1 / 49
泡姫♂になりたい南くん。
しおりを挟む
「……今日の面接希望者って、え、お前?」
恐る恐るノックした店の事務所のドアから出てきた咥え煙草の大男にそう言われて、南は思わずぽかんと口を開けた。
(ス、スゴイ、虎の獣人だぁ……)
南は眼鏡越しにその虎を見上げて感嘆する。
住人のほとんどが獣人というこの街でもここまで大きくて見事な毛並みなのは、なかなかお目に掛かれないだろう。しかもその毛は南が今までに見たことのある茶色と黒ではなく白と黒。そして目だけが金色に光っている。
彼ほどがっしりと大きく逞しい身体をしていると、いかにも風俗店の店員らしい白いシャツと黒のベストを着ているだけでもやけに迫力がある。もし表の界限路辺りですれ違っていたら間違いなく黒幇の大哥か何かだと思っただろう。無造作にまくり上げた袖から覗く太い腕もいかにも強そうだった。
碁盤の目のようにきちんと整備された東の新都心側と違い、ここ旧市街は非常に雑然とした街だ。中でも円環城区と呼ばれている一帯は違法建築物や無許可の店舗が隙間なく並ぶスラムと化していて、特に風俗店が多く軒を連ねるこの通りを『五華路』という。
今、南がいるのはその五華路でも珍しい、客もスタッフも男性のいわゆるゲイ専のソープランドだ。
一世一代の決心の元、この店にアルバイトの面接を申し込みに来た南は、目の前に聳える虎の獣人の巨体に思わずごくり、と唾を飲み込んだ。
南とて普通の人間たちの中ではチビでも貧弱でもないし健康そのものだ。何せ家族も親戚もいない、ましてや貯金も財産もないこの世界で頼れるのは病気をしない頑丈な身体と、あまりにも非現実的な現在に悲観しない図太さだ。だから普段からきちんと食べて身体も鍛えるようにしている。けれど今南の目の前に立ちふさがる、金色の目をした虎の獣人に比べたらまるで大人と子どもだ。
そんな虎が唖然とした顔で南を見下ろしている。そりゃそうだ。この五華路にある店はほとんど全部が獣人向けで、当然スタッフだって獣人ばかりだろう。
例え同じゲイだったとしても獣人よりもはるかに弱いニンゲンで、しかも南のようなどう見てもカタギの一般人はお断りどころか難癖つけられて迷惑料と称して財布の有り金全部巻き上げられて通りに放り出されても文句は言えない。
それがこんな場末の風俗街のど真ん中に一体何をしに来たのか、とこの虎の獣人は呆れているのだ。そう思って息を詰まらせていると、目の前に聳える小山のような分厚い胸板の上から虎の獣人の野太い声が降ってきた。
「…………え、けどお前、ニンゲンだよな?」
「……そ……そうですが……あの、やっぱりダメですか? 五華路の入口の案内所に貼ってあった張り紙には、獣人のみとは書いてなかったけど……」
南がおっかなびっくりそう尋ねると、虎は白と黒の縞の頭をガシガシと掻いて言った。
「いや、だってまさかニンゲンがこんなとこに面接受けに来るとか思わねぇからな。ここは獣人のゲイ専の桑拿だぜ? ただでさえこの辺りは物騒だっつーのに、お前みたいなちっちゃいのがこんなとこに何しに来たんだよ」
「ちっちゃ……、何しにって……面接受けにですが」
「小さい」という言葉に思わずムッとしながらそう答えると、虎はため息を堪えるようにして言った。
「や、面接ってコレ、ソープ嬢のだぞ? 裏方とかそういうスタッフ今募集してねぇんだけど」
「ええ、ですからそのソープ嬢っていうの。それやりたいんです、俺」
「は……はぁあっ!?」
虎が目を剥いて大声を上げる。その拍子に彼が指に挟んでいた煙草の灰が床に落ちた。思わず南はそちらに気を取られる。
「あの、火、危ないですよ」
「そんなことはどうでもいい。ってか何言ってんだお前」
「お、俺ここで働きたいんです。あなたが店長さんですか? 面接してくれませんか?」
虎が呆れているのは顔を見ればわかる。だが南にだってそう簡単に引き下がれぬ理由があるのだ。
