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第3章 赤髪のルーチェ、襲来
雪とホットミルク
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夜。
ラグナルの部屋にはあたたかな色をした灯りが灯り、カリカリと心地よいペンの音が響いていた。
机に座って一生懸命書き取りをしているのはショコラだ。
ラグナルは頬づえをついて、じっとそれを見つめていた。
ショコラは歓迎会のあの夜から、こうして何日かに一度、ラグナルの部屋に通って勉強をみてもらっている。それ以外の日は自分で文字を練習したり、辞書を引いたり、絵本を読んだりして、勉強しているのだ。
「できました!」
ショコラは顔を上げて、ラグナルにワークを見せた。
ワークの一ページには、『自己紹介をしてみましょう』と書いてある。
お花や太陽がニコニコと笑っているページに、ショコラの若干ガタガタした文字が書かれていた。
わたしのなまえはしょこらです。
わたしはどんぐりがすきです。
わたしはえいがをみることがすきです。
おえかきもすきです。
ショコラは自分の名前だけでなく、ちょっとした文章も書けるようになってきた。それが嬉しくて嬉しくて、仕方がない。
じーっとワークをみていたラグナルが、赤いペンでくるくると花を咲かす。
「よくできました」
ショコラは大喜びした。
「はなまるです、ご主人様!」
「うん。よかったね」
「はい!」
ショコラはしっぽを振ってワークを抱きしめた。
すると部屋をノックする音。
ラグナルが返事をすると、寝間着の上にカーディガンを羽織ったリリィが、トレイに湯気の上ティーカップを乗せて、部屋に入ってきた。
「ふふ。勉強で疲れた頭には、ホットミルクが一番ですよ」
「わぁ、ありがとうございます!」
「ダイニングでヤマトとドラマを見ていたんですけど、もう寒いからヤマトが持って行けって」
リリィは空いた時間にダイニングでドラマを見るのが趣味なようだった。
せっかくなので、ショコラは書いたものをリリィにも見せる。
「あらあら、お上手になられましたねぇ」
リリィは子どもを褒める母親のような微笑みを浮かべて、ショコラのワークをめくっていった。
実際、リリィはショコラがどんどん知識を吸収していくのが、微笑ましくて仕方がないのだった。
「もう簡単な文章くらいなら、書けますね」
「はい。難しい文章はまだだめですけど……あと、絵本くらいなら読めるようになってきました」
うんうんとリリィは頷いた。
「お名前も綺麗に書けるようになってきましたね」
ショコラは照れた。
まだガタガタしていて、慣れていない感じがする。
「ショコラさんは絵もうまいし、手先が器用ですから、きっと字もどんどん綺麗になっていきますよ」
「そうですか?」
「ええ、もちろん。世の中慣れでどうにかなっていきますから」
そう言って笑うと、リリィはごゆっくり、と言って部屋を出て行った。
ショコラがゆるゆるとしっぽを振っていると、ホットミルクを飲みながら、仕事用の書類にちらっと目を通していたラグナルは、それをショコラに差し出した。
「これにも書いていいよ。もういらなくなった紙だから」
「あ、ほんとですか?」
「うん。ショコラって書いてごらん」
ショコラは得意げに、自分の名前をサインして見せた。
そしてふと、思いついたようにしっぽを振る。
「わたし、やってみたかったことがあるんです」
「何?」
「ここ、ご主人様みたいに、ここにサインしてみたいです」
そういって、署名欄を指さす。
「ああ……いいよ、やれば」
「本当ですか?」
「うん。いらない方の書類だったと思うから」
わーい、とショコラは署名欄に自分の名前をサインする。
しょこら
なんだか小難しい書類に自分の名前が刻まれているのを見て、ショコラは笑ってしまった。
ちぐはぐな書類だ。
「あれ、これ……」
それをじーっと眺めていたラグナルは、眉を寄せた。
そして思った。
(……超大事な方の書類だった)
「まあいいや」
「?」
きょとんとするショコラに、ラグナルはなんでもないと首を振る。
寝る前の、とても穏やかな時間だった。
二人はそれからしばらく、たわいもない話をしたのだった。
◆
ショコラがマグを手で包み込んで、じんわりとした温かさを感じていると、ラグナルがふと窓の方を見た。
「……」
じっと窓の外を見るラグナル。
ショコラもそれにつられて、窓を見てみる。
夜の真っ暗な世界に、細やかな白いきらめきがうつった。
「あっ」
ショコラは立ち上がって、窓に近づいた。
「ご主人様、大変です」
