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沈船村楽園神殿
人材不足
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「塩、呪符、お香・・・」
「全部揃ってます」
村で唯一の旅館の一室で、私たちは祓いの道具を確認していた。
岬さんは滞在中屋敷の部屋を使っていいと言ってくれたけど、とてもそんな気にはなれない。
「確認しておきますが、悪霊を祓う方法は基本的な加持祈祷でいいですよね」
「うん。道具はあるからね。もう少しここの地脈とかを把握する必要があるけど」
岬さんにも言ったけど、園村さんのように西洋式の悪魔祓いの知識も技術もない私たちだから、確実にやるには慣れた方法が一番。
「取り合えず今の所依頼の件は順調ですが、游理さん」
「わかってる、園村さんだよね」
岬さんからはあれ以上のことは聞けなかった。
屋敷に滞在していたらしい彼の荷物はまだ残ってるそうだから、確認に行かなきゃならないんだけど。
「嫌だな~あそこにまた入るのか」
「仕方ないです、游理さん。同僚の為ですよ」
「それはわかってるけど・・・」
「今度はわたしもしっかり対策してあげますから、幻覚に惑わされたりはしませんよ」
そりゃ手掛かりを探してるのにいちいち幻を見せられてたら、お話にならないか。
「園村さんはあの屋敷のこと、気付いてたかな」
「それは当然。あまりお話をする機会はありませんでしたが、彼は、祓いの技術など、霊に関する力が滅多にいない程強いのは明らかでしたし」
「うちに来る前はエクソシストだったそうだから」
時々度が過ぎた熱心さで除霊しまくるから、振り回されることもあったけど。
障害物の排除など物理面の担当が宮上さんなら、園村さんは霊、精神面のエキスパート。私は・・・宇羅担当?
「それだとわたしは24時間游理さんのお世話係ですね」
「絶妙に失礼だな!?」
小学校の生きもの係か、それ。そこまでメンタルよわよわじゃないよ。
「・・・でも、本当何処行ったんだろ、園村さん」
仕事を放ってどっかに行くような人じゃないのに。むしろ自分から怪異怨霊の群れに突っ込んでいく性格だよね・・・あ。
「もしかしたらたまたま百鬼夜行を目にして、居ても立ってもいられずにそのままランナウェイしちゃったとか」
「職務放棄じゃないですか、游理さんじゃあるまいし」
「私もしないよ」投げ出したくなることは何度もあったけど。
「それで、連絡の方はどうでした?」
「うん。予想通り、ここの電話を使えば所長に連絡することは出来た」
怨霊怪異の跋扈する地では電波が通じなくなる。その範囲は家一軒だけの時もあれば、ここのように村に近づいただけで異常に見舞われる場所も幾つも存在する。さらにそのように隔離された空間であっても、何故か元からある電話などは問題なく使える場合が多いらしい。
理由はわからないけど、宇羅のような幽霊屋敷のことを踏まえると、内部の機器がその場所の一部として判定され、内臓器官として機能しているのかも、と私は考えている。まあ、村丸ごと通信が遮断されたらもっと騒ぎになるし、そもそもの話どうやってうちの会社に依頼したんだって話だから、電話が通じるのはわかってたけど。
「何か言ってましたか。ほら。『ナメクジ』とか、事前の説明以上に大ごとになってるじゃないですか」
「まあ、所長も、私が出る時点でそれは覚悟してるだろうけどね」自分のことながら本当に面倒な体質だな、藪蛇体質。
「そうでなくても行方不明者の捜索と除霊を同時にこなすなんて無理があったんです」
確かに新人ふたりに任せていい難易度の仕事じゃない。
「だから、宮上さん、他にもフリーの祓い師など誰でもいいから増援を送って欲しい。あの人にはちゃんと伝えましたよね、游理さん?」
「うん。それはちゃんと頼んだけど」
「ごめん、無理」
即答された。
「ほら、事前に伝えたように、本来その仕事には園村くんが最適で、彼ひとりで遂行することを前提にプランを立ててたんだ」
