《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)

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舞踏会

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「ラティラお嬢様お迎えが参りました」


準備も終了して待っていたラティラに、メイドが呼びに来ました。


「ルラック変じゃ無いかな?」


ラティラのウエスト下にある大きな花の下に、上手く隠れてるルラックは。


(とても綺麗だから自信持って。騎士団長待ってるよ)


頷き、ゆっくりとした足取りで、階下に降りて行くラティラ。下で待つラインハルトと、アルベルトは降りて来るラティラを見て驚き言葉も無い。


「お兄様。ラインハルト様お待たせ致しました」


ヒラヒラ柔らかなスカートを持ち上げ上品にカーテシーをするラティラ。やっと正気に戻ったアルベルトは。


「凄いね、ラティラがここまで綺麗だったとはビックリしたよ。そんな、バッチリ化粧なんてしたところ見た事なかったからな。きちんとしたラティラは、我が妹ながら女神にみえるよ。ラインハルトくれぐれも目を離すなよ」

「ああ……」

「ラインハルト頼むぞ」


アルベルトがラインハルトの肩を力強く叩いた。


「いってぇ~ あー 悪い少し見惚れすぎてた。やばいな、俺初めてだわ本気で綺麗だと思う女見たの」


その言葉を聞いたラティラは、顔が真っ赤に染まってしまい、あたふたしている。それを見ていた周りにいる辺境伯家で働く人達は、微笑ましそうな視線を向けた。その二人を見てアルベルトは複雑な顔だ。


「私も後から行くから、お前達は先に行け。ラティラお前は….…ラインハルトと楽しめ。ダンスは好きだろ。ラインハルトはダンスだけは上手いんだ。ちゃんとリードしてもらえ。ラインハルト、ラティラをよろしく頼む」

「任せておけアルベルト」


ラインハルトはラティラの手を取り、屋敷の皆に一礼し、ゆっくりと歩きだした。二人は屋敷を出て王宮へ馬車で向かった。二人は馬車の中で隣り合って座っていた。
    

「ラインハルト様……手が……」

「遅くなったが、とても綺麗だ。さっきは見惚れて何も言えなかったが、俺はあまりこういうのは慣れてなくて上手く言えないが、いつもの君も元気で素直で可愛いが、今日の君は美しい。このまま連れて逃げてしまいたい。誰にも見せたく無いな」


ラインハルトは屋敷を出る時から、手を繋いだままだ。離す気もなさそうだが。


「ラインハルト様……」


それからお互い見つめ合うだけで、話しをしないままいつの間にか王宮に着いていた。外から扉を開かれ、ラインハルトのエスコートで馬車を降り、煌びやかな世界へゆっくり歩きだした。


「大丈夫だから。王宮は俺の庭だから任せておけ」


周りからの痛い程の視線に、ラティラは少し怖気付いていた。それに気付いたラインハルトは、明るく流す。安心させるように力強くラティラをエスコートして笑顔でラティラに話しかけながら、会場に入って行った。


 今日の舞踏会は十五歳以上の貴族なら、参加自由の比較的規約の無い、催しになっている。王子達のお披露目が主になるからだ。
     
 ラインハルトとラティラは人の間を縫って歩き、偶にラインハルトは挨拶されるのに返しながら人の少ない端の方を目指し足を進めていた。その間も、好奇心満載の多数の視線がラティラに向かっている。ラインハルトがしっかりと手を繋いでいるのも、注目の原因なのだが。

 煌びやかな女性の集団の中心に居た女性が、ラインハルトを見た瞬間に女性の中心から飛び出して来て、親しげに話しかけてきた。


「あらぁ~ ラインハルト様。いつもはわたくしのエスコートをしていただいていますのに……今日はどう言うことですの? わたくし寂しくてよ」


色鮮やかな黄色のドレスを着た、濃いめのオレンジの瞳と、それのもう少し薄くした色の髪をお洒落に纏めた美人で派手な顔立ちの女性は、ラティラは居ないものとした風でラインハルトに寂しそうにしな垂れかかった。


「ミレディ嬢、失礼ですが離れて貰えますか? いつもは騎士団長として、貴女をエスコートしておりますが、今宵はわたくしラインハルト.ローエンド個人での参加ですので失礼致します」


優しく、笑顔で応えながらもミレディから身体を外し、ラインハルトはラティラの手を取り、素早くその場から逃げ出した。


(おじょー さっきの派手な人、お姉様やらお父様とか言ってるから、昨日話してた人じゃ無いかな? 危ない人だよ)

「良く判るのね?」

(ルラック聞こうと思うと心の中も聞こえるから)

「は? 本当に?」

「どうしたんだラティラ。独り言、言って」


ラインハルトが小声で喋るラティラを心配そうに見ている。


「ごめんなさい。これ」


ピラッと。腰の花を上に上げるとルラックがいた。


「おい、これからダンスだぞ大丈夫か? 人に見つかったら連れ去られたりも、あり得るぞ」

「大丈夫よ。ルラック素早いから隠れてられるよね?」


ラティラが話すと、さっと消えて暗がりのカーテンの隙間からチラッと白い毛並みがみえた。


「凄いな、騎士団に欲しいよ」


ざわざわ周りが騒めき出した。


「そろそろ王族登場だぞ」


ドーンドーンドーン

 大きな鐘の音が3回響き渡り。巨大な階段を隔てた二階部分の上にある扉から、皇帝陛下、レオン殿下、ヴァント殿下、ミシェル殿下と側妃二人が威厳のある空気を纏い登場した。

 会場は少し騒めき……皇后様……との声が聞こえてきたが、すぐに収まり。

 皇帝陛下が、皆の一歩前に出てきた。大階段の高さと結構な距離間があり、そんなにはっきりとは判らないが、纏っているオーラが違うとラティラは感じた。
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