そして窓を開ける。
びゅうっと冷たい風が吹いてきた、
手を伸ばすと、その白いきらめきに手を伸ばした。
それはショコラの手のひらに落ちると、冷たい温度を残して、じんわりと消えていった。
「雪です……!」
両手を伸ばして、ショコラは空を見上げる。
「初雪だね」
ラグナルもその隣に並んだ。
雪はゆっくり、ひらひらと二人の元に舞い降りてくる。
「今年は少し、早いかな」
「そうなんですか?」
「うん。少しね」
ショコラは去年の事を思い出した。
ショコラは冬があまり好きじゃなかった。
寒い中、一人で震えていた思い出しかないからだ。
(でも、今年は)
空を見上げるラグナルをみる。
ラグナルがちら、とショコラを見た。
「何?」
「えっと……」
ショコラはもじもじしながら言った。
「今年の冬は……楽しい事がいっぱいありそうだな、と思って」
はにかんでそういうと、ラグナルは微笑んだ。
「あるんじゃないかな。いっぱい」
「! 本当ですか」
「うん。冬は食べ物も美味しいし、年末年始はイベントばっかりだし。結構忙しいと思うよ」
ショコラは断然楽しみになってきた。
しっぽを振ってラグナルに笑いかける。
ラグナルはショコラの頭を撫でた。
「だから、風邪引かないでね」
ラグナルはそっとショコラの腰を引いた。
「おいで。もう寝よう」
そう言って、窓を閉める。
そのまま、一瞬だけ、ちら、と外を見た。
ショコラはそれに気づかず、大きなあくびをする。
「そうですね。ショコラもなんだか、眠くなってきました……」
ショコラのあくびがうつったのか、ラグナルも大きなあくびをする。
二人は目を見合わせて、笑ったのだった。
◆
雪が降る中、またもや木の上から館の中を双眼鏡で覗いている少女の姿があった。
ずび、と鼻を鳴らし、怒りからなのか、それとも寒さからなのかわからないが、ぷるぷると震えている。
「な、なんあのよ、あの二人……!」
少女は鼻水を垂らしながら言った。
「ふしだらだわ! 夜に男の部屋で二人きりなんて!」
そして歯をギリ、と噛むと、目元を陰らせた。
「もう我慢できないわ。『チビ』はいないけど、明日から嫌がらせ決行よ」
腰に手を当て、指をビシッと館の方に向ける。
「見ていなさい、犬の娘。あんたには明日から、不幸が襲い来るんだから」
そう言って、赤髪の少女はふふふ、と暗い笑みを浮かべた。
「これでラグはあたしのもの……うひゃあっ!?」
そしてそのまま、足を滑らせて、木の上から落ちたのだった。
ラグナルの部屋にはあたたかな色をした灯りが灯り、カリカリと心地よいペンの音が響いていた。
机に座って一生懸命書き取りをしているのはショコラだ。
ラグナルは頬づえをついて、じっとそれを見つめていた。
ショコラは歓迎会のあの夜から、こうして何日かに一度、ラグナルの部屋に通って勉強をみてもらっている。それ以外の日は自分で文字を練習したり、辞書を引いたり、絵本を読んだりして、勉強しているのだ。
「できました!」
ショコラは顔を上げて、ラグナルにワークを見せた。
ワークの一ページには、『自己紹介をしてみましょう』と書いてある。
お花や太陽がニコニコと笑っているページに、ショコラの若干ガタガタした文字が書かれていた。
わたしのなまえはしょこらです。
わたしはどんぐりがすきです。
わたしはえいがをみることがすきです。
おえかきもすきです。
ショコラは自分の名前だけでなく、ちょっとした文章も書けるようになってきた。それが嬉しくて嬉しくて、仕方がない。
じーっとワークをみていたラグナルが、赤いペンでくるくると花を咲かす。
「よくできました」
ショコラは大喜びした。
「はなまるです、ご主人様!」
「うん。よかったね」
「はい!」
ショコラはしっぽを振ってワークを抱きしめた。
すると部屋をノックする音。
ラグナルが返事をすると、寝間着の上にカーディガンを羽織ったリリィが、トレイに湯気の上ティーカップを乗せて、部屋に入ってきた。
「ふふ。勉強で疲れた頭には、ホットミルクが一番ですよ」
「わぁ、ありがとうございます!」
「ダイニングでヤマトとドラマを見ていたんですけど、もう寒いからヤマトが持って行けって」
リリィは空いた時間にダイニングでドラマを見るのが趣味なようだった。
せっかくなので、ショコラは書いたものをリリィにも見せる。
「あらあら、お上手になられましたねぇ」
リリィは子どもを褒める母親のような微笑みを浮かべて、ショコラのワークをめくっていった。
実際、リリィはショコラがどんどん知識を吸収していくのが、微笑ましくて仕方がないのだった。
「もう簡単な文章くらいなら、書けますね」