でも、その本人が行方不明になった。異界の神を絶対殲滅するはずの彼が。
そしてもうひとり。戦闘要員の宮上さんは。
「身体と精神を『銀銃屋敷』へ馴染ませる工程の真っ最中。なにぶんうちの業界でも、祓い師が幽霊屋敷の心臓になったっていうのは、きみ以外にはほとんど皆無だったから。どうしても慎重にならざる負えないんでね」
まあそれはそうか。こんなトンチキな人間がうじゃうじゃいる訳もなし。下手に急かすことも出来ないしね。
私たちがキツキツな状況なのは変わらないけど。
「だからもう動かせる人はいない」
亜江島祓い所所属祓い師。
庚游理、裏内宇羅、宮上下、そして園村砂。以上人外含め4名。
超零細企業。圧倒的に人材不足。
「・・・辞めたいな・・・猛烈に投げ出したい・・・・とにかく善処しますので、はい」
「なんかすごい不穏な言葉聞いたよ!?」
「えーそうですか。気のせいでは?」
「庚くん。きみってたまに・・・ま、いいや」
もうひとつ、訊いておくべきことがある。
「あの、『汚染禍』についてですが」
「そう、それについて話そうとしてたんだ」
「岬さん、依頼人との話で、それとなく水を向けてみたんですが何か知ってるようには見えませんでしたよ」
「まあ先に言った通り言葉自体がマイナーだし。そもそも実在するかもわからないものだから、きみが気にする必要はないよ」
うちが働きかければ、何かが起きてくれるかもと期待してたんだけど。
? まるで「汚染禍」に存在して欲しいみたいな言い方・・・
「まあ、とにかく庚くん」
「は、はい」
「きみと宇羅のふたりなら心配いらないよね、大丈夫私は信じてる」
「そうですか、信じてますか」
「うんうん。それじゃ、また何かあったら連絡してね」
それだけ言って、逃げるように所長は通話を切った。
言いたいことは簡潔だった。
意訳すると「まあ頑張れ」
・・・逃げたいな・・・・
・・・そう言えば所長、宇羅は呼び捨てなんだ。私とか苗字で読んでるのに。
変なの。
「という訳で、追加の人員は期待出来そうにない」
「なるほど、無茶ぶりですね。というか游理さんがもう少し粘ってたら、あの人ももっと何かしてくれたんじゃないんですか?」
何だよ・・・まるで私の押しが弱いみたいな・・・確かに目上の人相手だとついつい流されちゃうけど。
「どのみちうちみたいな弱小企業に、今すぐ雇えるフリーの祓い師なんてそうそういないし」
「自分の勤め先を弱小と言い切っていいんですか」
「悲しい現実だよね」
「游理さん、変に開き直って自棄になってません?」
そんなことは・・・ないよ、多分。
「・・・それで結局私たちだけでやるしかないってことですか」
まあ、こういうのは人数を揃えれば上手く行く保証があるもんでもない、そう思って割り切るしかないか。
「では先にあの祠の浄化をするんですね」
「私たちが行動すれば、園村さんの方からひょっこり来てくれるかもしれないし」
「そんな、狸じゃないんですから・・・」
実際あの人の嗅覚は獣並なんだよね。さすがに失礼だから口に出したことはないけど。
「でも安心しました。彼がそんな人ならそうそう滅多なことにはならないでしょうし」
確かに園村さんは基本「やられるまえにやる」の精神の持ち主だから。
「その代わり周囲に被害が出るかも」
「他人事のように言わないで下さいよ」
はい・・・
「宇羅。今言った通りの手順で祓いを行うよ。でも一応」
「はい、わかってます」
悪霊祓いの儀式自体は定められた手順に沿って進めればいい。
でも、ここは沈船村。
所長によれば「汚染禍」という特大の災厄が埋まってる可能性がある。
そしてあの園村さんに何かがあったというのは事実。
そんな場所で「藪蛇体質」の私が祓いを行うんだから、当然順調に行く訳がない。
絶対イレギュラーな事態が起きるはず。
だったらこちらもイレギュラー、とびきりの人外で対応するだけだ。
「『裏内屋敷』は、どんな想定外であろうと『心臓』であるあなたを守ります」
表裏一体、ふたりでひとつの存在。
「だから庚游理さん、あなたはあなたの祓いを全うして下さい」
仕事はきっちりこなして、園村さんも助ける。
