叶浦さん、パンツ穿いてないの!?

ぱぁ先生

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体育祭 熱くなるし暑くなる

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1年に1度全力で体を動かす行事。
体育祭。ほぼ全員が本気で勝ちに行く気満々の雰囲気。
燃えている。
「盛り上がってんな」
「そうだな」
柚樹と2人で応援席から競技の様子を見る。
白熱する者、ヘロヘロになる者、お調子者と様々だ。
「ちょっと俺、トイレ行ってくるわ」
「おう、紅葉、お前次出番だから早く戻ってこいよな」
「分かってるって」
(次の綱引きまで後少し、小便したらすぐ戻らなきゃな)
トイレを済ませ、俺は足早に応援席に戻ろうとした。すると…
帰り道妙な現場に遭遇した。

「好きです」
「…」
(さ…桜ちゃん…!)
告白されてる真っ最中だった。
俺はとっさに建物の陰に隠れ、様子を伺った。
「…へ、返事はいつでもいいから…」
「…」
(桜ちゃん…やっぱりモテるよな…)
「…ごめんなさい」
「…えっ…」
(!…玉砕か…)
「あなたとは付き合えない」
「そ…そっか…やっぱりあの噂は本当なんだね」
(噂…?何だそれ…)
耳を澄ませて聞き入っていると、スマホのバイブが鳴った。
(や、やべ!そういや綱引き次だった!)
俺は静かにその場を離れ、メールの確認をしながら応援席に戻った。

「おい!お前何やってんだよ!すぐだから戻って来いって言ったよな!」
「わ、悪い…ちょっと立て込んで…」
柚樹がキレ気味に言う。
「クソか?腹の調子悪いのかよ」
「違ぇっ!」
柚樹は悪くないのになぜか怒鳴って、召集所へ向かった。
「なんだよアイツ…」
(悪いな柚樹、上手く言い訳できなかった…)

綱引きの説明を受け、俺は並んだ。
隣には、藤木乃さんがいた。
「あら、稲葉くん」
「藤木乃さん!」
「あなたも綱引きですのね」
「うん、藤木乃さんこの間はありがとう」
「何がです?」
「お茶、ご馳走様」
「あ、その事でしたらいいのよ、むしろ先に帰ってしまってあなたに不快な思いをさせてしまいましたわ」
「いいのいいの!用事あったんでしょ?」
「えぇ、」
「そういえば、柚樹と何か進展あった?」
俺は藤木乃さんに耳打ちする。
「ま…まだですわ…実は、今日体育祭が終わったら告白するつもりですの」
藤木乃さんは頬を少し染めて恥ずかしそうにそう言った。
「そっか!実るといいね!」
「えぇ、にしても今日は暑いですわね」
藤木乃さんはパタパタと手で扇ぐ。
確かに今日は暑い日だ。初夏と言えどこれはちょっと…
(ん?藤木乃さん…顔色が…)
「藤木乃さん…大丈夫…?」
「え…?大丈夫…ですわ…」
そう言った途端、藤木乃さんは倒れてしまった。
「藤木乃さん!!!」
「どうした、稲葉」
体育教師の笹木先生が駆け寄ってくる。
「藤木乃さんが急に倒れてしまったんです」
「この暑さだからな…悪い稲葉、医務室へ運んでやってくれるか?」
「分かりました」
俺は藤木乃さんを抱えて、医務室へ急いだ。
(ごめんね、藤木乃さん、)
「稲葉…く…」
「喋るな!!」
「は…い…」

弱る藤木乃さんを医務室へ運んだ。
(身体が熱い…冷やさなきゃ)
「紅葉くん!」
「桜ちゃん…!」
「私、保健委員だから任せて」
「うん、ありがとう」
(桜ちゃん…すごい…!テキパキしてる…)
桜ちゃんが冷やしてくれたお掛けで藤木乃さんの顔色はだいぶ良くなった。
「ありがとう、桜ちゃん助かったよ」
「ううん、保健委員だし慣れてるから」
(やっぱり好きだな…でも…柚樹が…)
「藤木乃さんね、すごく強い人なのよ」
「えっ…」
「具体的なことは難しくて言えないけど、なんて言うか…んー芯がある?って言うのかな、すごく…かっこいいの」
これまで見てきた表情で1度も見たことの無いきりっとした眼差しが俺の心を揺り動かす。
「だからね、紅葉くんには申し訳ないけど藤木乃さんに助けて貰ってるから私が今度は助けなきゃって思って後を追ってきたの」
「そうだったの」
「ごめんね、紅葉くんしっかりしてるし大丈夫だと思ったんだけど、その気持ちよりも!って気持ちが強くて止められなかった」
(この子は…こんなに熱い心を持っているんだ…初めて見た…こんな…凛とした表情…)
「よし…処置もした事だし、私は…戻るね!」
「えっ…」
「藤木乃さんの傍には紅葉君がついてて私、杉並くんを待たせてるの」
(えっ…それって…アイツ…)
「それじゃ、よろしくね」
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