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番外 《恋バナⅤ 》
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お腹いっぱいの二人は、秘密の滝の涼やかな音を聞きながら、柔らかな草の上に座ってのんびり過ごしていた。
「ラティラと久しぶりに逢えて楽しかった」
「私もです」
ラティラが、ラインハルトの横顔を見ると、何故か笑顔が消え真剣な表情になっていた。
「ラティラ……俺は、前団長から騎士団を譲り受けた時、結婚も恋愛もしないと決めてたんだよ。
現在では、身分は関係ない実力の世界になったが、以前の騎士団は身分格差・陰謀・横領・様々な悪事がまかり通っていたんだ。それによって遂行な志を持った者は、排除されて行ったんだよ。
残された奴は屑ばかりだった……俺は当時を知っている。知っているからこそ騎士団を変えたかった!
以前の団長は身分のある方だったんだ。自分の力を全て使い、その他の人脈も使い、様々な事を変革して行ったんだよ。
俺も兄達が団長と知り合いだった為に、裏から表から色々みさせて貰ったし、俺もできる事は手助けしたよ。
陛下は、良い意味でも悪い意味でも受け身の方だからな。悪い方ではないが、積極的に動く方ではない。大まかな事が流れていればそれで良いと思う方だ。
だが、騎士団は平和が崩れた時、立ち上がらなければならない。あの頃も今も他国との情勢は落ち着いているが、いつ何があるか分からないよな。いざという時のための騎士団が、腐り切っているなんてあり得ない事だ。
ラティラも辺境の地を護っているから判るだろうが、平和が一番だが。平和な時程悪事も蔓延る、それを取り締まらなく一緒になって悪事に加担していたのが以前の騎士団だ。
それを団長は取り締まって行った。どんな身分だろうが悪事に手を染めていたら、切り捨てていったんだ。騎士団の人数はかなり減少したな……
前団長は……秘密の恋人が居てな。最終的に纏まりつつあった改革もその恋人との事が引き金で流されそうになったんだ。
団長は俺達に後は任せて、自ら志願して騎士団から離れたんだよ。あんな凄い人が……たかだか恋愛で駄目になるなんてと思ってな。
その当時は悔しかった。そもそもそんな、幸せになれない様な。未来を作れない相手と何故付き合うのかと、俺は理解できなかったよ。
今はその当時の団長の気持ちが判るんだよ。ラティラの事を愛しているからな。
アルベルトは宰相の道を選んだ。ラティラは今ではないだろうが、辺境伯の爵位を継承するだろう。
俺は騎士団を継いで行きたい。これから騎士団と辺境の傭兵は切磋琢磨してお互い伸びて行くのが理想だ。二つは別物だ。一緒になってはいけないと思うんだ。
俺は騎士団の団長として、これからも進んで行く。騎士団第一で辺境には今の所は属す事はできないが、君を手放したくもないんだ! 勝手だとは思うがこの話を聞いた上でのラティラの考えを聞きたいんだ」
ラティラは暫く目を閉じた……そして目を開けて、ラインハルトに近づいて苦しそうな顔をしているラインハルトの唇に、ラティラの唇を合わせた。
そっと触れ合う……口づけ。
「ラインハルト様、お気持ちとても嬉しいです。私も貴方の事が好きです。ずっーと一緒に居たいです。
ラインハルト様。私のお父様は元気ですし、お母様も健在です。楽観的な考えかも知れませんが、私の弟が産まれるかもしれませんし、お兄様にもこれからお子が産まれるかも知れません。私も……
ですから、暗く考えないで明るく未来を考えましょう! 騎士団だって、前団長様がラインハルト様に引き継いだ様に、ラインハルト様が引き継いで貰いたいと思う方が、現れるかもしれないじゃありませんか?
