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第六話
第六話 無限の形 その2
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自衛官らを無視し、田中サチエを調べようとしたニュートゥが、一瞬、視界の端に違和感を感じて動きを止める。
「?」
違和感の元を探ろうとニュートゥが周囲を見回すと、足元に二人の自衛官がいる事に気づく。
斧を振るう個体と、それに駆け寄る個体、それを見てニュートゥは呟いた。
「気のせいか……」
ニュートゥは何の意味もなさない無駄な行動をとる自衛官を哀れなものを見る目で一瞥すると、
再び田中サチエに目を向けた。
手にしたサチエをしらべる為に伸ばした舌の、別の生き物のように騒めき動くその先端が
サチエの柔らかな肌の表面を撫でようとした時、
「ニュートゥ!私はここだ!!」
突如、叫び声と共にニュートゥの目の前、鼻先数メートルの距離に一人の自衛官が飛び込んで来た。
「なに!?」
人の力を超えた跳躍力で自分とサチエの間に割って入ったのは自衛官『古山サトル』
その姿を確認した瞬間、ニュートゥはすべてを悟る。
「貴様がメガミオンか!」
ニュートゥは叫び声を上げながら、サチエをつまんでいた指を放して両の手でサトルに掴みかかった。
支えを失ったサチエは悲鳴を上げ、当然のように落下していく。
「キャーーーーーーー!!」
サトルに迫るニュートゥの手。
落ちゆくサチエを見るサトル。
風を切る轟音を上げながら迫るニュートゥの手がサトルの体に届こうとした時、
サトルは右手の平をニュートゥへと翳した。
瞬間、翳した手のひらを中心に亀裂が走り、放射状にスライドする。
そして中央から筒状のパーツがせり出すと、そこから白く輝く閃光が放たれた。
鼻垂れた閃光はニュートゥの左目に命中し、轟音を上げ激しい爆発を起こすと、
巻き上がった爆炎とほとばしる電光がニュートゥの顔を覆う。
「ぐおお!?」
うめき声を発するニュートゥ。
射撃の反動を利用し、加速をつけた古山サトルはいち早く地面に着地した後、
上空から落下してきた田中サチエをやさしく抱えるようにして受け止める。
それらの行動はニュートゥの足元にいる古山サトル自衛官が息をのむ間に行われた、まさに一瞬の出来事であった。
「なんだ!?なんで俺がもうひとりいるんだ!?」
田中サチエを抱えた古山サトルに混乱する古山サトル自衛官に、古山サトルがサチエを渡して言った。
「早く!彼女を連れて逃げて!」
古山サトル自衛官が呆然としている間にも、
ニュートゥは頭を振って気を取り直すと、腰をかがめ古山サトルに掴みかかった。
「おのれ!メガミオン!逃さんぞ!」
迫るニュートゥの手を避け、後ろに飛びのいた古山サトルの姿が徐々にぼやけていくと、
やがて体のラインも顕わなコスチュームを着た少女の姿に変わっていく。
そう、突如現れたもう一人の古山サトル、その正体はガミオンの分体『武石乙女』
だが何故乙女が古山サトルの姿をしていたのだろうか?
その経緯はこうである。
乙女がニュートゥに接近する機会をうかがっていた時、古山サトル自衛官がニュートゥに立ち向かっていくのを目撃した乙女は、自らが自衛官に擬態することを思いつく。
乙女は古山サトルに接触した時に採取したデータを元に、
自身の周囲にサトルを模した特殊なホログラフィーを形成展開すると、ニュートゥに接近して、その隙をついた、
という訳であった。
加えてニュートゥに斧で立ち向かうという古山自衛官の行動は一見無意味な行動であったが、
その勇気ある行動が結果としてニュートゥに隙を作り、乙女によるサチエ救出に繋がったことは確かな事実であったといえるだろう。
「き、君はさっきの!?」
驚く古山自衛官に乙女が有無を言わせず畳み掛ける。
「細かいことはいいから!とにかく、この場をはなれるんだ!」
乙女は叫ぶと古山自衛官とは逆方向に走りだす。
当然ニュートゥもその後を追いながら手を伸ばすが乙女はそれをのらりくらりと躱していく。
「往生際が悪いぞ!メガミオン!」
ニュートゥの肩装甲から生えた触手が周囲に伸びる。
それらも避けるために空高くジャンプした乙女の体が宙に舞う。
「よし!」
それを待っていたかのように叫んだニュートゥの背中や脇の下、腹部といった場所の装甲が一部外れ、
無数の触腕が展開した。
大小さまざまな大きさの触腕を蠢かせるニュートゥ。
その姿は百の腕を持つという神話の巨人『ヘカトンケイル』を豊富とさせる。