「あの、俺以前は水商売の裏方やってたんで、まったくの未経験じゃないと思います。履歴書も一応持ってきたました。だから面接だけでもお願いできませんか」
「…………マジなのかよ」
「マジです!」
虎はまたガシガシと頭を掻くと、仕方がないといった様子で身体を斜めにして南を事務所の中へと通してくれる。中には旧式の電話と煙草の吸い殻が山盛りになった灰皿、伝票や帳簿の類でいっぱいの事務机があり、その向かいには随分とくたびれた応接セットが置かれていた。虎は一人掛けのソファーにどっかりと腰を下ろすと顎で向かいの席を指す。
南が持ってきたリュックを抱え、目の前の虎のサイズに合わせてあるらしい大きな座面に腰を下ろすと、虎が困ったような顔をして言った。
「…………お前、なんか金に困ってんのか」
「えっ、あ、いえ、一応、他に正業には就いているので……。町工場で……製品の設計を」
「設計? そんな学があんのか? スゲェな」
そう言って獣人が驚く。
確かに獣人ばかりのこの国で圧倒的少数派の人間がまともな職に着けているということは、本人に確かな能力と実力があり、なおかつ獣人ともやっていける度胸があるという証拠だ。とはいえ、南がきちんとした仕事を得られたのは単に運が良かったのと周りに恵まれていたからに過ぎない。
南がこの『異世界』に飛ばされてきたのは今から一年ほど前だ。
元の世界では専門学校で機械設計などを学んだが生来の要領の悪さと不景気が祟って就職できず、キャバクラのボーイでなんとか生計を立てていた。
だがそこで南はキャバ嬢と客との痴情のもつれに巻き込まれ、客にナイフで刺されて多分、死んだ。そして気が付いたらこの五華路からほど近い、屋台の夕飯を目当てに大勢の獣人たちが行きかう円環街の道のど真ん中に倒れていた。
一体ここがどこなのか、自分が正気なのかもわからず、明らかに現代日本とは違う文字の並んだケバケバしいネオンとごちゃごちゃした猥雑な古い建物や屋台に囲まれたこの街で、倒れている自分を覗き込む熊や兎や猪や猿頭の獣人たちを目の当たりにした時はただただもう頭は真っ白で何も考えられなかった。
そんな中でたまたまいい獣人たちに出会い、助けられてなんとか生きてこれたのも本当に運が良かったからとしか思えない。そう説明しようと口を開きかけた時、虎が眉を顰めて言った。
「で、そんなインテリがなんでこんなヤクザな店に来てんだよ」
そう言ってギロリ、と南を睨みつけた。普通の人間ならそれだけで竦みあがって腰を抜かしてしまうだろう。だが南はその瞬間に虎の目がそれはそれは鮮やかに輝いたのを見て思わず息を呑んだ。
(……スゴイ……きれいな、金色だ……)
「おい、どうした」
「あ、はい! ええと」
しどろもどろになりながらも、南はいささかサイズが大きくてすぐ落ちてくる眼鏡を押し上げてなんとか口を開く。
「……あの、働きたいから、ってだけじゃダメですか。土日だけでいいんですけど」
「ダメに決まってんだろ。どこの会社だって志望動機くらい聞くだろうが」
そう言われるとぐうの音も出なかった。
(うーん、何と言えば雇って貰えるかな……)
冷静に考えようとするが、虎の金色の目にじっと見つめられて考えがまとまらない。
「どうしておめーはここで働きたいんだ」
再び問われて、南は覚悟を決めた。
「あ、あの」
「おう」
「………………お…………男に、抱かれたいから、……」
「………………は?」
これ以上ないくらい目をまんまるにして、大きな虎が固まった。
恐る恐るノックした店の事務所のドアから出てきた咥え煙草の大男にそう言われて、南は思わずぽかんと口を開けた。
(ス、スゴイ、虎の獣人だぁ……)
南は眼鏡越しにその虎を見上げて感嘆する。
住人のほとんどが獣人というこの街でもここまで大きくて見事な毛並みなのは、なかなかお目に掛かれないだろう。しかもその毛は南が今までに見たことのある茶色と黒ではなく白と黒。そして目だけが金色に光っている。
