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第一章 ウサギは強くなれるのか?
1、社畜からニートを拗らせて小説家を目指してみたら ウサギに転生してました
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ブラックな会社で、心をすり減らした。なんとか退職したオレは、取り合えずネット三昧な暮らしをしていた。
廃人系ネトゲを軽くかじりつつ……数年。
これはまずいと、無理やりに意識をそらした先が、ウェブ小説の異世界転生モノだった。
はまったよ。ブックマークが100を超え、200に迫っている。これなら、ネトゲ廃人でも、変わらなかったのか? オレはネット依存症を自覚する事になった。
失業保険の6ヶ月。そのあとゲームにウェブ小説……。もう、何年たっただろうか?
300万円を超えていた貯金も、いつの間にか50万円をきっている。かなり、底辺な生活レベルだったと思う。が、もう1年も持たないだろう。
そろそろ、働かなきゃ……ね。
求人誌を見ると、なんだか背中がぞわぞわする……よ。
面接の電話をかけようとすると、軽い呼吸困難になる。……いったん中止。
ネットで、気を紛らわせる。あぁ……。今日はもう、受付時間すぎてる、ね……。
ああぁ。ここ何年か、ほとんど人と話していないような……。
先送りして、落ち着かない気分が続く。……続く。
次の日は、何故かお腹も痛くなってきた。……明日にしよう。
なんか、やばいよ。うん、やばい。
……こんなときは、ウェブ小説でも読んで気を紛らわします。
日間の総合ランキングから、未読の作品説明を読んでいく。う~ん39位「BGMは魔法でした」か、読んでないね。異世界転生、テンプレものかな? ユニークスキルのBGM魔法、ふむふむ。
ちょっと変わった魔法で、他作品との差別化を狙ってるんだね。
新人さんの処女作かな。まだ、5話分2万文字か。最近書き始めたみたいだね。この人も小説家を目指して、がんばってるのかな……。ふと、思ったんだ。
オレにも、書けるかな?
ここで書き始めて、出版化までいった人が何人もいる。
作家さんか……。自営業だね。デビュー出来たら仕事を探さなくても、よくなるかも知れない。
うん、……そうだ。小説家になろう。
オレはそんなこんなで、ウェブ小説投稿サイト「小説家になるよ」で異世界転生物を書こうと思った。まだ使われていない転生先を、あれこれ考えていた。
ドラゴン、エルフ、スライム、スケルトン、蜘蛛。
木に石ころ、地面……自動販売機。もう、出尽くしてるのか? ……あれ、スライムと同じく定番だけど、一角うさぎへの転生って、まだ無いよね?
「ウサギでチート。ホーンラビット、うさぎ転生。いいんじゃないか……」
「よし、その願い、叶えてやろう」
いきなり、頭の中に声が響く。そして暗転、すべての感覚が消え重力からさえも開放された。そのとき、その瞬間から人間としてのオレは死んだ……。
ペロペロと全身をなめ回されている、巨大な舌で。本能で体が勝手に動くと、匂いに導かれ何かを口に含む。ミルクが口いっぱいに広がった。
舌が大きいんじゃなくて、オレが小さいんだね。あと人間じゃない何かに、生まれ変わっちゃってるような……。
こうなる前に、頭の中に響いてきた言葉を思い出す。
「よし、その願い、叶えてやろう」……その願い? って、何だよ? オレは、何かお願いしたか? その結果が生まれ変わり?
……これ、異世界転生なのか? ステータスとか、見れるのか?
(ステータス、ステータス……?!)