でしょ? ラインハルト様! 私が幸せにしてあげます! 私も幸せにして下さいね」
ラインハルトはラティラを抱き締めた。ぎゅーと……ぎゅーと、抱き締めた。
ラティラのお尻の近くに咲いていた小花に、一粒の水滴が落ちた。
「愛してる」
「ラティラと久しぶりに逢えて楽しかった」
「私もです」
ラティラが、ラインハルトの横顔を見ると、何故か笑顔が消え真剣な表情になっていた。
「ラティラ……俺は、前団長から騎士団を譲り受けた時、結婚も恋愛もしないと決めてたんだよ。
現在では、身分は関係ない実力の世界になったが、以前の騎士団は身分格差・陰謀・横領・様々な悪事がまかり通っていたんだ。それによって遂行な志を持った者は、排除されて行ったんだよ。
残された奴は屑ばかりだった……俺は当時を知っている。知っているからこそ騎士団を変えたかった!
以前の団長は身分のある方だったんだ。自分の力を全て使い、その他の人脈も使い、様々な事を変革して行ったんだよ。
俺も兄達が団長と知り合いだった為に、裏から表から色々みさせて貰ったし、俺もできる事は手助けしたよ。
陛下は、良い意味でも悪い意味でも受け身の方だからな。悪い方ではないが、積極的に動く方ではない。大まかな事が流れていればそれで良いと思う方だ。
だが、騎士団は平和が崩れた時、立ち上がらなければならない。あの頃も今も他国との情勢は落ち着いているが、いつ何があるか分からないよな。いざという時のための騎士団が、腐り切っているなんてあり得ない事だ。
ラティラも辺境の地を護っているから判るだろうが、平和が一番だが。平和な時程悪事も蔓延る、それを取り締まらなく一緒になって悪事に加担していたのが以前の騎士団だ。
それを団長は取り締まって行った。どんな身分だろうが悪事に手を染めていたら、切り捨てていったんだ。騎士団の人数はかなり減少したな……
前団長は……秘密の恋人が居てな。最終的に纏まりつつあった改革もその恋人との事が引き金で流されそうになったんだ。
団長は俺達に後は任せて、自ら志願して騎士団から離れたんだよ。あんな凄い人が……たかだか恋愛で駄目になるなんてと思ってな。
その当時は悔しかった。そもそもそんな、幸せになれない様な。未来を作れない相手と何故付き合うのかと、俺は理解できなかったよ。
今はその当時の団長の気持ちが判るんだよ。ラティラの事を愛しているからな。
アルベルトは宰相の道を選んだ。ラティラは今ではないだろうが、辺境伯の爵位を継承するだろう。
俺は騎士団を継いで行きたい。これから騎士団と辺境の傭兵は切磋琢磨してお互い伸びて行くのが理想だ。二つは別物だ。一緒になってはいけないと思うんだ。
俺は騎士団の団長として、これからも進んで行く。騎士団第一で辺境には今の所は属す事はできないが、君を手放したくもないんだ! 勝手だとは思うがこの話を聞いた上でのラティラの考えを聞きたいんだ」
ラティラは暫く目を閉じた……そして目を開けて、ラインハルトに近づいて苦しそうな顔をしているラインハルトの唇に、ラティラの唇を合わせた。
そっと触れ合う……口づけ。
「ラインハルト様、お気持ちとても嬉しいです。私も貴方の事が好きです。ずっーと一緒に居たいです。
ラインハルト様。私のお父様は元気ですし、お母様も健在です。楽観的な考えかも知れませんが、私の弟が産まれるかもしれませんし、お兄様にもこれからお子が産まれるかも知れません。私も……
ですから、暗く考えないで明るく未来を考えましょう! 騎士団だって、前団長様がラインハルト様に引き継いだ様に、ラインハルト様が引き継いで貰いたいと思う方が、現れるかもしれないじゃありませんか?
でしょ? ラインハルト様! 私が幸せにしてあげます! 私も幸せにして下さいね」
ラインハルトはラティラを抱き締めた。ぎゅーと……ぎゅーと、抱き締めた。
ラティラのお尻の近くに咲いていた小花に、一粒の水滴が落ちた。
「愛してる」
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