鋼鉄少女王 タイタンメイデン

鳳たかし

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第三話

第三話 光明院ケイはこういった その15

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所変わって此処は光明院女学院の一室。

「…………という事態を経て、タケシと精神を交換した私が神社で目覚め、君と対峙した時、
 光明院ケイ、と君の名を口にしたのは精神交換の影響で一瞬の記憶の混乱が生じ、
 タケシの知識の一部を『乙女分体の経験』として判断してしまった為だ」

「なるほど……あの時、神社で僕の名を呼んだのはそういう理由だったんだ」

ミニ・ガミオンによる説明が一通り終わると、光明院ケイは大きなため息をつき、静かにうなずいた。

只野家ぼくの家の前でケイくんの名を呼んだのは僕のうっかりだけどね」

タケシは頭をかいた後、ガミオンに変わり説明を付け足す。

「神社の後、龍ヶ森に向かった乙女ガミオンはそこで再び僕の精神を乙女分体に戻し、
 頭部のダメージにより本体の行動に支障があるガミオンの精神共々、分体を共有することになった。
 んで、乙女の体に戻った僕が元の自分の部屋に寄ったところをケイくんに目撃されトラブルになり、
 そして今に至る、という訳」

続くタケシの説明でケイは今回の顛末のすべてを理解した。

「タケシくん、ガミオンくん、丁寧な説明ありがとう。これですべての合点がいったよ」

「うむ。こちらこそ理解が早くて助かるよ、光明院ケイ」

テーブルの上のミニ・ガミオンがケイを見上げ頷く。

そんな中、難しいことは全部ケイに任せようと考え、会話を静観していた竜胆ルイが、
お茶を口に運びながらガミオンに問いかける。
 
「ま~、それは置いといてさ、ガミオンさん。
 ぶっちゃけ今までのこと、日本政府とかに説明していろいろと協力してもらったほうがよくない?」

「それはダメ!ダメダメ!」 

乙女タケシとミニ・ガミオンを押しのけ、キョーコが口をはさむ。

「何で?」

乙女タケシの体が宇宙人の技術で作られたものだなんて、政府にバレたら解剖されちゃうかもしんないし!」

「解剖!?それは穏やかじゃないね」

と、ケイの表情が厳しくなる。
タケシは慌ててキョーコに言った。

「ちょ、キョーコ!?バレたら即解剖とか、既定路線みたいな言い方しないで!?」

「そういう可能性もあるから注意したほうがいいってことでしょ!」

「ふ~ん……やっぱり、そういう可能性もあるのか」

考え込むルイにミニ・ガミオンが言う。

「解剖の可能性は別にしても、内密に済ませたい最も大きな理由は、
 私が不用意に人類と接触することは禁じられている、という事実がある」

「禁じられている、って誰に?」

「私が所属する機関の上層部だ。私は宇宙の秩序を守る機関に所属している」

「宇宙の秩序……ってまた話が大きくなってきたね。でもなんで禁じられてるの?」

「私との接触が人類の歴史に重大な変革をもたらす可能性があるからだ」

「だけど、もう人類に目撃されちゃってるよね。テレビとか、ネットとか、世界中それはもう大騒ぎだよ?」

「目撃されてしまった事は仕方ないだろう。
 だがこれ以上、私が人類社会と深く関われば、それは確実に人類の文明に大きな変革をもたらすことになる。
 そして、それは人類にとってプラスになることだけではない。
 なぜなら我々とかかわるには人類はあまりにも幼すぎるからだ」

一呼吸の間を置き、ガミオンが衝撃的で決定的な一言を付け加える。

「結果いかんによっては人類が滅びる可能性もある、という事も付け加えておこう」

ガミオンの言葉に息をのむ一同。
だがルイとケイはガミオンのいう事が理解できた。
なぜなら人類は今、ガミオンの、タイタンメイデンの存在を知った。
それだけで世界はこれほどまでに混乱しているのだから。

「……わかった、とりあえず秘密にしとく」

他言しないというルイの答えに乙女タケシはほっと胸をなでおろす。

ガミオンが最後に発した言葉の重さに、一同の間に流れる沈黙の時間。
するとキョーコが突然話題を変えて乙女タケシに話をふる。

「そういや、まだタケシに答えてもらってないことがあったよね?」

それは、この場の重い雰囲気を変えたいとのキョーコの気づかいでもあったのだが
乙女タケシは再び発せられたキョーコの質問にキョドってしまった。

「(質問が)こっち来た!?ななな、何でしょう、キョーコさん?」

「あんたさぁ、このケイって人とはどういう関係?いつの間にこんな美人のお嬢様と知り合ってたの?
 ケイくん、タケシくん、なんて親しげに呼び合ってたみたいだけど?」

先ほどの話題とは打って変わった話題をふるキョーコに乙女タケシは気まずそうに言葉を濁す。

「あー、それは……なんというか、プライバシーの問題とかありますのでノーコメント、という事で……」

「はぁ!?口には出せないような何か如何いかがわしい事があったってこと!?蜜月の日々ってそういうこと?!」

いきり立つキョーコがさらに詰め寄ると、乙女タケシはまたも慌ててしまう。

如何いかがわしいとはこれ如何いかに!?いやいやいや、そんな如何いかがわしい事なんてあるわけないし……」

慌てる乙女タケシをキョーコは冷めた目で見すえる。

「ふ~ん。まあ、いいや。アンタが誤魔化すならに聞くから」

「ちょ、キョーコ!そういったプライバシーの詮索は、ちょっとひかえようよ!」

「だから、なんでそこまで秘密にしたがるの!?
 これから仲間になる二人とアンタが出会ったきっかけとか知りたいだけじゃん!
 なのにアンタのその態度がますます怪しさを増長させてるの!」

むきになるキョーコに押され気味の乙女。
そんな二人のやり取りの間にケイが割り込む。

「いや、タケシくん、キョーコくんの言うことも一理ある」

そして立ち上がり、胸に手を当てて一呼吸置いた後に

皆の注目を集める中、光明院ケイはこういった。

「そう!我々はすでに運命共同体、これより同盟を結ぼうという関係だ。

 多少はお互いの事も知っておいたほうがいいだろう。メンバーの絆を深めるためにも!」

「ど、同盟」

「メンバー?」

「絆……」

「「「大げさだなぁ……」」」

まるで舞台の俳優のようなケイの立ち振る舞いにガミオン以外の全員がそう思うのだった。




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