まだ開けられない目蓋、瞳の中にステータス画面が浮かび上がる。
☆
名前 宇佐美 拓也 種族 ツノウサギ 0歳 Lv1
HP 10 MP 3
攻撃力 1
防御力 1
魔法力 1
魔防力 1
スキル 保護色Lv1 二段跳びLv1 脱兎Lv1 隠行Lv1 赤目Lv1
魔法 身体強化魔法Lv1 ブレス魔法Lv1
欄外 ○×▽神の加護:限界突破 進化開放 言語理解 前世記憶
伝言メール 1件(点滅中)
☆
あ~、社畜からニートを拗らせて、小説家を目指してみたら、ウサギに転生してしまいました。
ステータスを見てると、チカチカと自己主張を続ける伝言メール? これ、あの声の主だよね。
タップするつもりで、意識を向けてみる。音声が頭の中に広がっていく。
☆☆☆
わし、神じゃからな。あれが小説のアイディアの話だったって、コンマ一秒後には気づいたのじゃよ。が、すでに魂を抜いて体も始末した後じゃった。で、そのまま転生させる事にしたのじゃ。w
うっかり、一度いじった魂を元に戻そうと無理な力を加えて、ポンッと完全消滅させてしまう未熟者も多いからのう。ナイス判断、流石ワシじゃ。w
感謝してもよいぞ。
それから、さらに魂いじって、消滅させることなく伝言メール機能を付けたのじゃ。気が向けば、アドバイスの一つもくれてやろう。頑張って、わしを楽しませるのじゃぞ。
小声で(ふむ、これは、天変地異で世界のバランスを崩す事なく、干渉する方法としては、神託より良いかもしれん。今後は、この機能をすべてのおもちゃに……ごにょごにょごにょ)
という事で異世界転生、楽しむが良い。その世界は特別ステージ。すべての生き物に、神に至るチャンスがあるのじゃ。
ただし、しばらくは死なぬよう気をつけろよ。魂をいじった関係で回復するまでは、輪廻転生できぬから。死ぬと、完全消滅してしまうからのう。www
☆☆☆
ちょっ……。な、なんだって。なんか、不穏当な言葉が。魂をいじった? 輪廻転生できず完全消滅する? しぱらくって、どのくらいだよ!
もう一度聴こうとするが、伝言メール0件になっていて反応しない。一度聞くと消去されるようだ。
ピコーン、伝言メール1件……タップ(気持ち)。
☆☆☆
「あ~、あと。「小説家になるよ」うさぎ転生作品すでに、あるぞ。w」
☆☆☆
くそっくそっ、何様だよ! てめーは!
いらついて本能のスタンピング(野生のウサギが危機を知らせる足ダン)。母ウサギを蹴飛ばしてしまい「ちょこん」と前足で、たしなめられた。
巨大ウサギの「ちょこん」は、けっこう痛かった。
廃人系ネトゲを軽くかじりつつ……数年。
これはまずいと、無理やりに意識をそらした先が、ウェブ小説の異世界転生モノだった。
はまったよ。ブックマークが100を超え、200に迫っている。これなら、ネトゲ廃人でも、変わらなかったのか? オレはネット依存症を自覚する事になった。
失業保険の6ヶ月。そのあとゲームにウェブ小説……。もう、何年たっただろうか?
300万円を超えていた貯金も、いつの間にか50万円をきっている。かなり、底辺な生活レベルだったと思う。が、もう1年も持たないだろう。
そろそろ、働かなきゃ……ね。
求人誌を見ると、なんだか背中がぞわぞわする……よ。
面接の電話をかけようとすると、軽い呼吸困難になる。……いったん中止。
ネットで、気を紛らわせる。あぁ……。今日はもう、受付時間すぎてる、ね……。
ああぁ。ここ何年か、ほとんど人と話していないような……。
先送りして、落ち着かない気分が続く。……続く。
次の日は、何故かお腹も痛くなってきた。……明日にしよう。
なんか、やばいよ。うん、やばい。
……こんなときは、ウェブ小説でも読んで気を紛らわします。
日間の総合ランキングから、未読の作品説明を読んでいく。う~ん39位「BGMは魔法でした」か、読んでないね。異世界転生、テンプレものかな? ユニークスキルのBGM魔法、ふむふむ。
ちょっと変わった魔法で、他作品との差別化を狙ってるんだね。
新人さんの処女作かな。まだ、5話分2万文字か。最近書き始めたみたいだね。この人も小説家を目指して、がんばってるのかな……。ふと、思ったんだ。
オレにも、書けるかな?
