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後日談やおまけなど
【お手紙お礼SS再録】6年後の三人のお話(完)
あれから六年経って、サイードさんはあまり変わらないけどダルガートはますます顔立ちも雰囲気も重厚さを増した。僕たち二人以外に対してはひどく無口で、たまに話す言葉は相変わらず慇懃無礼だ。
人によっては本当に近寄りがたさを感じるだろうけど、でも僕やサイードさんに対しては結構冗談を言ったりする。そういう彼を知っているのは僕たちだけだと思うとちょっと嬉しい。
あと意外なことにアルタワが彼を、サイードさんとは別の意味で尊敬しているらしい。
アルタワにとってサイードさんは辛抱強くて穏やかだけど厳しさもあるまさに父親のような人で、だから時々ちょっぴり反抗したくなるらしい。
彼にとってダルガートは誰よりも強くて、その剣の技をアルタワに教えてくれている人だ。サイードさんや僕と違って時々皮肉気なところがアルタワの目には格好良く映るらしい。
幼い頃から生き延びるためにひたすら鍛えられてきた身体。いつも容赦なく僕を押し潰す彼の重みを思い出して得体の知れない感覚がぞくぞくと背筋を這い上がる。
早くサイードさんとダルガートの、僕よりもずっと高い体温を余すことなく感じて何度でもイかされたい。
(ほんとうに、こんなの、ウソだろ、って、思うけど)
僕は忙しなく息を荒げながら自ら足を開いてダルガートにねだる。
(ほしい、ぎゅうぎゅう抱きしめられて、あのおっきな手で痛いくらい腰をつかまれて、いっぱい突かれてたくさん注いでほしい)
サイードさんが僕の身体を後ろから支えて抱き起す。ツンと尖った先端を指でこすられて爪先でカリカリと弄られる。ダルガートの力強い手のひらが僕の腿を掴んで開かせる。そして僕の股間に深々と顔を埋めて舌と唇で愛撫し始めた。
「や、あっ、やだ、くちじゃなくて」
ちがう、きもちいいけど、ゾクゾクしていやらしい声がもれて、びくびくふるえていやらしい汁いっぱいたらしてしまうけど。
でもいまほしいのはそれじゃない。あつくて、かたくて、ふとくて、ぼくをなかからあたためてくれるもの。
「あぅ、っんあ、ぁ、だめだめっ、いく……っ」
ダルガートだって本当は僕が久しぶりに彼のモノで貫かれたがっているとわかっているはずなのに、わざとねっとりと舌で虐めて、僕のモノを咥えてゆるゆると扱いてくる。
「やだ、ダルガート、おねが……っ」
彼を責める声に思わず涙が混じりかけた時、サイードさんが困ったように笑ってダルガートに言った。
「久々の交合で虐めたくなる気持ちはわかるが、このように泣かれてはさすがに心が痛むだろう?」
気持ちは分かるってどういう意味だ?
驚いて振り向くと、後ろからサイードさんが意味ありげな笑みをかすかに浮かべて僕を覗き込んでいた。そうだった。今の世界のサイードさんは時々こんな風になるんだった。
何か怖いことをされるんじゃないかとつい身構えてきゅっと手足に力を込めた時、サイードさんの左手が僕の股間に伸び、さっき彼が放った精液に濡れた後腔をくちくちと弄りだした。
「や……っ! あ、っひ、……ぅう……んっ」
するとダルガートも一緒に指を挿れてきて、二本の太く節くれだった指が勝手気ままに僕の中をぐちゅぐちゅと掻き回し始めた。
「あ、あっ、や、いやだぁ……っあ、は、……ひぅんッ」
「久しぶりゆえ、もっときついかと思ったが、サイード殿に存分に可愛がってもらえたようですな」
ダルガートが低く笑う。するとサイードさんがさっき散々こすられ圧迫されて充血した中のふくらみをやわやわと押し潰しながら頷く。
「これならダルガートのものもすべて受け入れられるだろうな。そうだろう? カイ」
「そ……っ、そんな、の……っ」
(だからって、そんな風に指で中をこねくり回されたら)
「あ、あー、んんっ、ぅ、ぅ、ん、ひぅ……っ」
いっそもっと強く強烈な一撃でイかせて欲しい。こんな風にわざと二人バラバラのリズムで弄られて、うまく呼吸も合わせられず達することもできず、気が狂いそうになる。
でもサイードさんもダルガートも、結局のところは僕に優しい。だからちゃんとして欲しいことを口に出して言えばしてくれるとわかっている。でもこの時は、本当にあまりにも久しぶりのセックスで、だから一方的に与えられる快感に完全にパニックになっていて、まともに話すことすらできなかった。