彼ほどがっしりと大きく逞しい身体をしていると、いかにも風俗店の店員らしい白いシャツと黒のベストを着ているだけでもやけに迫力がある。もし表の界限路辺りですれ違っていたら間違いなく黒幇の大哥か何かだと思っただろう。無造作にまくり上げた袖から覗く太い腕もいかにも強そうだった。
碁盤の目のようにきちんと整備された東の新都心側と違い、ここ旧市街は非常に雑然とした街だ。中でも円環城区と呼ばれている一帯は違法建築物や無許可の店舗が隙間なく並ぶスラムと化していて、特に風俗店が多く軒を連ねるこの通りを『五華路』という。
今、南がいるのはその五華路でも珍しい、客もスタッフも男性のいわゆるゲイ専のソープランドだ。
一世一代の決心の元、この店にアルバイトの面接を申し込みに来た南は、目の前に聳える虎の獣人の巨体に思わずごくり、と唾を飲み込んだ。
南とて普通の人間たちの中ではチビでも貧弱でもないし健康そのものだ。何せ家族も親戚もいない、ましてや貯金も財産もないこの世界で頼れるのは病気をしない頑丈な身体と、あまりにも非現実的な現在に悲観しない図太さだ。だから普段からきちんと食べて身体も鍛えるようにしている。けれど今南の目の前に立ちふさがる、金色の目をした虎の獣人に比べたらまるで大人と子どもだ。
そんな虎が唖然とした顔で南を見下ろしている。そりゃそうだ。この五華路にある店はほとんど全部が獣人向けで、当然スタッフだって獣人ばかりだろう。
例え同じゲイだったとしても獣人よりもはるかに弱いニンゲンで、しかも南のようなどう見てもカタギの一般人はお断りどころか難癖つけられて迷惑料と称して財布の有り金全部巻き上げられて通りに放り出されても文句は言えない。
それがこんな場末の風俗街のど真ん中に一体何をしに来たのか、とこの虎の獣人は呆れているのだ。そう思って息を詰まらせていると、目の前に聳える小山のような分厚い胸板の上から虎の獣人の野太い声が降ってきた。
「…………え、けどお前、ニンゲンだよな?」
「……そ……そうですが……あの、やっぱりダメですか? 五華路の入口の案内所に貼ってあった張り紙には、獣人のみとは書いてなかったけど……」
南がおっかなびっくりそう尋ねると、虎は白と黒の縞の頭をガシガシと掻いて言った。
「いや、だってまさかニンゲンがこんなとこに面接受けに来るとか思わねぇからな。ここは獣人のゲイ専の桑拿だぜ? ただでさえこの辺りは物騒だっつーのに、お前みたいなちっちゃいのがこんなとこに何しに来たんだよ」
「ちっちゃ……、何しにって……面接受けにですが」
「小さい」という言葉に思わずムッとしながらそう答えると、虎はため息を堪えるようにして言った。
「や、面接ってコレ、ソープ嬢のだぞ? 裏方とかそういうスタッフ今募集してねぇんだけど」
「ええ、ですからそのソープ嬢っていうの。それやりたいんです、俺」
「は……はぁあっ!?」
虎が目を剥いて大声を上げる。その拍子に彼が指に挟んでいた煙草の灰が床に落ちた。思わず南はそちらに気を取られる。
「あの、火、危ないですよ」
「そんなことはどうでもいい。ってか何言ってんだお前」
「お、俺ここで働きたいんです。あなたが店長さんですか? 面接してくれませんか?」
虎が呆れているのは顔を見ればわかる。だが南にだってそう簡単に引き下がれぬ理由があるのだ。
「あの、俺以前は水商売の裏方やってたんで、まったくの未経験じゃないと思います。履歴書も一応持ってきたました。だから面接だけでもお願いできませんか」
「…………マジなのかよ」
「マジです!」
虎はまたガシガシと頭を掻くと、仕方がないといった様子で身体を斜めにして南を事務所の中へと通してくれる。中には旧式の電話と煙草の吸い殻が山盛りになった灰皿、伝票や帳簿の類でいっぱいの事務机があり、その向かいには随分とくたびれた応接セットが置かれていた。虎は一人掛けのソファーにどっかりと腰を下ろすと顎で向かいの席を指す。