ここで書き始めて、出版化までいった人が何人もいる。
作家さんか……。自営業だね。デビュー出来たら仕事を探さなくても、よくなるかも知れない。
うん、……そうだ。小説家になろう。
オレはそんなこんなで、ウェブ小説投稿サイト「小説家になるよ」で異世界転生物を書こうと思った。まだ使われていない転生先を、あれこれ考えていた。
ドラゴン、エルフ、スライム、スケルトン、蜘蛛。
木に石ころ、地面……自動販売機。もう、出尽くしてるのか? ……あれ、スライムと同じく定番だけど、一角うさぎへの転生って、まだ無いよね?
「ウサギでチート。ホーンラビット、うさぎ転生。いいんじゃないか……」
「よし、その願い、叶えてやろう」
いきなり、頭の中に声が響く。そして暗転、すべての感覚が消え重力からさえも開放された。そのとき、その瞬間から人間としてのオレは死んだ……。
ペロペロと全身をなめ回されている、巨大な舌で。本能で体が勝手に動くと、匂いに導かれ何かを口に含む。ミルクが口いっぱいに広がった。
舌が大きいんじゃなくて、オレが小さいんだね。あと人間じゃない何かに、生まれ変わっちゃってるような……。
こうなる前に、頭の中に響いてきた言葉を思い出す。
「よし、その願い、叶えてやろう」……その願い? って、何だよ? オレは、何かお願いしたか? その結果が生まれ変わり?
……これ、異世界転生なのか? ステータスとか、見れるのか?
(ステータス、ステータス……?!)
まだ開けられない目蓋、瞳の中にステータス画面が浮かび上がる。
☆
名前 宇佐美 拓也 種族 ツノウサギ 0歳 Lv1
HP 10 MP 3
攻撃力 1
防御力 1
魔法力 1
魔防力 1
スキル 保護色Lv1 二段跳びLv1 脱兎Lv1 隠行Lv1 赤目Lv1
魔法 身体強化魔法Lv1 ブレス魔法Lv1
欄外 ○×▽神の加護:限界突破 進化開放 言語理解 前世記憶
伝言メール 1件(点滅中)
☆
あ~、社畜からニートを拗らせて、小説家を目指してみたら、ウサギに転生してしまいました。
ステータスを見てると、チカチカと自己主張を続ける伝言メール? これ、あの声の主だよね。
タップするつもりで、意識を向けてみる。音声が頭の中に広がっていく。
☆☆☆
わし、神じゃからな。あれが小説のアイディアの話だったって、コンマ一秒後には気づいたのじゃよ。が、すでに魂を抜いて体も始末した後じゃった。で、そのまま転生させる事にしたのじゃ。w
うっかり、一度いじった魂を元に戻そうと無理な力を加えて、ポンッと完全消滅させてしまう未熟者も多いからのう。ナイス判断、流石ワシじゃ。w
感謝してもよいぞ。
それから、さらに魂いじって、消滅させることなく伝言メール機能を付けたのじゃ。気が向けば、アドバイスの一つもくれてやろう。頑張って、わしを楽しませるのじゃぞ。
小声で(ふむ、これは、天変地異で世界のバランスを崩す事なく、干渉する方法としては、神託より良いかもしれん。今後は、この機能をすべてのおもちゃに……ごにょごにょごにょ)
という事で異世界転生、楽しむが良い。その世界は特別ステージ。すべての生き物に、神に至るチャンスがあるのじゃ。
ただし、しばらくは死なぬよう気をつけろよ。魂をいじった関係で回復するまでは、輪廻転生できぬから。死ぬと、完全消滅してしまうからのう。www
☆☆☆
ちょっ……。な、なんだって。なんか、不穏当な言葉が。魂をいじった? 輪廻転生できず完全消滅する? しぱらくって、どのくらいだよ!
もう一度聴こうとするが、伝言メール0件になっていて反応しない。一度聞くと消去されるようだ。
ピコーン、伝言メール1件……タップ(気持ち)。
☆☆☆
「あ~、あと。「小説家になるよ」うさぎ転生作品すでに、あるぞ。w」
☆☆☆
くそっくそっ、何様だよ! てめーは!
いらついて本能のスタンピング(野生のウサギが危機を知らせる足ダン)。母ウサギを蹴飛ばしてしまい「ちょこん」と前足で、たしなめられた。
巨大ウサギの「ちょこん」は、けっこう痛かった。
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