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第七章 ダンジョンには女神様が待っている
5、空野和也という男☆合流とダンジョン包囲網
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☆☆☆
冒険者ギルドに所属する空野和也のジョブは、冒険者である。
この世界では、一般的なジョブである。
だが彼以外の家族ジョブは、普通ではない。父は手品師で、母は専業主婦、妹は家事手伝いである。
そして、家族は皆チートなジョブだったのだ。
スキルには、ジョブに由来すると言われているスキルがある。
手品師ではアイテムボックスと幻影魔法。専業主婦では、内助の功という他者には習得不可能なスキル。そして料理、裁縫、掃除がジョブに由来していた。
家事手伝いは、ジョブ由来のスキルこそないが、家族のスキルを覚え易くなるチートジョブ。
自分のジョブは普通だ……。それが、ずっとコンプレックスだった。
空野家は、母のスキル内助の功の影響でスキルを覚え易い。
和也も家族の持つアイテムボックス、幻影魔法、料理、裁縫、掃除のスキルを覚える事が出来た。
自分は家族の中で、何の役にも立っていないのではないか?
そんな悩みを抱えながら、この世界で成人とされる15歳になった。
そして冒険者ギルドに入り、冒険者として活動を始めた時に何かが変わった気がした。
剣術などの戦闘系スキルなら家族の中でも和也はかなり強い。
強さを求め、スキルの成長でそれを得られると自信をつけていった。余裕を持つと家族の姿が見えてきた。
父は、この世界を警戒していた。自分達家族は、異世界の日本から来た異邦人であり。そのこと自体が危険に巻き込まれる原因になりうる……。
和也と花音は、常に両親に守られていた。そして和也はこう思った。……俺が守る側になる。
少年は、男になろうとしていた。
その為に彼は強くなる方法を求めダンジョンでのレベル上げを決意した。
両親にバレる事は分かっていた。
一時的に高位冒険者のパーティーに加えてもらい、ダンジョンを目指して町を出た。
これで、心配はしても不安になる事は無いだろう。
便利なスキルを持つ和也は、そのままパーティーに誘われるが断った。
彼らと一緒では、安全ではあるが、自分のレベルアップには成らないと和也は思ったのだ。
セーフティゾーンで休憩と宿泊をしながら、ダンジョンに挑み続けた。食料はアイテムボックスに充分にある。
2日目の夕方頃には地下23階に達した。中級者レベルの階層であり、難なく此処までこられた事に気を良くしていた。
その日は、25階のセーフティゾーンで宿泊する予定だった。
ゴーレムを相手に剣を振るっていると聞きなれた声が聞こえる。
「「和也~!」」
「おに~ちゃん!」
「な、なんだ? なんで父さん母さん、花音がいるんだ」
☆☆☆
和也君が混乱していた。それでもしっかりと、ゴーレムに止めを刺して、こちらを見ている。
「こんにちは、日本から来た山本海斗です。こちらは、ブランカさんマリアさん。ぽちと、たま、うさ子です」
においを追跡してきた、ぽちと、和也君を見ようと外に出ていた、たま、うさ子も紹介する。三匹が声に合せて挨拶すると、警戒心を一気にとろけさせた。
「ぽち、たま、うさ子……犬と猫とうさぎ? 日本~」
「はい、だいたい十年間隔で起きる事故? で来ました」