南が持ってきたリュックを抱え、目の前の虎のサイズに合わせてあるらしい大きな座面に腰を下ろすと、虎が困ったような顔をして言った。
「…………お前、なんか金に困ってんのか」
「えっ、あ、いえ、一応、他に正業には就いているので……。町工場で……製品の設計を」
「設計? そんな学があんのか? スゲェな」
そう言って獣人が驚く。
確かに獣人ばかりのこの国で圧倒的少数派の人間がまともな職に着けているということは、本人に確かな能力と実力があり、なおかつ獣人ともやっていける度胸があるという証拠だ。とはいえ、南がきちんとした仕事を得られたのは単に運が良かったのと周りに恵まれていたからに過ぎない。
南がこの『異世界』に飛ばされてきたのは今から一年ほど前だ。
元の世界では専門学校で機械設計などを学んだが生来の要領の悪さと不景気が祟って就職できず、キャバクラのボーイでなんとか生計を立てていた。
だがそこで南はキャバ嬢と客との痴情のもつれに巻き込まれ、客にナイフで刺されて多分、死んだ。そして気が付いたらこの五華路からほど近い、屋台の夕飯を目当てに大勢の獣人たちが行きかう円環街の道のど真ん中に倒れていた。
一体ここがどこなのか、自分が正気なのかもわからず、明らかに現代日本とは違う文字の並んだケバケバしいネオンとごちゃごちゃした猥雑な古い建物や屋台に囲まれたこの街で、倒れている自分を覗き込む熊や兎や猪や猿頭の獣人たちを目の当たりにした時はただただもう頭は真っ白で何も考えられなかった。
そんな中でたまたまいい獣人たちに出会い、助けられてなんとか生きてこれたのも本当に運が良かったからとしか思えない。そう説明しようと口を開きかけた時、虎が眉を顰めて言った。
「で、そんなインテリがなんでこんなヤクザな店に来てんだよ」
そう言ってギロリ、と南を睨みつけた。普通の人間ならそれだけで竦みあがって腰を抜かしてしまうだろう。だが南はその瞬間に虎の目がそれはそれは鮮やかに輝いたのを見て思わず息を呑んだ。
(……スゴイ……きれいな、金色だ……)
「おい、どうした」
「あ、はい! ええと」
しどろもどろになりながらも、南はいささかサイズが大きくてすぐ落ちてくる眼鏡を押し上げてなんとか口を開く。
「……あの、働きたいから、ってだけじゃダメですか。土日だけでいいんですけど」
「ダメに決まってんだろ。どこの会社だって志望動機くらい聞くだろうが」
そう言われるとぐうの音も出なかった。
(うーん、何と言えば雇って貰えるかな……)
冷静に考えようとするが、虎の金色の目にじっと見つめられて考えがまとまらない。
「どうしておめーはここで働きたいんだ」
再び問われて、南は覚悟を決めた。
「あ、あの」
「おう」
「………………お…………男に、抱かれたいから、……」
「………………は?」
これ以上ないくらい目をまんまるにして、大きな虎が固まった。
20
あなたにおすすめの小説
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
最強賢者のスローライフ 〜転生先は獣人だらけの辺境村でした〜
なの
BL
社畜として働き詰め、過労死した結城智也。次に目覚めたのは、獣人だらけの辺境村だった。
藁葺き屋根、素朴な食事、狼獣人のイケメンに介抱されて、気づけば賢者としてのチート能力まで付与済み!?
「静かに暮らしたいだけなんですけど!?」
……そんな願いも虚しく、井戸掘り、畑改良、魔法インフラ整備に巻き込まれていく。
スローライフ(のはず)なのに、なぜか労働が止まらない。
それでも、優しい獣人たちとの日々に、心が少しずつほどけていく……。
チート×獣耳×ほの甘BL。
転生先、意外と住み心地いいかもしれない。
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる