鋼鉄少女王 タイタンメイデン

鳳たかし

文字の大きさ
47 / 64
第四話

ピュエラ・エクス・マキナ その11

しおりを挟む
 タオがニュートゥをベッドに押し倒すとマットレスが軋み、
柔らかな布団がふわりとやさしくニュートゥを受け止めた。

「さて、それじゃあ時間も出来たことだし、早速しよーぜ」

覆いかぶさるタオの笑顔を前にニュートゥは呆れてため息をつく。

「ふぅ……まったく、お前は本当に変わり者だな」

「はは、それは自覚してる」

タオはニュートゥの唇に自らの唇を軽く重ねた後、自慢げに言った。

「今のはキスってんだ。知ってっか?」

「たしか、お互いの唾液を交換、遺伝情報や健康状態を分析し、
 相手が生殖に適した状態か確かめる行為だったな」

「うぇ!?そ、そうなの?」

すらすらと答えるニュートゥの知識に逆に驚くタオ。

「メタリアの生物の情報だが、たぶん地球の人間にも当てはまるだろう」

「そ、そうなの……(そこまでは知らんかった……)」

タオは取り直し、自らの襟に巻いたネクタイをもどかし気に緩めると、
性急にニュートゥのワイシャツに手をかけ、そのボタンを片手で器用に外していく。
顕わになるニュートゥの白い肌。
タオはさらに飾り気のない白いブラジャーに手をかけると、ぶっきら棒に上にずらす。
ニュートゥの小ぶりな乳房がふるえて揺れ、
瑞々しいピンクの艶をした乳首が白い肌に彩を加え、その美しさを際立たせた。

次にタオは手のひらをニュートゥの胸に添えると、そのなだらかな形に逆らい、執拗にこねくり回す。
その表情はなぜか妙に得意げだ。

「どうよ?この俺様の指さばき。なんかこう『感じる』だろ?」

「いや……何ともないな」

タオの予想とは裏腹にニュートゥから帰って来たのは味気ない一言。
タイタンメイデンの分体『ピュエラ・エクス・マキナ』は人体を完璧に再現している。
それは性感に関しても例外ではないだろう。
しかしタオの愛撫にニュートゥは何も感じなかったのだ。
よっぽど予想外の答えだったのか、タオはきょとんとした表情を浮かべて言った。

「あっれ~?おっかしいなぁ~記録映像じゃあ、こうすると『キモチイイ』らしいんだけどな~?
 動かし方に順番とかあんのかな~?上下上下右左右左乳首乳首、とかかな?」

タオは取り合えず思いつくままに手を動かしてみる。
上へ、下へ、上へ、下へ、右へ、左へ、右へ、左へ、そして乳首を二度プッシュ。

「おし!これでどうよ」

「全然。まったく、微塵たりとも何ともないな」

「え~、どうなってんだよ~……」

タオがさらにニュートゥの胸を揉みしだく。
しかしそれはまるで粘土をこねる子供のように繊細さとは程遠い指使い。
相手に快感を与えることなど到底不可能であろう。
そしてまた、胸を揉まれ倒しているニュートゥもそれほど人間の生態に詳しいわけではない。
ゆえに何をどうすればいいかトンとわからない二人は
二進も三進もどうにもいかず、手詰まり状態になってしまう。
無言で暫し動きを止める二人の間に時間だけが過ぎていく。

