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レヴェント編
113.異世界の空も青い
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王都ルフィスを出る。
この世界に来てから初めての外の世界は広大だ、だがこの世界でも澄み渡る空の青は変わらない。地面に広がる緑も清々しくて、日本の市街地では決してみられない世界が広がっていた。
毎度思うが、世界を渡る度、同じ筈の光景が妙に美しく見える。
空も大地も、他の世界で飽きるほど見た筈なのに違う世界へ往くと、全く違うモノに、新鮮に感じる。見れば見るほど、世界は広大に莫大に存在する可能性の集積物だと理解した。
「うん。空気がおいしい」
深呼吸。廃棄ガスだらけの現代と違って、自然が多いこの世界は街の中でもそうだが、肺に入る空気が綺麗だ。
そう考えると近代化も良いのか悪いのか分からなくなる。文明の発展は総じて自然の領域を侵し、〝星〟という生命を削る。
まあだが所詮、〝星〟という莫大な存在にとっては微々たる問題なのかもしれない。〝星〟からすれば人間など、自身の外殻の上で騒ぐ微生物、取るに足らぬ存在だ。
人間だって微生物が攻撃してきても、攻撃をされているとすら認識しない。
そもそも微生物が人間という存在を敵として認識できないし、しない。同様に人もまた星を敵として認識はしないし、できない。
星を守ろうとよく人は言うが、それは間違っている。
彼らは星を守りたいのではなく、自分達が住みやすい環境を守りたいのだ。星からすれば外殻環境が多少変化しようが何ら問題はない、環境の変化で苦しむのは在来生命だけなのだから。
自分善がりで莫迦らしい、実に人間……フッ、そう言う俺もまた――人間、か。
「ケイヤ、なにボケッとしてる。行くぞ」
見渡す世界の大きさに浸っていると、前を歩いていたアリシアにそう呼ばれた。
「ああ、わかった」
そう言って俺は彼女達の元へ向かった。
「どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
「その割に少し嬉しそうじゃなかったか?」
「そう見えた?」
「ああ」
キッパリそう言い切られ、続発する言葉が止まる。
なんだろ……アリシアって思った以上に俺への理解度が高いような気がする。
んーと唸りながら頭を掻く。
まあ、単に俺が思ったことが顔に出やすいってのもあるだろうが、それでも察しが良さ過ぎないか? 過去に会ったことありますか? ってレベルなんだけど……。
そんなことを思いながら、先頭のドリアたちに付いて行った。
この世界に来てから初めての外の世界は広大だ、だがこの世界でも澄み渡る空の青は変わらない。地面に広がる緑も清々しくて、日本の市街地では決してみられない世界が広がっていた。
毎度思うが、世界を渡る度、同じ筈の光景が妙に美しく見える。
空も大地も、他の世界で飽きるほど見た筈なのに違う世界へ往くと、全く違うモノに、新鮮に感じる。見れば見るほど、世界は広大に莫大に存在する可能性の集積物だと理解した。
「うん。空気がおいしい」
深呼吸。廃棄ガスだらけの現代と違って、自然が多いこの世界は街の中でもそうだが、肺に入る空気が綺麗だ。
そう考えると近代化も良いのか悪いのか分からなくなる。文明の発展は総じて自然の領域を侵し、〝星〟という生命を削る。
まあだが所詮、〝星〟という莫大な存在にとっては微々たる問題なのかもしれない。〝星〟からすれば人間など、自身の外殻の上で騒ぐ微生物、取るに足らぬ存在だ。
人間だって微生物が攻撃してきても、攻撃をされているとすら認識しない。
そもそも微生物が人間という存在を敵として認識できないし、しない。同様に人もまた星を敵として認識はしないし、できない。
星を守ろうとよく人は言うが、それは間違っている。
彼らは星を守りたいのではなく、自分達が住みやすい環境を守りたいのだ。星からすれば外殻環境が多少変化しようが何ら問題はない、環境の変化で苦しむのは在来生命だけなのだから。
自分善がりで莫迦らしい、実に人間……フッ、そう言う俺もまた――人間、か。
「ケイヤ、なにボケッとしてる。行くぞ」
見渡す世界の大きさに浸っていると、前を歩いていたアリシアにそう呼ばれた。
「ああ、わかった」
そう言って俺は彼女達の元へ向かった。
「どうかしたのか?」
「いや、何でもない」
「その割に少し嬉しそうじゃなかったか?」
「そう見えた?」
「ああ」
キッパリそう言い切られ、続発する言葉が止まる。
なんだろ……アリシアって思った以上に俺への理解度が高いような気がする。
んーと唸りながら頭を掻く。
まあ、単に俺が思ったことが顔に出やすいってのもあるだろうが、それでも察しが良さ過ぎないか? 過去に会ったことありますか? ってレベルなんだけど……。
そんなことを思いながら、先頭のドリアたちに付いて行った。
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