「はい。難しい文章はまだだめですけど……あと、絵本くらいなら読めるようになってきました」
うんうんとリリィは頷いた。
「お名前も綺麗に書けるようになってきましたね」
ショコラは照れた。
まだガタガタしていて、慣れていない感じがする。
「ショコラさんは絵もうまいし、手先が器用ですから、きっと字もどんどん綺麗になっていきますよ」
「そうですか?」
「ええ、もちろん。世の中慣れでどうにかなっていきますから」
そう言って笑うと、リリィはごゆっくり、と言って部屋を出て行った。
ショコラがゆるゆるとしっぽを振っていると、ホットミルクを飲みながら、仕事用の書類にちらっと目を通していたラグナルは、それをショコラに差し出した。
「これにも書いていいよ。もういらなくなった紙だから」
「あ、ほんとですか?」
「うん。ショコラって書いてごらん」
ショコラは得意げに、自分の名前をサインして見せた。
そしてふと、思いついたようにしっぽを振る。
「わたし、やってみたかったことがあるんです」
「何?」
「ここ、ご主人様みたいに、ここにサインしてみたいです」
そういって、署名欄を指さす。
「ああ……いいよ、やれば」
「本当ですか?」
「うん。いらない方の書類だったと思うから」
わーい、とショコラは署名欄に自分の名前をサインする。
しょこら
なんだか小難しい書類に自分の名前が刻まれているのを見て、ショコラは笑ってしまった。
ちぐはぐな書類だ。
「あれ、これ……」
それをじーっと眺めていたラグナルは、眉を寄せた。
そして思った。
(……超大事な方の書類だった)
「まあいいや」
「?」
きょとんとするショコラに、ラグナルはなんでもないと首を振る。
寝る前の、とても穏やかな時間だった。
二人はそれからしばらく、たわいもない話をしたのだった。
◆
ショコラがマグを手で包み込んで、じんわりとした温かさを感じていると、ラグナルがふと窓の方を見た。
「……」
じっと窓の外を見るラグナル。
ショコラもそれにつられて、窓を見てみる。
夜の真っ暗な世界に、細やかな白いきらめきがうつった。
「あっ」
ショコラは立ち上がって、窓に近づいた。
「ご主人様、大変です」
そして窓を開ける。
びゅうっと冷たい風が吹いてきた、
手を伸ばすと、その白いきらめきに手を伸ばした。
それはショコラの手のひらに落ちると、冷たい温度を残して、じんわりと消えていった。
「雪です……!」
両手を伸ばして、ショコラは空を見上げる。
「初雪だね」
ラグナルもその隣に並んだ。
雪はゆっくり、ひらひらと二人の元に舞い降りてくる。
「今年は少し、早いかな」
「そうなんですか?」
「うん。少しね」
ショコラは去年の事を思い出した。
ショコラは冬があまり好きじゃなかった。
寒い中、一人で震えていた思い出しかないからだ。
(でも、今年は)
空を見上げるラグナルをみる。
ラグナルがちら、とショコラを見た。
「何?」
「えっと……」
ショコラはもじもじしながら言った。
「今年の冬は……楽しい事がいっぱいありそうだな、と思って」
はにかんでそういうと、ラグナルは微笑んだ。
「あるんじゃないかな。いっぱい」
「! 本当ですか」
「うん。冬は食べ物も美味しいし、年末年始はイベントばっかりだし。結構忙しいと思うよ」
ショコラは断然楽しみになってきた。
しっぽを振ってラグナルに笑いかける。
ラグナルはショコラの頭を撫でた。
「だから、風邪引かないでね」
ラグナルはそっとショコラの腰を引いた。
「おいで。もう寝よう」
そう言って、窓を閉める。
そのまま、一瞬だけ、ちら、と外を見た。
ショコラはそれに気づかず、大きなあくびをする。
「そうですね。ショコラもなんだか、眠くなってきました……」
ショコラのあくびがうつったのか、ラグナルも大きなあくびをする。
二人は目を見合わせて、笑ったのだった。
◆
雪が降る中、またもや木の上から館の中を双眼鏡で覗いている少女の姿があった。
ずび、と鼻を鳴らし、怒りからなのか、それとも寒さからなのかわからないが、ぷるぷると震えている。
「な、なんあのよ、あの二人……!」
少女は鼻水を垂らしながら言った。
「ふしだらだわ! 夜に男の部屋で二人きりなんて!」
そして歯をギリ、と噛むと、目元を陰らせた。
「もう我慢できないわ。『チビ』はいないけど、明日から嫌がらせ決行よ」
腰に手を当て、指をビシッと館の方に向ける。
「見ていなさい、犬の娘。あんたには明日から、不幸が襲い来るんだから」
そう言って、赤髪の少女はふふふ、と暗い笑みを浮かべた。
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