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第4話 憎む
4-5
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そこにあるものは、尾坂の靴。光が見えたのは、その奥。
――まさか。いや、そんなはずは。
考えるより先に、僕の体は動いていた。尾坂の足は今にも靴に侵入しようとしている。僕は咄嗟に、彼女の頭とひざの裏に手を伸ばし、掬いあげるようにしてその軽い体を抱きかかえた。
「……は?」
目と鼻の先にある尾坂の顔が、呆然と僕を捉える。何が起きたか、自分が何をされているのか、理解できていないのだろう。僕だって、今僕が何をしているか理解できない。
数秒間の沈黙。
「……な、何しやがんだ! 早く下ろしやがれ、この野郎が!」
今にも爆発しそうに顔を赤くした尾坂が、僕の腕の中で暴れ始めた。はっと気づいて、慌てて地面に下ろす。上目遣いで僕を睨み、猛獣のような唸り声で威嚇し始めた彼女に、僕は両手を上げて弁明した。
「ご、ごめん尾坂。あの状況で、これくらいしか思いつかなくて」
「何の話だ! いきなりあんな、お、お姫様だっこみたいなことしやがって! どういうつもりだよ!」
「とりあえず、これを見ろ」
僕は屈みこんで、並べられていた尾坂の靴を手に取り、裏返した。同時に、ばらばらと毀れ落ちる何か。
目を丸くさせた尾坂が、その一つを拾い上げる。
金色の画鋲だった。
「な……何だ、こりゃ……?」
「これって、画鋲?」
一足先に靴を履いて待っていた如月が、尾坂の後ろから覗き込んで呟いた。尾坂は如月をちらと見てから、次に僕を見て、視線を自分の靴に合わせた後、泣きそうな顔になった。
「……何でこんなのが、オレの靴に入ってんだよ? 誰だよ、誰の仕業だよ! 意味わかんねえぞ!」
「落ち着けって! そんなの、僕たちに言われても……」
「――『神様』の仕業じゃ、ないかな?」
如月の声は、いつもと変わらないように聞こえた、はずだった。でも、その言葉には、この場の雰囲気を一層重苦しくさせるのに十分すぎる効力があった。
僕は如月に向き直り、慎重に言葉を吟味しながら、囁く。
「……神様、だって? まさか、一昨日の、あの手紙の?」
「そうだとすれば、この状況にも一応説明は付くよね。『制裁』ってやつが始まったって考えれば」
「いや、それは、いくらなんでも……」
「考え過ぎだと思う? じゃあ、美奈ちゃんは何でこんなことされたの? 誰かに恨まれて? 新しい別の誰かの悪戯? 現時点で今一番可能性があると思われるのは、どう考えても『神様』しかない。そうでしょ?」
たたみかけるように如月は詰め寄る。圧倒された僕は、思わず頷いていた。いつもの如月とは、何かが違っている。
「っざけんなよ!」
僕と如月の会話を遮るように、青筋を立てて尾坂が叫んだ。
「んな理由でこんなことされてたまるか! 大体、あの手紙ならこの前オレが破り捨ててやっただろうが。それでもまだ、その『神様』とかいうやつはやる気だってのか? 舐めやがって!」
「少し落ち着け。まだそうと決まったわけじゃない」
曖昧な慰めをかける僕に、尾坂は敵意むき出しの睨みを向けた。しかし、すぐに何かに気づいたように頭を振り、僕から顔を逸らす。しばし黙って腕を組んだあと、短い息を吐いて、もう一度僕を見た。その顔からは、既に怒りは感じられない。