「ああ……それで?」
和弘さんが首を振り否定する。
「それは違う。マリアクアのプリン堂は、店仕舞いした」
「……?」
「……性質の悪い貴族に目を付けられた。第六王家の領地を出ようと思う」
「分かった」
「何で? 何でお兄ちゃん一人なの? パーティーの人は?」
花音ちゃんが、緊張感を一気に崩すように声をかける。
面倒くさそうに和也君が最初から一人でダンジョンに入ったことを教えると、花織さんが過保護っぷりを発揮して和也君をせめる……。
そんな家族団欒がしばらく続いた。
ボクと、ブランカさんマリアさんは、ぽち、たま、うさ子と、もふもふ空間に逃げ込む。
なにやら、ダメージの深そうな者がいる……。
時計を見るとすでに夕刻を過ぎていた。ボク達は20階にもどり、ダンジョンで一泊する事にした。
和也君も美味しいものを食べて、モフモフすれば元気になれるだろう。
☆☆☆
マリアクアの伯爵邸の中、一通の手紙を手に伯爵が不機嫌になっている。
カイト達がマリアクアを出て一日、早くも伯爵はプリン堂の家人の不在を突き止めていた。
商業ギルドで、急いで広めたレシピが事もあろうに伯爵の手の者にも渡ってしまったのだ。
だが、同時にレシピの情報が伯爵の手を離れ広まりつつある事も知る事になる。
「くそう、もはや独占は出来ぬのか……」
レシピの書いてある手紙を見ながら、伯爵が呟く。と、片隅に控えていたバーサが口をだす。
「伯爵様! レシピはいくつ御座いましたでしょうか?」
「プリンとケーキの二つに決まっているだろう!」
「……まだ、ある筈でございます。プリン堂はもっと多くのレシピを秘匿していた筈でございます」
伯爵は、まだ知らぬ味を思いゴクリと喉を鳴らす……。
「よし、プリン堂の者を捕らえよ!
……奴らは、ダンジョンにいる息子の所へ向かった筈だ」
「はっ、罪状はいかがいたしましょう」
家令の言葉に伯爵が少し考える。と……ニヤリと笑う。
「……昨日報告にあった新種の街道モンスターだ。アレに、プリン堂は関わっていることにする。それで、他の町の増援も期待できるぞ」
「はっ、緊急に手配をかけます」
「絶対に逃がすな! アレは、美味い上に金にもなる」
「金さえあれば、後からどうとでも取り繕える。モンスターも、良い時に出てきてくれたものだ」
伯爵は無実の罪を着せたつもりだが、たまたま真実を言い当てていた。
捕まれば、空野家の者はタダではすまないだろう。
そして、ダンジョンの町に向かい兵が集まりだす事になる。
冒険者ギルドに所属する空野和也のジョブは、冒険者である。
この世界では、一般的なジョブである。
だが彼以外の家族ジョブは、普通ではない。父は手品師で、母は専業主婦、妹は家事手伝いである。
そして、家族は皆チートなジョブだったのだ。
スキルには、ジョブに由来すると言われているスキルがある。
手品師ではアイテムボックスと幻影魔法。専業主婦では、内助の功という他者には習得不可能なスキル。そして料理、裁縫、掃除がジョブに由来していた。
家事手伝いは、ジョブ由来のスキルこそないが、家族のスキルを覚え易くなるチートジョブ。
自分のジョブは普通だ……。それが、ずっとコンプレックスだった。
空野家は、母のスキル内助の功の影響でスキルを覚え易い。
和也も家族の持つアイテムボックス、幻影魔法、料理、裁縫、掃除のスキルを覚える事が出来た。
自分は家族の中で、何の役にも立っていないのではないか?