「もはや逃げ切れると思うなよ!」
叫びと共に繰り出された無数の腕が、四方八方から乙女へと迫っていった。
「?」
違和感の元を探ろうとニュートゥが周囲を見回すと、足元に二人の自衛官がいる事に気づく。
斧を振るう個体と、それに駆け寄る個体、それを見てニュートゥは呟いた。
「気のせいか……」
ニュートゥは何の意味もなさない無駄な行動をとる自衛官を哀れなものを見る目で一瞥すると、
再び田中サチエに目を向けた。
手にしたサチエをしらべる為に伸ばした舌の、別の生き物のように騒めき動くその先端が
サチエの柔らかな肌の表面を撫でようとした時、
「ニュートゥ!私はここだ!!」
突如、叫び声と共にニュートゥの目の前、鼻先数メートルの距離に一人の自衛官が飛び込んで来た。
「なに!?」
人の力を超えた跳躍力で自分とサチエの間に割って入ったのは自衛官『古山サトル』
その姿を確認した瞬間、ニュートゥはすべてを悟る。
「貴様がメガミオンか!」
ニュートゥは叫び声を上げながら、サチエをつまんでいた指を放して両の手でサトルに掴みかかった。
支えを失ったサチエは悲鳴を上げ、当然のように落下していく。
「キャーーーーーーー!!」
サトルに迫るニュートゥの手。
落ちゆくサチエを見るサトル。
風を切る轟音を上げながら迫るニュートゥの手がサトルの体に届こうとした時、
サトルは右手の平をニュートゥへと翳した。
瞬間、翳した手のひらを中心に亀裂が走り、放射状にスライドする。
そして中央から筒状のパーツがせり出すと、そこから白く輝く閃光が放たれた。
鼻垂れた閃光はニュートゥの左目に命中し、轟音を上げ激しい爆発を起こすと、
巻き上がった爆炎とほとばしる電光がニュートゥの顔を覆う。
「ぐおお!?」
うめき声を発するニュートゥ。
射撃の反動を利用し、加速をつけた古山サトルはいち早く地面に着地した後、
上空から落下してきた田中サチエをやさしく抱えるようにして受け止める。
それらの行動はニュートゥの足元にいる古山サトル自衛官が息をのむ間に行われた、まさに一瞬の出来事であった。
「なんだ!?なんで俺がもうひとりいるんだ!?」
田中サチエを抱えた古山サトルに混乱する古山サトル自衛官に、古山サトルがサチエを渡して言った。
「早く!彼女を連れて逃げて!」
古山サトル自衛官が呆然としている間にも、
ニュートゥは頭を振って気を取り直すと、腰をかがめ古山サトルに掴みかかった。
「おのれ!メガミオン!逃さんぞ!」
迫るニュートゥの手を避け、後ろに飛びのいた古山サトルの姿が徐々にぼやけていくと、
やがて体のラインも顕わなコスチュームを着た少女の姿に変わっていく。
そう、突如現れたもう一人の古山サトル、その正体はガミオンの分体『武石乙女』
だが何故乙女が古山サトルの姿をしていたのだろうか?
その経緯はこうである。
乙女がニュートゥに接近する機会をうかがっていた時、古山サトル自衛官がニュートゥに立ち向かっていくのを目撃した乙女は、自らが自衛官に擬態することを思いつく。
乙女は古山サトルに接触した時に採取したデータを元に、
自身の周囲にサトルを模した特殊なホログラフィーを形成展開すると、ニュートゥに接近して、その隙をついた、
という訳であった。
加えてニュートゥに斧で立ち向かうという古山自衛官の行動は一見無意味な行動であったが、
その勇気ある行動が結果としてニュートゥに隙を作り、乙女によるサチエ救出に繋がったことは確かな事実であったといえるだろう。
「き、君はさっきの!?」
驚く古山自衛官に乙女が有無を言わせず畳み掛ける。
「細かいことはいいから!とにかく、この場をはなれるんだ!」
乙女は叫ぶと古山自衛官とは逆方向に走りだす。
当然ニュートゥもその後を追いながら手を伸ばすが乙女はそれをのらりくらりと躱していく。
「往生際が悪いぞ!メガミオン!」
ニュートゥの肩装甲から生えた触手が周囲に伸びる。
それらも避けるために空高くジャンプした乙女の体が宙に舞う。
「よし!」
それを待っていたかのように叫んだニュートゥの背中や脇の下、腹部といった場所の装甲が一部外れ、
無数の触腕が展開した。
大小さまざまな大きさの触腕を蠢かせるニュートゥ。
その姿は百の腕を持つという神話の巨人『ヘカトンケイル』を豊富とさせる。
「もはや逃げ切れると思うなよ!」
叫びと共に繰り出された無数の腕が、四方八方から乙女へと迫っていった。
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