだ。
貰った三国全体の地図の原本は宮殿の自分の部屋に隠してある。なんとなく門外不出というか、何かいわくありげなことを神殿長さんが言っていたから、あまり無暗にひと目に触れさせない方がいいかと思ったからだ。
「ヤハル。この神殿ってどの辺りになるの?」
「帝都より東に十日……この辺りでございます」
「そうか。ありがとう」
僕は携帯用の羽根ペンを取り出してその地図に書き込んだ。
それにしても、と僕は改めて考える。
アル・ハダールの神殿の向きがダーヒルと違うというのは何か意味があるんだろうか。それより何より、このアーケルの地だけ水が戻っていないのはなぜなんだろう。
僕はバルコニーを離れて反対側の、何段も階段を上がったところにある球体を見に行く。ダーヒル神殿のものはもっと大きくて、それこそ僕では抱えきれないくらいの大きさで手が届かないくらい高いところに置かれていたけれど、ここは両腕に収まるくらいのものが腰高の台の上に設置されている。
なんとなく好奇心でその球体を覗き込んで、僕は思わず息を呑んだ。え、なにこれ。なんでできてるの、これ。
それはここよりもっと文明の発達した世界から来た僕でさえも不思議に思うようなものだった。見る角度によって分厚いガラスのようにも、また不透明な石のようにも見える。
しかも中に何かある。
そう思って僕は爪先立ちになってなんとか中をよく見ようとあちこち覗き込んで見て、また驚いた。
「え、これって……なんだったっけ」
鈍く光る金属のようないくつもの輪っかがいろんな角度で重なり組み合わさっている。
「うわ~~カッコいい……!」
知恵の輪とかこういうギミックのありそうな金属ってなんでこんなにオタ心をそそるんだろうか。思わずべったりと張りつくようにしてそれを見ていて気がついた。
そうだ、これってジャイロスコープに似てる。
昔、地元の科学館で見たジャイロスコープは三つくらいの輪がそれぞれ違う方向に回っていて、確か物の角度と加速度を調べるためのものだったような気が……あー、でもやっぱ詳しくは覚えてないや。
しかもこれ、この球体自体が動いてるわけじゃないから速度なんてないし、じゃあまったくの別物なんだろうか……。
「いや、それ以前にこんなものがこんな時代にあること自体がおかしいよね!?」
思わず声に出して言ってしまった。すると階段下からヤハルが言う。
「いかがなさいましたか!? 神子!」
「神子様!」
一緒に来ていた帝都の中央神殿のアスール神官も少し焦ったように呼んでいる。僕は慌てて二人に答えた。
「ご、ごめん! 大丈夫! それよりこっちに来て、これ見てくれない!?」
すると二人はピタッと口を閉じて静かに首を横に振った。
「その場所は我々が近づくわけには参りませぬ」
「え……っ」
ヤバイ。何かすごく神聖な場所とか御本尊……みたいな物だったのかな、コレ。驚いて僕がその球体から離れると、アスール神官は首を横に振った。
「ご案じ召されますな。ラハルの神子たる貴方様に禁忌はございませぬ」
「そ、そう……」
少しホッとしつつ、もう一度球体の中を覗き込んだ。
これ、ジャイロスコープじゃないならなんなんだろう? よく見ると水平な輪っかの表面に何か模様のような文字のようなものが見える。でも僕には読めなかった。
おかしいな。こっちの世界の文字は意識すれば読めるのに。じゃあこれはこの世界の文字じゃない……?
「……まさかね」
これ以上話が複雑になってはたまらない。なんて密かに思いつつ「あー、でもこれと一番の懸念の水問題は全然関係ないもんなー。ほんとどうしよう……水……」とため息をつきながら球体にぐったりともたれて額を押し付けた。
「…………あれ、今これ、動いた……?」
ほんのちょっとだけ球体がずれたような気がして顔を跳ね上げる。そしてもう一度球体に触れた両手に力を籠めると、確かに球体は少し動いた。
「あ、これ、球体が動くと中の輪っかも微妙にずれる……」
透明なようなそうでないような不思議な内部で、ふらふらと動いては重なったり離れたりしている四つの輪っかをじっと見て、僕はどの輪にも文字のような記号のようなものがあるのに気が付いた。
「……これ……記号みたいなのを合わせるといいのかな……」
どういう仕組みや法則かわからないが、球体を動かすと中の輪っかも微妙に動く。
気が付くと僕はそれこそ知恵の輪やパズルを解くように夢中になって球体をいろんな方向に回して中の輪っかの重なり具合を調整していった。
「そうか、水平の輪っかはどう動かしてもそのまんまで、左右に動かすとあの斜めのやつがずれて、上下に動かすとこっちの斜めのやつが逆回転するから……あ~~あとちょっと…………っ」
不意にカチッと何かが何かにぴったりと嵌ったような感覚を覚えた。すると突然完全に透明になった球体からレーザービームみたいな光が一直線に飛び出す。
「うぉッツ!?」
「神子よ! どうなさいました!?」
「神子様!?」
「だ、大丈夫!」
思わず呆然としながらも、なんとかさっきと同じ返事を返した。
な、なんだったんだ? 今のは。一瞬で消えてしまったけど、確かに光は向かいのバルコニーのど真ん中を射貫くみたいにまっすぐに伸びて、そして消えた。
「ね、ねえヤハル! 今の見た!?」
「は……、特に何も見てはおりませぬが……」
「何か異変でもございましたか、神子よ」
眉を顰めてアスール神官が尋ねる。
「……あ、いえ。なんでもないです」
なんとなく悪戯が見つかりそうになった子どものような気分になった僕は二人を誤魔化しつつコソコソと階段を降りた。
そして他の神官たちに見つかる前に自分の部屋へ戻ろうとした時、神殿の正面入り口から入ってきたやたらと派手なおじさんたちに声を掛けられてしまった。
「……これはこれは、貴方様が噂に名高い慈雨の神子殿でいらっしゃるか」
「え、あ、はい」
その人は結構豪華な毛皮の縁取りのついたマントを羽織り、随分と丁寧に手入れしているっぽい髭を生やした恰幅のいい中年の男だった。
すぐに僕の斜め前に立ったヤハルをちら、と見て、その人はやたらと尊大な様子で名を名乗る。
「儂がこのアーケルの領主、エダルと申す。此度はわざわざ帝都よりお越し頂き感謝申し上げる」
…………言葉の上では丁寧そうだけど、顔が全然嬉しそうにもありがたそうにも見えないのは気のせいだろうか。ところがそう思ったのはヤハルも同じだったようで、厳しい顔で一歩前に出て領主に何か言おうと口を開いた時、領主の後ろにいた痩せた男がパッと手を上げて言った。
「これはこれは慈雨の神子様。遠路はるばるよくぞお越し下されました。わたくしがこのアーケルの神殿長にございまする」
そういって両手を胸の前で交差して頭を下げた人は、同じ神殿長でも僕が召喚されたダーヒル神殿の神殿長さんとは似ても似つかぬ、嫌な目つきの小男だった。
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