「・・・本当に大変」
今までも楽な祓いなんてなかったけど。
「大丈夫ですよ、游理さんにはわたしが憑いてますから」
その表現で・・・合ってるか。
「全部揃ってます」
村で唯一の旅館の一室で、私たちは祓いの道具を確認していた。
岬さんは滞在中屋敷の部屋を使っていいと言ってくれたけど、とてもそんな気にはなれない。
「確認しておきますが、悪霊を祓う方法は基本的な加持祈祷でいいですよね」
「うん。道具はあるからね。もう少しここの地脈とかを把握する必要があるけど」
岬さんにも言ったけど、園村さんのように西洋式の悪魔祓いの知識も技術もない私たちだから、確実にやるには慣れた方法が一番。
「取り合えず今の所依頼の件は順調ですが、游理さん」
「わかってる、園村さんだよね」
岬さんからはあれ以上のことは聞けなかった。
屋敷に滞在していたらしい彼の荷物はまだ残ってるそうだから、確認に行かなきゃならないんだけど。
「嫌だな~あそこにまた入るのか」
「仕方ないです、游理さん。同僚の為ですよ」
「それはわかってるけど・・・」
「今度はわたしもしっかり対策してあげますから、幻覚に惑わされたりはしませんよ」
そりゃ手掛かりを探してるのにいちいち幻を見せられてたら、お話にならないか。
「園村さんはあの屋敷のこと、気付いてたかな」
「それは当然。あまりお話をする機会はありませんでしたが、彼は、祓いの技術など、霊に関する力が滅多にいない程強いのは明らかでしたし」
「うちに来る前はエクソシストだったそうだから」
時々度が過ぎた熱心さで除霊しまくるから、振り回されることもあったけど。
障害物の排除など物理面の担当が宮上さんなら、園村さんは霊、精神面のエキスパート。私は・・・宇羅担当?
「それだとわたしは24時間游理さんのお世話係ですね」
「絶妙に失礼だな!?」
小学校の生きもの係か、それ。そこまでメンタルよわよわじゃないよ。
「・・・でも、本当何処行ったんだろ、園村さん」
仕事を放ってどっかに行くような人じゃないのに。むしろ自分から怪異怨霊の群れに突っ込んでいく性格だよね・・・あ。
「もしかしたらたまたま百鬼夜行を目にして、居ても立ってもいられずにそのままランナウェイしちゃったとか」
「職務放棄じゃないですか、游理さんじゃあるまいし」
「私もしないよ」投げ出したくなることは何度もあったけど。
「それで、連絡の方はどうでした?」
「うん。予想通り、ここの電話を使えば所長に連絡することは出来た」
怨霊怪異の跋扈する地では電波が通じなくなる。その範囲は家一軒だけの時もあれば、ここのように村に近づいただけで異常に見舞われる場所も幾つも存在する。さらにそのように隔離された空間であっても、何故か元からある電話などは問題なく使える場合が多いらしい。
理由はわからないけど、宇羅のような幽霊屋敷のことを踏まえると、内部の機器がその場所の一部として判定され、内臓器官として機能しているのかも、と私は考えている。まあ、村丸ごと通信が遮断されたらもっと騒ぎになるし、そもそもの話どうやってうちの会社に依頼したんだって話だから、電話が通じるのはわかってたけど。
「何か言ってましたか。ほら。『ナメクジ』とか、事前の説明以上に大ごとになってるじゃないですか」
「まあ、所長も、私が出る時点でそれは覚悟してるだろうけどね」自分のことながら本当に面倒な体質だな、藪蛇体質。
「そうでなくても行方不明者の捜索と除霊を同時にこなすなんて無理があったんです」
確かに新人ふたりに任せていい難易度の仕事じゃない。
「だから、宮上さん、他にもフリーの祓い師など誰でもいいから増援を送って欲しい。あの人にはちゃんと伝えましたよね、游理さん?」
「うん。それはちゃんと頼んだけど」
「ごめん、無理」
即答された。
「ほら、事前に伝えたように、本来その仕事には園村くんが最適で、彼ひとりで遂行することを前提にプランを立ててたんだ」
でも、その本人が行方不明になった。異界の神を絶対殲滅するはずの彼が。
そしてもうひとり。戦闘要員の宮上さんは。
