私の怖いもの 短編集

tenten

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学校での肝試し

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 小学3.4年生の頃、夏休みに学校で肝試しが行われることになった。

 木造の古い校舎や体育館を使ってのかなり大掛かりなものだった。

 お化け役と案内役を高学年がしてくれて、学年が混ざったグループで校内の各教室や体育館を周り戻ってくるだけ。

 ほとんどの生徒は暗くなる前に下校するので、夜の真っ暗な校舎を知らない。だから楽しみで仕方がないようだ。


 案内役の高学年に前後を挟まれて出発。
 初めは賑やかにお喋りしていた子どもたちも、校舎に入ったとたん急に大人しくなる。

 廊下は月明かりに照らされてはいたが、窓の影が逆に気味悪さを演出している。

 低学年は怖くて誰かにくっついて行きたいらしく、私は腕や肩を掴まれたりしながら進んでいく。

 私は張り付かれるのが苦手なため、かなり迷惑していた。




 体育館では暗い中、障害物を通って行かなくてはならない。

 一番盛り上がる場所だったらしい。

 高跳び用の厚みのあるマットを通る。ただでさえ歩きにくいマットの上、仕掛け人の高学年に足を掴まれる。

 転びたくない私は、大きく足踏みして掴もうとする手を踏みながら渡り切った。

 仕掛け人「イテッ」という声に「ゴメン」と言いながら。



 各教室を覗きながら進み、メイクをしたお化け役がいる教室は扉を開けて中まで入る。

 2階の教室を交互に入ったり入らなかったり・・・「あれ?」

「さっきの教室にお化け役のお姉ちゃんいたのに、なんで入らなかったんだろ?」

 お化け役は皆、大袈裟なお化けメイクをして座って子どもたちを待っていた。

 しかし、私がさっき見たお化けは立っていたし、メイクもあっさりしていた。

「お化け役じゃなくて、ほんとのお化け?」



 次に入った教室には、たまたま近所のお姉ちゃんがお化け役で座っていた。

 私たちは目が合って、お互い笑ってしまった。

 直後に知り合いの顔を見たせいか、今さっきの出来事がなかったことのように感じた。



 ゴールする頃には、怖くて泣いている子や恐怖で固まっている子。私のように知り合いに会えて、笑っている子とでゴール集合場所は夜の学校とは思えないほど賑やかだった。

 お菓子を貰って、待っていた母と妹と一緒に帰る。あんなことやこんなことがあってと、2人で家に着くまで競うように母に話していた。

 が、入らなかった教室にいたお化けのことを私は誰にも話さなかった。




 そう、これくらいのこと私にとっては恐怖でもなんでもない。

 私の本当に怖いものは・・・・・









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