異世界転移はペットを連れて☆チートな守護者の異世界ライフ

亜々流

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第十章 ダンジョンの外で待つ一騎当千の脅威(第一部終章)

6、旅立ちと別れ……開通女神通信~つながる未来へ

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「……!」「勝ったっー!」「しゃーっ!」
「やったっー!」
「おめでと~!」「勝利です!」
『カイト、おめでと~』『カイト、しょうり~」
『カイトつよ~い!』

 緊張が解け、喜びの声と笑顔が広がっていった。一緒に喜びたいのだが、スマートフォンに着信中である。
 アイテムボックスから出すと、やはりスマートフォンがなっている。
 相手は女神ミューズ様以外にありえない。

 スマートフォンの着信音の音に、和弘さん花織さんもギョッとしている。和也くん花音ちゃんは、意味が分からずきょとん顔だ。
 ブランカさんマリアさんは、相手が女神様と見当がついたのか神妙にしている。

『『『女神様~!』』』

「あ~、俺、俺だけど……」

 誰ですか? 女神様じゃない、聞いたことの無い声だ。まあ、女神様関連で知り合いとか、心当たりは源義経みなもとのよしつねさんしかいない。

「義経さんですよね。オレオレだと誰なのか、ちゃんと分からないですよ。そのせいでATMまで誘導されて、大切なお金を騙し取られたりするお年寄りが――――――」

「後半の意味がよく分からないが、義経だ。……借りができたみたいだな。この借りは、今度会った時みっちりと特訓に付き合ってやる事で返すぞ」

 ちょっと待って、それ遠慮したいです。

「ああ、いえ。義経さんには、戦術眼のスキル伝授して頂いてますから、この件で貸しとか借りとか無いと思います」

「むっ、そうか、遠慮深いな。まあ、純粋に楽しいからで、殺り合うのが一番か……」

 この人、対戦相手を逃がすつもりはないのか……。
 受話器の向こうから、『記念すべき第一声が~』とか言ってる女神様と義経さんがスマートフォンを取り合う声が聞こえてきた。

『はい、代わりました~。ミューズで~す。本日より、女神通信が開通しました。ダンジョンを基地局にして全世界で使えま~す。
 対応魔道具のスマートフォンは、リスト化して生成可能ですよ。みんなの分は、おまけでアイテムボックスに送りました』

 すごい、異世界で女神様の電話会社が出来てしまった……。
 アイテムボックスを見ると、みんなの分のスマートフォンがあった。生成はMP1000で出来る。
 魔力充填型の魔道具になっている。

「あ、ありがとうございます、女神様。これで、離れ離れになっても、みんなと連絡が取れるようになります」

『堅苦しいですねぇ。私のことはミューズちゃんで良いですよ? 
 あと、カイトさんのスマートフォンは特別製で、MPをたくさん消費しますが元の世界との交信も出来ますよ』

 えっ、今とんでもない事を言ってなかったか? ちゃん付けで良いと言うのではないよ。まあ、そちらは流石にさん付けまでかな。
 元の世界との交信って、まさかだよね? 日本に電話がつながるなんて、ないよね……。

「あの女神様……あ、ミューズさん? それは、日本に電話できるという事でしょうか?」

『はい、出来ますよ』

「むこうの世界が大変な事になりませんか?」

『大丈夫ですよ。物質を無理やり送るのではないですから。微量のエネルギーを、やり取りするくらいは問題ないですね』

「……女神ミューズ様、感謝します」

 家に連絡できる。もう、帰ることは勿論のこと連絡すら出来ないと思っていた。もう、2ヶ月少し経つ……どうなっているんだろうか?


 女神様のご褒美だと言って、みんなにスマートフォンを配った。すでに、お互いの電話番号も登録してある。女神様の番号もあるが……かけて良いのか?
 待ち受けの画面が、いつかダンジョンで撮った記念写真になっている。心霊写真のようだったもう一人の姿が女神様になっていた……。

 ボク達は、ダンジョンの入り口のセーフティゾーンに戻って、お別れパーティーをした。
 空野家の人たちは、ダンジョンの女神様の所に残る予定のハズだ。

 そして、ブランカさんとマリアさんが申し訳なさそうに切り出した。

「私達は、生まれた村に少し用事が出来てしまいました。……帰らなければなりません」

 その村に、ついて行ってはダメなのだろうか? そう申し出ようとすると、マリアさんが言った。
 
「村は、聖王家の領地にあります。今は、避けておいた方が良いでしょう。カイトさんとの契約を違えるようですが……」

「あの約束は、ぽち、たま、うさ子が充分に成長する迄です。だから、約束を違えた事にはなりませんよ」

『ぽち、強くなった~』『たま、強い!』
『うさ子も、大丈夫~!』

「ぽちさん、たまさん、うさ子さん……」
「流石は、聖獣でしたね……」

「……何かあったら、必ず連絡をください。今度は、ボクが助けに行きます」



 空野家の人たちがダンジョンに消えて行き、ブランカさんマリアさんが故郷の村に向かって旅立った。
 ダンジョン入り口のセーフティゾーンに、ボクと三匹が残った。


☆☆☆


 ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる、ぷるるるる……………カチャ、
「はい、山本です」

「もしもし、あの、海斗だけど……」

「……はい? えっ……? ちょっと! 海斗あなた、何してたの!」

 言葉で説明しても信じてもらえない。いろいろ話している間にどんどん時間が過ぎて……。
 うわっ、なにこのMP消費の激しさ……慌てて電話を切る。

「また、電話するから~!」

 久しぶりに聞いた家族の声に嬉しいが……。今の状況をどう、説明すればよいのだろうか?
 三匹が慰めるように擦り寄ってきた。
 うん、やっぱりモフモフは落ち着くなぁ~。

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