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本編
第7話 自習
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「えーみなさーん、試験の日も近いので、今日は自習にしようと思いますぅ」
ピンク色の髪にとんがり帽子をかぶった若い女教師が、黒板に『自習』と大きな文字を書いた。
可愛らしいその文字を見てから、ロザリアは教科書を開いた。毎日勉強するくらいしかやることがないロザリアは、もうほとんどすべての範囲を復習し終わっている。
「ロザリアさん、何かわからないところはないですかー?」
本に目を落としていたロザリアのもとに、女教師が回ってきた。
「……いいえ、ポップル先生」
(あ、声が冷たかったかも)
ロザリアは若干焦った。ロザリアは無表情無愛想なだけでなく、声も抑揚がないので喋り方には気をつけなければいけないのだ。
(ポップル先生に私はなんて冷たい態度を……)
ポップルと呼ばれるその魔導士は、ロザリアが大好きな先生だった。なぜなら、こんな悪役顏のロザリアにも何も気にせず接してくれるからだ。ロザリアがどんな態度をとっても、そうですかーと何も気にしない。
「そうですかー」
このように。
ポップルは鼻歌を歌いながら、生徒の間を巡回していた。
「ポップルせんせ……」
「せんせー! おれんとこきて!」
ロザリアの斜め前に座っていたアリスが、声を上げると同時に、元気な男の子がはーいはーいと手をあげてそれを遮った。
「はーい、ワンズくん、静かにねー」
ポップルはアリスに気づかず、ワンズと呼ばれた少年のもとへ赴く。ワンズ少年は赤寮の制服をだらしなく着こなしていて、ポップルにそれを直されていた。
「あ……」
しゅん、とアリスは手を下げた。
ロザリアはその様子を見て、ハッとする。
アリスのノートが視界に入り、なんとなくどこを質問しようとしていたのかがわかったからだ。
(わかるわかる、私もそこ詰まったよ!)
ロザリアはうんうんと勝手に頷いた。
魔術分野の問題だ。
Qある魔導士の魔術ロッドは三つある。そのうちの一つは魂装強化のために埋まっている。しかし魔導士は三つの魔術を使うことができた。それはなぜか。
答えは武具自体に魔術効果が付与されているからだ。
この場合、魔導士の魔術ロッドに二つしか空きがなかったとしても、魔術効果を追加しているため、三つの魔術が使えることになる。
(ど、どうしよう……教えてあげたほうが……)
ロザリアはばくばくする心臓を抑えて、アリスを見ていた。
アリスは強い視線に気づいたのか、ちらとこちらを振り返る。
「!」
ぎょっとした顔で、アリスは再び前を向いた。
ロザリアはものすごい顔をしていたらしい。
(あれ、またなんか私、失敗しちゃったような……?)
結局、ロザリアがアリスと会話することはなかった。
ピンク色の髪にとんがり帽子をかぶった若い女教師が、黒板に『自習』と大きな文字を書いた。
可愛らしいその文字を見てから、ロザリアは教科書を開いた。毎日勉強するくらいしかやることがないロザリアは、もうほとんどすべての範囲を復習し終わっている。
「ロザリアさん、何かわからないところはないですかー?」
本に目を落としていたロザリアのもとに、女教師が回ってきた。
「……いいえ、ポップル先生」
(あ、声が冷たかったかも)
ロザリアは若干焦った。ロザリアは無表情無愛想なだけでなく、声も抑揚がないので喋り方には気をつけなければいけないのだ。
(ポップル先生に私はなんて冷たい態度を……)
ポップルと呼ばれるその魔導士は、ロザリアが大好きな先生だった。なぜなら、こんな悪役顏のロザリアにも何も気にせず接してくれるからだ。ロザリアがどんな態度をとっても、そうですかーと何も気にしない。
「そうですかー」
このように。
ポップルは鼻歌を歌いながら、生徒の間を巡回していた。
「ポップルせんせ……」
「せんせー! おれんとこきて!」
ロザリアの斜め前に座っていたアリスが、声を上げると同時に、元気な男の子がはーいはーいと手をあげてそれを遮った。
「はーい、ワンズくん、静かにねー」
ポップルはアリスに気づかず、ワンズと呼ばれた少年のもとへ赴く。ワンズ少年は赤寮の制服をだらしなく着こなしていて、ポップルにそれを直されていた。
「あ……」
しゅん、とアリスは手を下げた。
ロザリアはその様子を見て、ハッとする。
アリスのノートが視界に入り、なんとなくどこを質問しようとしていたのかがわかったからだ。
(わかるわかる、私もそこ詰まったよ!)
ロザリアはうんうんと勝手に頷いた。
魔術分野の問題だ。
Qある魔導士の魔術ロッドは三つある。そのうちの一つは魂装強化のために埋まっている。しかし魔導士は三つの魔術を使うことができた。それはなぜか。
答えは武具自体に魔術効果が付与されているからだ。
この場合、魔導士の魔術ロッドに二つしか空きがなかったとしても、魔術効果を追加しているため、三つの魔術が使えることになる。
(ど、どうしよう……教えてあげたほうが……)
ロザリアはばくばくする心臓を抑えて、アリスを見ていた。
アリスは強い視線に気づいたのか、ちらとこちらを振り返る。
「!」
ぎょっとした顔で、アリスは再び前を向いた。
ロザリアはものすごい顔をしていたらしい。
(あれ、またなんか私、失敗しちゃったような……?)
結局、ロザリアがアリスと会話することはなかった。
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