「……ごめんな。つい、八つ当たりしちまった」
「いや、もういいよ。それより、さっさと帰ろう。いつまでもこんな所に居たくないね」
僕は自分の靴を履いてから、尾坂の靴を地面に並べた。彼女は用心深そうにそれを観察して、おそるおそる右足から履く。何もないことを確認し、安堵の色を顔に浮かべながらもう片方の靴を履いた。
いつの間にか笑顔に戻っていた如月は、一足先に外へ駆けていく。僕と尾坂は顔を見合わせて溜息を吐き、歩いてその後を追うことにした。
少し進んだところで、尾坂が前を向いたまま声を漏らす。
「お前も、本当に『神様』ってやつの仕業だと思うか?」
「さあね。でも、まったく知らない他の誰かって考えるよりはよっぽど現実的と言うか、そもそも現時点じゃ結局そこにしか辿りつけないからな」
「……もし、さ。その『神様』の仕業だったとするなら、オレ以外の、手紙を貰った奴らの中にいるわけだよな。お前や如月も含めて、五人の中に」
「そうなるなあ。尾坂は、他の三人とは面識あった?」
「んー、眼鏡女と、あのおどおどした奴……渡瀬だっけ? あいつらは知らなかったけど、千条だったか、あいつは……ちっ!」
腕を組んで思い出すように話していた尾坂は、千条についての話でなぜか舌打ちし、渋い顔のままそれ以上語ろうとしなかった。何か因縁的なものがあるのだろうか。気にはなったが、話す気がなさそうなので追及はしないことにする。
「……でも、あいつらの中にこんなことする奴がいるとは、オレは思えない」
力強く呟いて、尾坂が僕の顔を見上げる。まるで、お前もそう思うよな? とでも問うように。
僕は、頷かなかった。
「見た目だけでなら何とでも言えるよ。でも、いくら穏やかに見える人でも、罪を犯したりすることだってある。結局、人ってのは内面なんだ。外見はフェイクでしかない。尾坂みたいにね」
最後の一言で目を鋭くさせた尾坂を無視して、僕はそのまま歩き続ける。如月は少し前の方でスキップしている。そろそろ追いつこうかと思った時、尾坂が小さな声で訊いてきた。
「お前って、如月のことどう思ってんだ?」
「どうって?」
「んーとだな……まずさ、お前と如月は――」
「おーい、何やってのさ! 時代は僕らを待ってはくれないよ! 早くー」
尾坂の声に被さるように、如月が大きな声で呼び掛けてくる。見ると、少し先の方で止まり、こちらに手を振っていた。尾坂は言葉を続けたかったようだが、如月を一瞥し、やれやれといった顔で溜息を吐いて、適当に手を挙げ返す。僕は尾坂が何が言いたかったのかよく分からないまま、首を傾げて歩を進めた。
校門まで来たところで、如月が向こうの方で手を振ってこちらを見ている。尾坂は昨日の秋谷と同じルートらしく、立ち止まってこちらを見た。なぜか少し赤くなった顔で、言い難そうに目を数秒伏せた後、最後に僕の目を鋭く捉えて、言い放った。
「まああれだ、お前とも、その……と、友達になってやってもいいぞ! じゃあな!」
走り去っていく尾坂の姿を、僕は呆然と見詰めた。
何度も。
何度も。
――何度も!
いい加減にしろ!
まただ。誰かが頭の中で暴れ始めた。ひたすら、叫び続ける。
お前は、誰だ? なぜ、僕の中で暴れる?
僕の疑問は、しかし誰かの叫びにかき消され、一切届かない。激しい頭痛。僕はその場に膝をついて、頭を抱え込んだ。
何だよ……何なんだよ、これは!
「――ごめんね、優君。でも、もう少しだと、思うから。私も、頑張るから」
頭の中に、他の誰かの声が流れ込んできた。いや、違う。他の誰かが、近くで僕に語りかけているのか。
見上げると、その誰かの姿がそこに見えた。
「……如月……?」
「私は先に帰っておくよ。落ち着いたら、追いついてきて。じゃあね」
顔がよく見えない。その声は、震えているように聞こえた。彼女は背を向けて、歩き出す。足音が、僕から遠ざかっていく。
頭の中の叫びが、そこでぴたりと止まった。だが、しばらく頭痛は続く。僕がなんとか立ち上がれるようになった時には、既に周りは誰もいなかった。
今、僕の中で、何が起きているのか。如月は僕に、何を謝ったのか。
数々の疑問が僕の頭を駆け巡る。もちろん、答えは出ない。
「……帰ろう」
最近、どうにも色々とおかしい気がする。呪われているのではだろうか。だったら誰に? もしかしたら、如月が僕のことを呪って、それを詫びてるとか? おいおい、流石にそれは考え過ぎじゃないか? 何で僕が如月に呪われなくちゃならないんだよ。
ややこしい思いを払拭するように、適当な思考を浮かべながら歩き出した。
――まさか。いや、そんなはずは。
考えるより先に、僕の体は動いていた。尾坂の足は今にも靴に侵入しようとしている。僕は咄嗟に、彼女の頭とひざの裏に手を伸ばし、掬いあげるようにしてその軽い体を抱きかかえた。
「……は?」
目と鼻の先にある尾坂の顔が、呆然と僕を捉える。何が起きたか、自分が何をされているのか、理解できていないのだろう。僕だって、今僕が何をしているか理解できない。
数秒間の沈黙。
「……な、何しやがんだ! 早く下ろしやがれ、この野郎が!」
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「ご、ごめん尾坂。あの状況で、これくらいしか思いつかなくて」
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「とりあえず、これを見ろ」
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目を丸くさせた尾坂が、その一つを拾い上げる。
金色の画鋲だった。
「な……何だ、こりゃ……?」
「これって、画鋲?」
一足先に靴を履いて待っていた如月が、尾坂の後ろから覗き込んで呟いた。尾坂は如月をちらと見てから、次に僕を見て、視線を自分の靴に合わせた後、泣きそうな顔になった。
「……何でこんなのが、オレの靴に入ってんだよ? 誰だよ、誰の仕業だよ! 意味わかんねえぞ!」
「落ち着けって! そんなの、僕たちに言われても……」
「――『神様』の仕業じゃ、ないかな?」
如月の声は、いつもと変わらないように聞こえた、はずだった。でも、その言葉には、この場の雰囲気を一層重苦しくさせるのに十分すぎる効力があった。
僕は如月に向き直り、慎重に言葉を吟味しながら、囁く。
「……神様、だって? まさか、一昨日の、あの手紙の?」
「そうだとすれば、この状況にも一応説明は付くよね。『制裁』ってやつが始まったって考えれば」
「いや、それは、いくらなんでも……」
「考え過ぎだと思う? じゃあ、美奈ちゃんは何でこんなことされたの? 誰かに恨まれて? 新しい別の誰かの悪戯? 現時点で今一番可能性があると思われるのは、どう考えても『神様』しかない。そうでしょ?」
たたみかけるように如月は詰め寄る。圧倒された僕は、思わず頷いていた。いつもの如月とは、何かが違っている。
「っざけんなよ!」
僕と如月の会話を遮るように、青筋を立てて尾坂が叫んだ。
「んな理由でこんなことされてたまるか! 大体、あの手紙ならこの前オレが破り捨ててやっただろうが。それでもまだ、その『神様』とかいうやつはやる気だってのか? 舐めやがって!」
「少し落ち着け。まだそうと決まったわけじゃない」
曖昧な慰めをかける僕に、尾坂は敵意むき出しの睨みを向けた。しかし、すぐに何かに気づいたように頭を振り、僕から顔を逸らす。しばし黙って腕を組んだあと、短い息を吐いて、もう一度僕を見た。その顔からは、既に怒りは感じられない。
「……ごめんな。つい、八つ当たりしちまった」
「いや、もういいよ。それより、さっさと帰ろう。いつまでもこんな所に居たくないね」
