異世界転移はペットを連れて☆チートな守護者の異世界ライフ

亜々流

文字の大きさ
58 / 71
第十章 ダンジョンの外で待つ一騎当千の脅威(第一部終章)

3、コミッショナーは女神様? 死霊使いVS和也くん

しおりを挟む
「よう、俺はカークってもんだ。一応、公爵の部下って事になっている」

 女神の領域の及ばないギリギリのところで、歩みを止めて男が名乗った。
 ボク達には、なんとなく領域の境目が分かるのだが、この男にも分かるらしい。ダンジョンから出ると、はっきりと感じられるようになっていた。
 この男も女神のダンジョンへ入った事があるのだろうか……。

「どうやって、決めるんだ? そっちは約束を守れるのか?」

「俺が誓約のスキルを使うから、1対1の勝負を承知して欲しい。まず、俺達が誓う。その後でいい」

「誓約のスキル?」

「ああ、女神様に対する誓約だぞ。破ると女神様の呪いが掛かる……」

「……おまえ?」

「ずいぶんと前になるな。俺の女神のダンジョンクリア報酬だよ。
 女神様への誓約なら、お前らも安心だろ?」

『『……!?』』
『女神様への誓約なら、大丈夫でしょう』
『受けましょう、1対1の勝負』『……お任せします』

 敵に対して念話のことは、できるだけ隠しておく事になっている。ボクは声に出してみんなに了解を取った。

「みんな、いいかな?」

「「「「「「はい!」」」」」」

「その前に一つ、この話し合いの間の一時休戦を誓ってくれ。そうしたら、他の奴らを呼ぶ。じゃあ、スキルを使うぞ。……久しぶりだな、誓約!」

 その男の前に、こぶし大の光の球体が現れた……。そして、女神様の声が聞こえてきた。

『カーク・スチュアート。あなたが誓約のスキルを、また使うとは思いませんでした。義経さんが、悲しんでますよ』

「ハッハハ……。女神さん、久しぶり。そっちの奴ら知り合いだろ? 誓約を頼むわ。俺も1対1の戦いをするって誓約しておくぜ」

「話し合いの間の一時休戦を約束する」

「「「「「「同じく」」」」」」

『誓約を受け付けます』

 その男、カーク・スチュアートが合図を送ると、六人の男がやって来た。そして、1対1の戦いをする事を誓約して行く。
 ボク達が誓約をすると、誓約を受け付ける女神様の声と共に光の球体が消えていった。

「安心しろよ。日本人? は殺すなって言われてる。そっちの四人はそうだろ? 
 お前は、殺さずに済ますのは無理そうだな……」 

「てめ~っ、舐めんなよ! 俺が相手だ!」

 あっ……、和也くんが暴走してしまった。まずい、こいつが相手だと和也くんでは心もとない。止めようとすると、敵から声が掛かった。

「クックク……殺しちゃダメな奴だよね。じゃあ、僕が相手をするよ?」

 ローブの男が、和也くんの前に出てくる。

 女神の領域を3mほど出たところで、二人が向き合っている。和也くんが剣を抜いて構えると、男が声を上げる。男の目が赤く光った。

「ドミネイト(精神支配)!」

「て、てめえ何をした……? くっ……」

 みるみると和也くんの顔色が悪くなっていく。ついには片膝をつき、男を睨み続けるが動く事ができないように見える。

「ハッハハハ、君はついているねぇ。本当なら殺してゾンビになって貰うところなのに、地べたを這いずり回るだけで済む。ふっふふ……」

 男は死霊使いだった。笑いながら、和也くんに近づいていく。
 ……そして、男の腕が切り落とされた。和也くんの顔色は、なんとも無かった。腕を落とされ小さく悲鳴を上げながら後退する男を追う。斬りつけると、浅く胸部を切り裂いた。

「なっ、ドミネイトが効いてない?」

「いや、効いてたぞ、5:5くらいでな。今は、3:7くらいか? 2:8になった。お前、集中できてないだろ?」

「……カーク!」

 死霊使いは、仲間に助けを求めた。

「あ~あ。スキルが効かなきゃお前は弱いって、前から言っておいただろうが」

 カークが言う。そして、首を振った。幾つかの失笑がもれる。

「女神の呪いを受けてまで、助けないって。……人手がいるときとか、便利な奴だったのになぁ」

 もう死んでしまったかのような物言いである……。

 死霊使いに近づいて行くと、すばやく止めを刺した。
 和也君の顔色が悪かったのは、幻影魔法によるもので演技だった。
 ボク達は、念話のリンクで分かっていたが、バレやしないかとドキドキして不安だった。それが敵には動揺しているように見えていたらしい。

『めいえんぎ~』『女神様より上手い~』
『ドキドキ、楽しい~』

 三匹が喜び、和也くんも意気揚々と戻ってくる。が、和弘さん花織さんに叱られることになった。暴走して、いきなり飛び出すのはダメだよね。

『ぽち、たま、うさ子、危ないから急に飛び出しちゃダメだよ」

『『『わかった~』』』

 しばらくして敵側から声が上がった。

「次は、私達が行かせて貰う。闇ギルドの名誉にかけて……」

 二人が進み出る。闇ギルドからといえば五人いた筈なのだが。残りは、遠距離攻撃で仕留められていたらしい。
 和也くん、お説教の終わりにホッとしている。敵に感謝の視線は送らないように……。

しおりを挟む
感想 95

あなたにおすすめの小説

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした

たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。 死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!! 2巻2月9日電子版解禁です!! 紙は9日に配送開始、12日ごろに発売となります。 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばす 規格外ダンジョンに住んでいるので、無自覚に最強でした

むらくも航
ファンタジー
旧題:ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~ Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。 配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。 誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。 そんなホシは、ぼそっと一言。 「うちのペット達の方が手応えあるかな」 それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

処理中です...