「う~ん……」

さっきまでのテンションはどこにいったのか、落ち込むタオを見かねたニュートゥは
チラ見した映像を思い出しながらタオに提案する。

「ふむ、私が思うに、もっとこう優しく、なでるようにすると良いのではないだろうか?」

ジェスチャーで胸を撫でるしぐさをして見せるニュートゥ。
そんな初めての体験に四苦八苦する二人に向かってホムラがベッドの下から声をかけた。

「あの~」

しかし、その声は聞こえなかったのかのように、タオはニュートゥの胸を揉み続ける。

「こんな感じか?」

「まだりきみすぎだ。もっと優しく……そう、軽く……なでるように……」

ニュートゥのリードの下、タオは努めて優しく、胸の形に添って軽く触れるようにそっと撫でていく。

「あの~」

「ん……いいぞ……そんな感じだ」

「はいはいはいはい!こんな感じか~!なるほどねぇ。だんだんコツがつかめてきたぞ!」

コツをつかんだタオの手のひらが調子付き、ニュートゥのなだらかな腹部を滑り下腹部へと到達する。
細く長い指がニュートゥの白く飾り気のない下着に触れると、
タオは下着をゆっくりと下ろしながらその中へ指を差し込もうとした。
その時、

「あの~!」

何度も声を無視されていたホムラがひときわ大きな声量で声をかけると、
いいところで邪魔をされたタオがイラつきホムラを怒鳴りつける。

「んあぁ!?なんだよ!いいところなのに!」

タオに怒鳴られたホムラはひるみながらも反論する。

「ええ~……んなこと言われましてもぉ、何か発見があったら報告するようにと、言っていたのはあなた方~」

「なんだ?何かわかったのか?かまわん、報告しろ」

ニュートゥは覆いかぶさっているタオを押しのけてホムラをベッドの脇へと招き寄せる。

「ああん、もう、これからってとこだったのに~」

残念がるタオに目もくれずニュートゥはホムラの言葉を待つ。

「じつはですね、吾輩がSNSでつながってるフォロワーさんが気になる情報を呟いておりましてですね、
 えっと、今より大体3分前?さいたまの某所……朝日台ですな、
 で怪物体を目撃した~とかなんとかで画像が投稿されてたんであります」

その報告にニュートゥの眼光が鋭く光る。

「何故すぐに報告しない!」

声を荒げ、ホムラを問いただすニュートゥ。
しかしホムラは不服らしく、ぐちぐちと言い訳をする。

「ええ~……そんなこと言われましても~。
 二人して盛り上がってましたじゃぁあ~りませんか。
 ワタシ、馬にけられて死ぬのは嫌ですしおすし……」

「言い訳はいい、早くその画像を見せろ」

ニュートゥの一言にホムラの丸い体の一部が光を発すると空中に画像が表示される。
望遠で撮影したのであろう画像には鮮明ではないが学校の校舎に一部を遮られた巨大な物体が映っていた。

「ほらこれ」

「画像はこれだけか?」

「ええ、これ以降は、なんか朝日台の方で原因不明の局地的通信障害が発生してるらしくって、
 音沙汰無であります」

「情報を拡散さないための妨害工作、だろうな」

そのやり取りを見ていたタオが襟を正し、ベッドを降りながら言った。

「コイツはなんだ?生き残ってたドローンか?」

「いや、ビルトンもブラブーバもこんな型のドローンは持っていなかったはず。
 メガミオンも自らのドローンを所持してはいなかった。
 ということは、おそらく海底でメガミオンに奪われた従者であろう」

「にしては形が違うな?何故だ?」

「あれには変形機能があるからな。われらの目を欺くためか、もしくは何か必要に迫られてのものか……
 ホムラ!朝日台周辺の情報を!」

「待ってました!そういわれると思ってすでに調べたでござりまする!」

「良し!」

「それが撮られた場所は埼玉県神之宮市朝日台の朝日台中学校です」

「朝日台中学校?たしか宇宙船落下被害にあったところだったな」

「ですです!しかもですよ!ニュートゥ氏、私が調べましたところ、
 被災したこの学校の第三校舎の二階部分の教室は二年三組の教室だったのでありますが……」

一呼吸分の間を置いた後、ホムラが少々大げさに言いはなった。

「ななんとなんと!その生徒の中に「只野タケシ」という生徒がいたりしたりするんですよ!これが!」







しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

リボーン&リライフ

廣瀬純七
SF
性別を変えて過去に戻って人生をやり直す男の話

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...