約束の未来~Re:set~

東 里胡

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第二章 間違い探しの日々

2-4

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「紅はどう? 今回一位狙えそう?」

 最近顔を合わす度、碧のプレッシャーにノイローゼになりそうだ。
 シクシクと胃痛がする。
 でもそんなもの碧の前でだけは、絶対におくびにも出さない。ポーカーフェイスを気取る。

「碧こそ、どうなの? 余裕なの?」
「まあね、わからないところは今回も特にないし」

 !!
 碧の言葉が頭の中にリフレインする。
 さすがですね、私今必死なのに! 
 めちゃくちゃ必死で思い出しながら勉強してるというのに!
 その余裕ぶった、すました顔は、本当に腹が立つ。

「中学校の頃の勉強、よく覚えてるよね?」
「俺ね、一回覚えると忘れないタイプなの」

 グサッ、その言葉が胸に突き刺さる。
 私とはまるきり逆のタイプだ。
 次を覚えるためには終わったことは忘れていくのが私だ。
 忘れたくなかった、忘れなければ今もっと楽なのに。

「紅はもしかしてそういうの苦手?」
「……別に? 私も大体は覚えているんだよね、苦手じゃない」

 碧相手に張り合ってしまうのは、今やでの公私において、私の最大の敵であるからだ。

「さすが、紅! やっと紅と張り合えるの俺すっごい嬉しいや」
「それはどうも、光栄です」

 私の言葉にブッと噴出した碧を睨むと。

「あのさ、紅。中三で光栄です、とか言う子いると思う?」

 うっ、言われてみれば。

「最近紅がすっごく頑張ってるの知ってるよ、家でも学校でも。だけど日本語時々おかしいことになってるから気をつけなね?」
「碧だからでしょ、碧相手だからつい」
「つい?」
「……、じゃあね!! また明日!」

 家に着いた私は逃げるように自分家の鍵を開けて中に入る。
 全部知っている碧の前でだけはでいられている、なんて、絶対言いたくないもの。




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