異世界転移はペットを連れて☆チートな守護者の異世界ライフ

亜々流

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第六章 家族で異世界転移した日本人との出会い

5、一触即発?! プリン堂の包囲網~危険なレシピ

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 プリン堂は、行列の出来るスイーツ店だった……。二つ目の鐘が鳴ると、直ぐに人が増えて40人を超えていた。
 プリンとケーキを一日交代でに売り出す。限定200個一人5個迄であり、すでに買えない人が出ていそうだ。

 売り子さんは、若いモニカさんと30~40歳くらいのドリスさんバーサさんの女性三人に、花織さんと花音ちゃんが加わる。
 和弘さんは、見ているだけのようだ。ボク達も見物を決め込む。

 売り子の女性の一人モニカさんが、先に購入数を聞いてカウントして、買えない人にそのことを伝える。
 販売を始めると、1時間かからずに売り終わった。

「今日も売り切れるの早いですね」

 花織さんに、モニカさんが言うとドリスさんとバーサさんもニコニコして話し出す。

「ええ本当に、これで一日分の日当をもらえるなんてねぇ」
「店長もっと作ってくれれば、どんどん売りますよ」

「仕入れと、加工が追いつかなくてね……これ以上作るわけにも行かないんだ」
「加工に魔力を使いますものねぇ」

 空野家の夫婦が答える。

「お手伝いできる事があったら、何でも言ってくださいね」

「ええ、ありがとうモニカ」

 にこやかに会話が続くのだが……。

『カイト~』『なんか、こわい~』
『『『この人たち、変だよ~』』』

 ぽち、たま、うさ子のセンサーが笑顔の影に何かを感じていた。

 何事もなく、別に取り置きしてあるケーキで一服して、プリン堂のお仕事は終了になる。

『『『お疲れ様でした』』』

 無事に三人の売り子さんが帰っていった。



「……内門の中の貴族の使いで、買いに来ている者も多そうですね」

「プリンもケーキも美味しすぎます。貴族でも口にした事は無かった味でしょうね」

 ブランカさんが言うと、マリアさんも頷いて答える。
 先ほどのモニカさんへの答えがウソだと知っているボクは聞いてみた。

「すごく流行っているんですね。もっと沢山作らないんですか?」

「儲け過ぎてもね……薄利多売して労働時間を増やしたくもない。それにカイト君、僕は異世界で手品師になったのだよ?」

「……?」

「働きたくないでござる! 出来るだけ~働きたくないでござる! 甘いもの店は、手品師の仕事じゃないでござる」

 ダ、ダメな大人だ……この人。
 花織さんが呆れた顔をして、花音ちゃんがため息をついていた。



「売り子の女性3人は、レシピとか狙ってませんか?」

 ボクは、気になっていることを聞いてみた。

「何度も料理スキルが特殊で、普通では作れないって言ってあるんだけどね……」

「諦めてないっぽいですよ」

 空野家一同、頷いている。あの三人がレシピに興味があるのは承知してたみたいだ。

「三人とも商人ギルドの紹介で、身元は確かなんだけどね」
「モニカさんなんか、マリアクア商人ギルド支部長の娘さんなんですよ」

「……ギルド長の娘ですか?」
「普通、やりませんね。流行の店とはいえ、ギルド長の娘が売り子の仕事なんて」

 空野夫婦の言葉に、ブランカさんマリアさんが応じる。日本と違って、この世界のそこそこお金持ちの娘は、アルバイトなんてしないようだ。

「商業ギルドに冒険者ギルド……他にも町には適当にお金を落として、恨まれない様には考えていたんですがねぇ~」

 色々考えて地域に根を張っていたらしい。ダメな人かと思っていたが、ちゃんとした大人だった。

「そうそう私が、近所づきあいは大切だって言い聞かせてきましたから……」

 ……花織さんが。

「私の料理スキルが特殊で、それが必要と言うのも、予防線として話しておく事に決めてたんです」

「僕が料理のスキルを使って、スキルの特殊性を教えてあげたんだよ。催眠術じゃなく魔法だけど、辛いものが甘くなるとか……やってみたかったんだよね~」

「えっでも、その特殊な料理スキルを家族で使えるって、割りと楽に習得可能だって思われてませんか?」

 やはり余計な行動だったらしく、和弘さんをみる花織さん花音ちゃんの目が冷たい。

「モニカさんは、お兄ちゃん狙いだったかも?」

「結婚して身内に取り込む……まあ、平和的な手段ですね」

 花音ちゃんが、お父さんに助け舟を出してあげる。マリアさんの言葉に一同頷いている。あとの二人はどうなのだろうか……。


 翌日、ボク達はドリスさんの後をつけた。遠くから、家の中にいるドリスさんの会話を、うさ子の聴覚で拾っていく。

「はぁ~っ、出来ないねぇ。材料はこれで良いハズなんだけどねぇ」

「やっぱり、特殊な料理スキルとやらが必要なんじゃないか?」

「……悔しいねぇ、これが出来れば二人で大金持ちになれるのに」

「ドリスは、料理スキル持っているのにな。覚えられないのか?」

「う~ん、近くに居て何とか覚えてやろうって気を張り詰めてるんだけどねぇ」

「スキルは、簡単に覚えられるものじゃないからなぁ。でも、ドリスならきっと出来る、頑張れ」

 激しく抱き合って、服を脱ぐ音、昼間から……。

 ウェ~聞きたくない、うさ子ストップ! ドリスさんは、問題ないようだった。


 その次の日、キャリーバックにぽち、たま、うさ子を背負いボクは、バーサさんの後をつけた。
 そして平民だった筈のバーサさんは、貴族や兵士達の家がある内門の中に消えていった。

 そのまま内門の外の道を北に歩きながら、せめて会話を拾えないかと、うさ子に音を追わせていく。

『カイト誰か来る』『さんにん~』
『くる~』

 内門から20分ほど北に来たところで、三人の男が出てきた。……ん、若い?
 彼らの方を見て、訝しげに首をひねって無言で問いかける。

「おまえかっ! 最近、花音にくっついてるよそ者は!」
「花音はオレ達のパーティに入るんだからな!」
「ちょっかい出してんじゃね~ッ!」


 ボクは緊張が解けて、思わず呟いた……。

「はぁ~、別口かよ」

『花音もくる~』『あと5分くらい~』
『カイト、もてもて~?』

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