僕は自分の靴を履いてから、尾坂の靴を地面に並べた。彼女は用心深そうにそれを観察して、おそるおそる右足から履く。何もないことを確認し、安堵の色を顔に浮かべながらもう片方の靴を履いた。
いつの間にか笑顔に戻っていた如月は、一足先に外へ駆けていく。僕と尾坂は顔を見合わせて溜息を吐き、歩いてその後を追うことにした。
少し進んだところで、尾坂が前を向いたまま声を漏らす。
「お前も、本当に『神様』ってやつの仕業だと思うか?」
「さあね。でも、まったく知らない他の誰かって考えるよりはよっぽど現実的と言うか、そもそも現時点じゃ結局そこにしか辿りつけないからな」
「……もし、さ。その『神様』の仕業だったとするなら、オレ以外の、手紙を貰った奴らの中にいるわけだよな。お前や如月も含めて、五人の中に」
「そうなるなあ。尾坂は、他の三人とは面識あった?」
「んー、眼鏡女と、あのおどおどした奴……渡瀬だっけ? あいつらは知らなかったけど、千条だったか、あいつは……ちっ!」
腕を組んで思い出すように話していた尾坂は、千条についての話でなぜか舌打ちし、渋い顔のままそれ以上語ろうとしなかった。何か因縁的なものがあるのだろうか。気にはなったが、話す気がなさそうなので追及はしないことにする。
「……でも、あいつらの中にこんなことする奴がいるとは、オレは思えない」
力強く呟いて、尾坂が僕の顔を見上げる。まるで、お前もそう思うよな? とでも問うように。
僕は、頷かなかった。
「見た目だけでなら何とでも言えるよ。でも、いくら穏やかに見える人でも、罪を犯したりすることだってある。結局、人ってのは内面なんだ。外見はフェイクでしかない。尾坂みたいにね」
最後の一言で目を鋭くさせた尾坂を無視して、僕はそのまま歩き続ける。如月は少し前の方でスキップしている。そろそろ追いつこうかと思った時、尾坂が小さな声で訊いてきた。
「お前って、如月のことどう思ってんだ?」
「どうって?」
「んーとだな……まずさ、お前と如月は――」
「おーい、何やってのさ! 時代は僕らを待ってはくれないよ! 早くー」
尾坂の声に被さるように、如月が大きな声で呼び掛けてくる。見ると、少し先の方で止まり、こちらに手を振っていた。尾坂は言葉を続けたかったようだが、如月を一瞥し、やれやれといった顔で溜息を吐いて、適当に手を挙げ返す。僕は尾坂が何が言いたかったのかよく分からないまま、首を傾げて歩を進めた。
校門まで来たところで、如月が向こうの方で手を振ってこちらを見ている。尾坂は昨日の秋谷と同じルートらしく、立ち止まってこちらを見た。なぜか少し赤くなった顔で、言い難そうに目を数秒伏せた後、最後に僕の目を鋭く捉えて、言い放った。
「まああれだ、お前とも、その……と、友達になってやってもいいぞ! じゃあな!」
走り去っていく尾坂の姿を、僕は呆然と見詰めた。
何度も。
何度も。
――何度も!
いい加減にしろ!
まただ。誰かが頭の中で暴れ始めた。ひたすら、叫び続ける。
お前は、誰だ? なぜ、僕の中で暴れる?
僕の疑問は、しかし誰かの叫びにかき消され、一切届かない。激しい頭痛。僕はその場に膝をついて、頭を抱え込んだ。
何だよ……何なんだよ、これは!
「――ごめんね、優君。でも、もう少しだと、思うから。私も、頑張るから」
頭の中に、他の誰かの声が流れ込んできた。いや、違う。他の誰かが、近くで僕に語りかけているのか。
見上げると、その誰かの姿がそこに見えた。
「……如月……?」
「私は先に帰っておくよ。落ち着いたら、追いついてきて。じゃあね」
顔がよく見えない。その声は、震えているように聞こえた。彼女は背を向けて、歩き出す。足音が、僕から遠ざかっていく。
頭の中の叫びが、そこでぴたりと止まった。だが、しばらく頭痛は続く。僕がなんとか立ち上がれるようになった時には、既に周りは誰もいなかった。
今、僕の中で、何が起きているのか。如月は僕に、何を謝ったのか。
数々の疑問が僕の頭を駆け巡る。もちろん、答えは出ない。
「……帰ろう」
最近、どうにも色々とおかしい気がする。呪われているのではだろうか。だったら誰に? もしかしたら、如月が僕のことを呪って、それを詫びてるとか? おいおい、流石にそれは考え過ぎじゃないか? 何で僕が如月に呪われなくちゃならないんだよ。
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