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本編
第5話 アリス・エヴァレット
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どうして自分は武具の具現化ができないのだろうか。
全ての授業を終え、黒寮に帰る途中、ロザリアはため息を吐いていた。
ロザリアの暮らすこのバルハザード国では、影から生まれる魔物「アンブラ」と戦うため、魔導士の育成に力をいれている。
アンブラと戦うためには、
・魂装強化(アンブラと渡り合えるように肉体を強化すること)
・魂装武具の召喚(魂に内包された武具を現実世界に取り出すこと)
の二つの魔術が必須とされている。
ロザリアは魂装強化には成功しているが、武具の具現化には至っていない。
武具がなければアンブラと戦うこともできないので、学園での立場はなくなってしまう。
このまま武具を召喚できなければ、退学になってしまうのだろうか。
そもそもこの学園で武具の召喚ができなかった人というのを聞いたことがないので、どうなるのかはわからない。
が、戦力なしと判定され退学になってもおかしくないとロザリアは思った。
「あのぉ」
ぼうっと歩いていたからだろうか。
いや、まさか自分に声をかけてきたなんて思わなかったからかもしれない。
「あの!」
「!」
二度声をかけられて、ロザリアはようやく歩みを止めた。
振り返れば、白寮の制服をきた金髪の少女が、ロザリアを見つめていた。
ロザリアの頭の中のクラス名簿がさっとひらく。
クラスメイトのことは、一応全員チェックしている。
一人一人どうやったら仲良くなれそうか、戦略を立てていたところだ。
ロザリアのクラス名簿によると、彼女は同級生のアリス・エヴァレットだった。
先ほどアレイズに名指しされていた少女である。
「これ、落としてたよ!」
アリスはロザリアに何かを差し出した。
ロザリアは目を見開く。
それは母ローズの形見であるペンダントだったからだ。
ロザリアはそれをなくさないよう、いつも肌身離さず持っていた。
戦闘訓練のため外してポケットにいれていたものが、落ちてしまったのだろう。
「……」
──ど、どうしよう! ついに話しかけられてしまったわよ!
声をかけられたのが嬉しすぎて、ロザリアの思考は爆発しそうになってしまっていた。
言葉がうまく出てこない。
「ロザリア、さま?」
アリスは眉を寄せた。
それからしおしおと視線を落としてしまう。
「ご、ご気分を悪くされてしまったなのなら、ごめんなさい……」
「……」
(ち、違うの! 待って、お願い! 返事を考えるのに二分くらい頂戴!)
アリスは固まったロザリアの手にペンダントを乗せると、そのまま走っていなくなってしまった。
アリスの後ろ姿が廊下の曲がり角に消えていくまで、ロザリアは呆然と見送っていたのだった
全ての授業を終え、黒寮に帰る途中、ロザリアはため息を吐いていた。
ロザリアの暮らすこのバルハザード国では、影から生まれる魔物「アンブラ」と戦うため、魔導士の育成に力をいれている。
アンブラと戦うためには、
・魂装強化(アンブラと渡り合えるように肉体を強化すること)
・魂装武具の召喚(魂に内包された武具を現実世界に取り出すこと)
の二つの魔術が必須とされている。
ロザリアは魂装強化には成功しているが、武具の具現化には至っていない。
武具がなければアンブラと戦うこともできないので、学園での立場はなくなってしまう。
このまま武具を召喚できなければ、退学になってしまうのだろうか。
そもそもこの学園で武具の召喚ができなかった人というのを聞いたことがないので、どうなるのかはわからない。
が、戦力なしと判定され退学になってもおかしくないとロザリアは思った。
「あのぉ」
ぼうっと歩いていたからだろうか。
いや、まさか自分に声をかけてきたなんて思わなかったからかもしれない。
「あの!」
「!」
二度声をかけられて、ロザリアはようやく歩みを止めた。
振り返れば、白寮の制服をきた金髪の少女が、ロザリアを見つめていた。
ロザリアの頭の中のクラス名簿がさっとひらく。
クラスメイトのことは、一応全員チェックしている。
一人一人どうやったら仲良くなれそうか、戦略を立てていたところだ。
ロザリアのクラス名簿によると、彼女は同級生のアリス・エヴァレットだった。
先ほどアレイズに名指しされていた少女である。
「これ、落としてたよ!」
アリスはロザリアに何かを差し出した。
ロザリアは目を見開く。
それは母ローズの形見であるペンダントだったからだ。
ロザリアはそれをなくさないよう、いつも肌身離さず持っていた。
戦闘訓練のため外してポケットにいれていたものが、落ちてしまったのだろう。
「……」
──ど、どうしよう! ついに話しかけられてしまったわよ!
声をかけられたのが嬉しすぎて、ロザリアの思考は爆発しそうになってしまっていた。
言葉がうまく出てこない。
「ロザリア、さま?」
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それからしおしおと視線を落としてしまう。
「ご、ご気分を悪くされてしまったなのなら、ごめんなさい……」
「……」
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