悪役令嬢と七つの大罪

美雨音ハル

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本編

第21話 呆れ

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『ふぅん、それがお前の事情ってわけか』

 ふと気づくと、ロザリアはまたあの暗い空間に立っていた。
 目の前には銀の玉座があり、あの時の男が足を組んで座っている。

「また、この夢……」

 ロザリアはじり、と後ずさった。
 同じ夢の続きを見るなんて、なんだか変だ。
 それにあの男の、異様な雰囲気。
 後ずさるロザリアを見て、男はくく、と笑った。

『それで、お前はどうするんだ?』

「どう、する……?」

『こんな状態でいいのかよ』

「……」

 よくないに決まってる。
 でもロザリアには、どうすることもできないのだ。
 母が亡くなってから、意地悪な使用人たちにいじめられ、反論しても無駄なのだということを教え込まれてきた。
 ロザリアの心には、この状況を変えることはできないと、呪詛のように刻み込まれていた。

 どうして私はこんな家に生まれたの。
 どうしてあんなやつにそっくりな顔なの。
 どうして、どうして……。

 せめて、周りが変わってくれたら。
 そうしたら私も、ましになれるかもしれないのに。

『やはり、お前では無理、か……』

 男はただ、呆れたような声で、ロザリアを見ていた。

 ◆
 
 ハッとロザリアは目を覚ました。
 額に大粒の汗をかいている。

 起き上がると、外は真っ暗だった。
 ずいぶん眠っていたようだ。

「また、あの夢……」

 額の汗を拭い、ロザリアは呟いた。

「一体なんなのかしら……」

 ロザリアはドキドキする心臓を押さえて、きゅ、と握った。
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