「ぁ、あっ……! 待って、お願い……だめ……これ……やだ……っ」
ついに子どもみたいに泣き出してしまった僕に、どうやら二人はぎょっとしたらしい。慌てたようにサイードさんが「すまない、カイ」と謝って指を抜き、僕の肩や胸や頬を撫でてなだめてくれる。
ダルガートも僕の手をとって口づけながら「いささか悪ふざけが過ぎましたな」と神妙な顔で謝ってきた。
サイードさんはともかく、ダルガートの「ごめんね」なんてあまりにも珍しすぎて思わず涙も引っ込む。バカみたいに泣いてしまった恥ずかしさを誤魔化したくて、わざと怒ったような声で二人に呟いた。
「……許してあげるから、はやく……して……っ」
するとダルガートがものすごく悪そうな笑みを口元に刻んだ。言った後で自分のセリフが単なるおねだりにしかなっていないことに気づいて思わず赤面する。すると後ろでサイードさんがとても愉快そうに笑った。
僕は腹に回されたサイードさんの片腕にしがみついてダルガートを見上げる。すると彼はいつの間にか完全に勃起していた男根をわざと僕に見せつけるように扱いて言った。
「ならば今すぐに」
つやつやとした亀頭が僕の後ろにあてがわれて、そしてぐぷり、と入って来る。思わずぐっと息を詰めたところでサイードさんに耳たぶを舐められて「ひうんっ」と鼻から声が漏れた。そこを狙いすましたように極太の熱の塊が肉壁を掻き分けて押し入ってくる。
それからはもうめちゃくちゃだった。
「ぁ、あん、あっ、やあ……これ、すご…っあぁ、あ、っ」
自分でも訳も分からず頭を振って、最奥をぐぷぐぷと突かれる衝撃をなんとか逃がそうとする。するといきなり抜かれて今度は後ろからサイードさんのモノに一気に貫かれる。
「あぁっ……ああぁ、あ、あ、きもち、……ぃい……っ、きもち、いい……っ」
結局交互に何度も中に出されて、だらだら精を零してる僕のモノを肉厚な手で扱かれて気が狂いそうになって、ダルガートに咥えてもらいながら僕もサイードさんのをしゃぶって、サイードさんので上顎のくすぐったいところをこすられながらダルガートにじっくりねっとりこね回された。
一体どれぐらい時間が経っただろうか、ついには精も根も尽き果ててぐったりと二人にもたれて息を吐く。そして疲れて勝手に閉じてしまう目蓋に優しく二人分の口づけが降って来るのを感じながら眠りに落ちた。
◇ ◇ ◇
「ただいま戻りました!」
アルタワが元気よくお母さんのところから戻ってきたのはそれから丸一日が経ってからのことだった。幸いそちらでも被害は少なく、アルタワはお母さんたちの住む幕家の補強を手伝い、行方不明になってしまった山羊を無事探し出し、彼の成長ぶりをたっぷりとお母さんに見て貰って帰ってきたようだった。
「母から差し入れのお礼に、と預かってきました」
そう言って渡されたのは丈夫そうで実用的な布と、鮮やかな色糸で刺繍がされた綺麗な布だった。料理や狩りの獲物を捌くことなどはかなり腕が上がったと思うし、簡単なつくろい物ぐらいならなんとかなるけれど、さすがに刺繍や織物は僕にはできない。ありがたく貰って長持の中にしまっておくことにする。
ところがアルタワはじっと僕の顔を見ていたかと思うと、急に眉をしかめて言った。
「……僕のいない間に三人で何かご馳走でも食べましたか?」
「は?」
「だって……なんだかそんなような顔をしています」
これには思わず絶句してしまった。
隣で馬具を磨いていたサイードさんはやっぱり困ったような顔で苦笑いをし、後ろのダルガートは手入れしていた剣に顔を伏せ、小刻みに肩を震わせていた。吹き出したいのを堪えているに違いない。
僕はなんとか真顔を保ちつつ「お腹空いてる? ご飯にしようか」と答えた。
おわり
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完結からかなり日が経っているのに読んで下さってありがとうございました。
またいつかこの三人のお話を書けたらな、と思います。
宣伝で申し訳ないですが【多腕蛇尾の人外アルファ×ずっとアルファだと思われてたオメガの人間】のお話を始めました。
嫌われ→友情→溺愛の予定です。
多腕マッチョ体格差攻めがお好きな方とぜひぜひお友達になりたいです!
『竜蛇のつがいと運命論。』
「著者近況」→「登録作品」から行けます
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