そんな悩みを抱えながら、この世界で成人とされる15歳になった。
そして冒険者ギルドに入り、冒険者として活動を始めた時に何かが変わった気がした。
剣術などの戦闘系スキルなら家族の中でも和也はかなり強い。
強さを求め、スキルの成長でそれを得られると自信をつけていった。余裕を持つと家族の姿が見えてきた。
父は、この世界を警戒していた。自分達家族は、異世界の日本から来た異邦人であり。そのこと自体が危険に巻き込まれる原因になりうる……。
和也と花音は、常に両親に守られていた。そして和也はこう思った。……俺が守る側になる。
少年は、男になろうとしていた。
その為に彼は強くなる方法を求めダンジョンでのレベル上げを決意した。
両親にバレる事は分かっていた。
一時的に高位冒険者のパーティーに加えてもらい、ダンジョンを目指して町を出た。
これで、心配はしても不安になる事は無いだろう。
便利なスキルを持つ和也は、そのままパーティーに誘われるが断った。
彼らと一緒では、安全ではあるが、自分のレベルアップには成らないと和也は思ったのだ。
セーフティゾーンで休憩と宿泊をしながら、ダンジョンに挑み続けた。食料はアイテムボックスに充分にある。
2日目の夕方頃には地下23階に達した。中級者レベルの階層であり、難なく此処までこられた事に気を良くしていた。
その日は、25階のセーフティゾーンで宿泊する予定だった。
ゴーレムを相手に剣を振るっていると聞きなれた声が聞こえる。
「「和也~!」」
「おに~ちゃん!」
「な、なんだ? なんで父さん母さん、花音がいるんだ」
☆☆☆
和也君が混乱していた。それでもしっかりと、ゴーレムに止めを刺して、こちらを見ている。
「こんにちは、日本から来た山本海斗です。こちらは、ブランカさんマリアさん。ぽちと、たま、うさ子です」
においを追跡してきた、ぽちと、和也君を見ようと外に出ていた、たま、うさ子も紹介する。三匹が声に合せて挨拶すると、警戒心を一気にとろけさせた。
「ぽち、たま、うさ子……犬と猫とうさぎ? 日本~」
「はい、だいたい十年間隔で起きる事故? で来ました」
「ああ……それで?」
和弘さんが首を振り否定する。
「それは違う。マリアクアのプリン堂は、店仕舞いした」
「……?」
「……性質の悪い貴族に目を付けられた。第六王家の領地を出ようと思う」
「分かった」
「何で? 何でお兄ちゃん一人なの? パーティーの人は?」
花音ちゃんが、緊張感を一気に崩すように声をかける。
面倒くさそうに和也君が最初から一人でダンジョンに入ったことを教えると、花織さんが過保護っぷりを発揮して和也君をせめる……。
そんな家族団欒がしばらく続いた。
ボクと、ブランカさんマリアさんは、ぽち、たま、うさ子と、もふもふ空間に逃げ込む。
なにやら、ダメージの深そうな者がいる……。
時計を見るとすでに夕刻を過ぎていた。ボク達は20階にもどり、ダンジョンで一泊する事にした。
和也君も美味しいものを食べて、モフモフすれば元気になれるだろう。
☆☆☆
マリアクアの伯爵邸の中、一通の手紙を手に伯爵が不機嫌になっている。
カイト達がマリアクアを出て一日、早くも伯爵はプリン堂の家人の不在を突き止めていた。
商業ギルドで、急いで広めたレシピが事もあろうに伯爵の手の者にも渡ってしまったのだ。
だが、同時にレシピの情報が伯爵の手を離れ広まりつつある事も知る事になる。
「くそう、もはや独占は出来ぬのか……」
レシピの書いてある手紙を見ながら、伯爵が呟く。と、片隅に控えていたバーサが口をだす。
「伯爵様! レシピはいくつ御座いましたでしょうか?」
「プリンとケーキの二つに決まっているだろう!」
「……まだ、ある筈でございます。プリン堂はもっと多くのレシピを秘匿していた筈でございます」
伯爵は、まだ知らぬ味を思いゴクリと喉を鳴らす……。
「よし、プリン堂の者を捕らえよ!
……奴らは、ダンジョンにいる息子の所へ向かった筈だ」
「はっ、罪状はいかがいたしましょう」
家令の言葉に伯爵が少し考える。と……ニヤリと笑う。
「……昨日報告にあった新種の街道モンスターだ。アレに、プリン堂は関わっていることにする。それで、他の町の増援も期待できるぞ」
「はっ、緊急に手配をかけます」
「絶対に逃がすな! アレは、美味い上に金にもなる」
「金さえあれば、後からどうとでも取り繕える。モンスターも、良い時に出てきてくれたものだ」
伯爵は無実の罪を着せたつもりだが、たまたま真実を言い当てていた。
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