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第四章 許されないことだとしても
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「それでは再開します」と宣言した裁判長、そして二人の裁判官に検察官、宵も戻ってきたのは、その一分後のことだった。
全員休廷前と同じ位置に全員並ぶ。
「被告人は前に出てください。被告人一ノ瀬紅に対する人命寿命関与事件について、次のとおり判決を言い渡します」
あの時と判決言い渡しも同じだ。
「主文、被告人 一ノ瀬 紅、現在より時空界からの追放、それに伴う記憶消去にて時間操作能力の一切を封じることとします」
異議などない。
異議はいつかきっと碧が唱えてくれる。
「これにて閉廷します」
あの日と同じ黄金のガヴェルが鳴り響き、法廷内に終了を告げた。
「さよなら、紅ちゃん」
「碧を困らせないでね、宵」
「大丈夫、もう友達だしね」
「碧はまだそうは思ってないかもよ?」
一足先に時空界に連れ戻されてしまう宵に別れを告げる。
学校帰り正式なパスを使う道よりも早いからと抜け穴を使っていたのがバレていたらしい。
本来なら罰則があるらしいけれど、今回のみ自分でその穴を埋めるという重労働で許してもらえることとなった。
「紅ちゃんが忘れちゃうのは辛いけれど、オレは覚えてる、だって初恋だからさ」
へへっと笑った宵は一瞬ギュッと私を抱きしめた。
「バイバイ、紅ちゃん!!」
クルッと背中を向けて宵を連れに来た穴埋め作業の見張り番みたいな人たちと連れ立って行ってしまう背中に声をかける。
「バイバイ、宵!! 頑張って!! 宵ならきっと長として皆をまとめられるよ」
私の声に応えるように高く手を上げピースサイン、そしてそのまま気配を消した。
「そろそろ、宜しいですか」
振り向けば、碧と碧のお父さん、それから何か注射器のようなものを手にした人がいた。
時空界の医師なのだろう、気難しそうな顔をした初老のおじさんだった。
注射器の中には血のように赤い液体が入っている。
「腕をこちらへ」
「はい」
差し出したまま、碧を見つめた。
最後まで碧を見ていたい、覚えていたい。
記憶が消えるその瞬間まで碧を刻み込みたい。
右ひじの内側にチクリと痛みが走る。
瞬間、右に左に景色が揺れ出してく。
青い碧と赤い碧が左右に揺れて重なったり離れたりする。
ゴボゴボと水の中にいるみたいだ。
遠くで碧が私の名前を何度も呼んでいる気がする。
普通なら冷静でなんかいられない状況だというのに、どこかで今の状況を見ているもうひとりの自分いた。
目を閉じて、巻き戻され改ざんされていく記憶の中で、消えていく碧の笑顔も泣き顔も怒った顔に気づく。
そう、なんだ。
私ってば、碧のことが大好きなんだ。
心の痛かった原因が今更わかるなんて、呆れちゃう。
キスまで、したくせに、碧だって言わなかった。
ズルイよ、教えて欲しかったよ。
これが恋だったなんて――。
最後の笑顔を思い出して、涙が零れた。
……消さない、で、あ……。
消さないで、あの人を、お願い……。
全員休廷前と同じ位置に全員並ぶ。
「被告人は前に出てください。被告人一ノ瀬紅に対する人命寿命関与事件について、次のとおり判決を言い渡します」
あの時と判決言い渡しも同じだ。
「主文、被告人 一ノ瀬 紅、現在より時空界からの追放、それに伴う記憶消去にて時間操作能力の一切を封じることとします」
異議などない。
異議はいつかきっと碧が唱えてくれる。
「これにて閉廷します」
あの日と同じ黄金のガヴェルが鳴り響き、法廷内に終了を告げた。
「さよなら、紅ちゃん」
「碧を困らせないでね、宵」
「大丈夫、もう友達だしね」
「碧はまだそうは思ってないかもよ?」
一足先に時空界に連れ戻されてしまう宵に別れを告げる。
学校帰り正式なパスを使う道よりも早いからと抜け穴を使っていたのがバレていたらしい。
本来なら罰則があるらしいけれど、今回のみ自分でその穴を埋めるという重労働で許してもらえることとなった。
「紅ちゃんが忘れちゃうのは辛いけれど、オレは覚えてる、だって初恋だからさ」
へへっと笑った宵は一瞬ギュッと私を抱きしめた。
「バイバイ、紅ちゃん!!」
クルッと背中を向けて宵を連れに来た穴埋め作業の見張り番みたいな人たちと連れ立って行ってしまう背中に声をかける。
「バイバイ、宵!! 頑張って!! 宵ならきっと長として皆をまとめられるよ」
私の声に応えるように高く手を上げピースサイン、そしてそのまま気配を消した。
「そろそろ、宜しいですか」
振り向けば、碧と碧のお父さん、それから何か注射器のようなものを手にした人がいた。
時空界の医師なのだろう、気難しそうな顔をした初老のおじさんだった。
注射器の中には血のように赤い液体が入っている。
「腕をこちらへ」
「はい」
差し出したまま、碧を見つめた。
最後まで碧を見ていたい、覚えていたい。
記憶が消えるその瞬間まで碧を刻み込みたい。
右ひじの内側にチクリと痛みが走る。
瞬間、右に左に景色が揺れ出してく。
青い碧と赤い碧が左右に揺れて重なったり離れたりする。
ゴボゴボと水の中にいるみたいだ。
遠くで碧が私の名前を何度も呼んでいる気がする。
普通なら冷静でなんかいられない状況だというのに、どこかで今の状況を見ているもうひとりの自分いた。
目を閉じて、巻き戻され改ざんされていく記憶の中で、消えていく碧の笑顔も泣き顔も怒った顔に気づく。
そう、なんだ。
私ってば、碧のことが大好きなんだ。
心の痛かった原因が今更わかるなんて、呆れちゃう。
キスまで、したくせに、碧だって言わなかった。
ズルイよ、教えて欲しかったよ。
これが恋だったなんて――。
最後の笑顔を思い出して、涙が零れた。
……消さない、で、あ……。
消さないで、あの人を、お願い……。
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