「身体と精神を『銀銃屋敷』へ馴染ませる工程の真っ最中。なにぶんうちの業界でも、祓い師が幽霊屋敷の心臓になったっていうのは、きみ以外にはほとんど皆無だったから。どうしても慎重にならざる負えないんでね」
まあそれはそうか。こんなトンチキな人間がうじゃうじゃいる訳もなし。下手に急かすことも出来ないしね。
私たちがキツキツな状況なのは変わらないけど。
「だからもう動かせる人はいない」
亜江島祓い所所属祓い師。
庚游理、裏内宇羅、宮上下、そして園村砂。以上人外含め4名。
超零細企業。圧倒的に人材不足。
「・・・辞めたいな・・・猛烈に投げ出したい・・・・とにかく善処しますので、はい」
「なんかすごい不穏な言葉聞いたよ!?」
「えーそうですか。気のせいでは?」
「庚くん。きみってたまに・・・ま、いいや」
もうひとつ、訊いておくべきことがある。
「あの、『汚染禍』についてですが」
「そう、それについて話そうとしてたんだ」
「岬さん、依頼人との話で、それとなく水を向けてみたんですが何か知ってるようには見えませんでしたよ」
「まあ先に言った通り言葉自体がマイナーだし。そもそも実在するかもわからないものだから、きみが気にする必要はないよ」
うちが働きかければ、何かが起きてくれるかもと期待してたんだけど。
? まるで「汚染禍」に存在して欲しいみたいな言い方・・・
「まあ、とにかく庚くん」
「は、はい」
「きみと宇羅のふたりなら心配いらないよね、大丈夫私は信じてる」
「そうですか、信じてますか」
「うんうん。それじゃ、また何かあったら連絡してね」
それだけ言って、逃げるように所長は通話を切った。
言いたいことは簡潔だった。
意訳すると「まあ頑張れ」
・・・逃げたいな・・・・
・・・そう言えば所長、宇羅は呼び捨てなんだ。私とか苗字で読んでるのに。
変なの。
「という訳で、追加の人員は期待出来そうにない」
「なるほど、無茶ぶりですね。というか游理さんがもう少し粘ってたら、あの人ももっと何かしてくれたんじゃないんですか?」
何だよ・・・まるで私の押しが弱いみたいな・・・確かに目上の人相手だとついつい流されちゃうけど。
「どのみちうちみたいな弱小企業に、今すぐ雇えるフリーの祓い師なんてそうそういないし」
「自分の勤め先を弱小と言い切っていいんですか」
「悲しい現実だよね」
「游理さん、変に開き直って自棄になってません?」
そんなことは・・・ないよ、多分。
「・・・それで結局私たちだけでやるしかないってことですか」
まあ、こういうのは人数を揃えれば上手く行く保証があるもんでもない、そう思って割り切るしかないか。
「では先にあの祠の浄化をするんですね」
「私たちが行動すれば、園村さんの方からひょっこり来てくれるかもしれないし」
「そんな、狸じゃないんですから・・・」
実際あの人の嗅覚は獣並なんだよね。さすがに失礼だから口に出したことはないけど。
「でも安心しました。彼がそんな人ならそうそう滅多なことにはならないでしょうし」
確かに園村さんは基本「やられるまえにやる」の精神の持ち主だから。
「その代わり周囲に被害が出るかも」
「他人事のように言わないで下さいよ」
はい・・・
「宇羅。今言った通りの手順で祓いを行うよ。でも一応」
「はい、わかってます」
悪霊祓いの儀式自体は定められた手順に沿って進めればいい。
でも、ここは沈船村。
所長によれば「汚染禍」という特大の災厄が埋まってる可能性がある。
そしてあの園村さんに何かがあったというのは事実。
そんな場所で「藪蛇体質」の私が祓いを行うんだから、当然順調に行く訳がない。
絶対イレギュラーな事態が起きるはず。
だったらこちらもイレギュラー、とびきりの人外で対応するだけだ。
「『裏内屋敷』は、どんな想定外であろうと『心臓』であるあなたを守ります」
表裏一体、ふたりでひとつの存在。
「だから庚游理さん、あなたはあなたの祓いを全うして下さい」
仕事はきっちりこなして、園村さんも助ける。
「・・・本当に大変」
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